6冬シーズン使用後の春・夏に履き潰したスタッドレスタイヤを新品に交換|NG・ダメ・違反・危険?!

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昨日、私KenUの愛車Mercedes-Benz GLA 220 4MATIC のスタッドレスタイヤを交換しました。
6冬シーズン履いたブリヂストン ブリザックVRX2を今夏に履き潰して、新品のVRX3に換わりました。

※冬タイヤの履きつぶしについて様々な誤情報があるので、この記事末尾で解説しました。


サイズはこれまでと同じ 235/50R18。


溝の深さを実測したところ、9mmでした。


DOTコードはBAN1325なので、2025年13週目(3月末〜4月初め)に製造されたタイヤです。


まだ冬ではないのに早々と交換した理由は、新品タイヤのならし走行(皮むき)が必要だからです。

タイヤ走行速度走行距離
一般タイヤ80km/h以下100km以上
冬用タイヤ60km/h以下200km以上
出典:BRIDGESTONE タイヤサイト ” 新品タイヤのならし走行 “

一応、タイヤのサイドウォール文字部分とトレッド面の硬度(ショアA)を測定しました。
測定は一晩(16時間)走行なしの冷感時に行い、外気温は16℃でした。

参照リンク⇒『新品ブリザックおよび劣化品のゴム硬度比較|温度と測定部位の影響


タイヤの値段は、近所のイエローハットでタイヤ交換したので格安通販サイトよりは高かったです。
でも、ブリジストン タイヤオンラインストア(4本セット+取付(税込)287,320 )よりは安かったです。

品名数量単価 (円)金額 (円)
BRIDGESTONE BLIZZAK
VRX3 235/50R18 97Q
453,300213,200
タイヤ交換工賃13,6003,600
エアバルブ(スリーブ付き)45502,200
窒素ガス充填45502,200
廃タイヤ処理量43851,540
クーポン値引き-500
合計222,240

エアバルブは、金属ステムバルブではなく、普通のスナップインタイプの黒いゴムのものにドレスアップ用の金属光沢カバー(スリーブ)が付いたものです。
アウトバーンを走るわけでもなく街乗りだけなので、これでいいかなって。

窒素ガスは、少し高めの圧に充填してもらい、自宅に戻ってから自分で空気圧を調節します。
窒素の効果については、過去ブログに科学的に解説した記事を書いています。

参照リンク⇒ 『タイヤに窒素を入れる効果のウソ・ホントと科学的根拠』『【科学】タイヤに窒素ガス vs 空気|酸素や水蒸気の影響は?

窒素を充填すると理論的にはゴムバルブの劣化も抑えられますね。


では、ここから、スタッドレスタイヤ交換前の夏シーズン履き潰しについて。

ネットを検索すると、危険性ばかりを主張するサイトがたくさん出てきます。
そして、JAFのテスト例を紹介しているサイトもあります。
JAFユーザーテスト概要のリンクはこちら⇒ 摩耗タイヤの検証(JAFユーザーテスト)

しかし、YouTubeで公開されているテスト映像を見ると、科学的信頼性は低く参考になりません。
その理由は、次に示すとおり、10年以上も経過したスタッドレスタイヤと比較的新しい夏タイヤとの比較になっているからです。

  • テスト実施日:2015年3月22日
  • 車種:トヨタ・プリウス(ZVW30型)
  • 夏タイヤ:新品、50%摩耗、80%摩耗 ブリヂストン ECOPIA EP25
    (プリウス新車装着タイヤ、DOTコード不明 = 推定:2009~2014年製造 )
    ※推定理由:プリウスZVW30型の発売が2009年で、JAFテストが2015年に行われたことから)
  • 冬タイヤ:50%摩耗 BLIZZAK REVO1
    (DOTコード W0305 = 2005年第3週(1月下旬)製造)
  • タイヤ経過年数:夏タイヤ約1~6年(推定)、冬タイヤ10年2か月

では、以下、車専門雑誌のWebサイトやその他サイトの誤りを一つづつ潰していきましょう。

  • Webサイトの主張(1)
    ゴムは経年劣化し、4~5年で性能が落ちる。
  • KenUの意見
    適切に保管していれば劣化はあまりしない。
    6年経過後も良好、ショア硬度計で確認済み。
    参照リンク⇒ https://ikinarilarc.com/2024/04/30/studless-tire-lifespan/
  • Webサイトの主張(2)
    ソフトなゴムなので、操縦安定性が悪化し、制動距離が長くなる。
  • KenUの意見
    制動性能差はあるが、ドライ路面でも安全に走行できるように設計されている。
    高速走行やコーナリング限界を攻める運転をしないなら、十分安全。
    水たまりは別として、街乗りのウェット路面では夏タイヤよりも制動距離は短くなる傾向。
    ただし、水たまりではハイドロプレーニング耐性は低くなるというトレードオフはあるので、高速走行では注意が必要。
    そもそも、豪雨の場合、高速道路の最高速度は50km/hに規制されるので、安全走行上のリスクは下がる。
  • Webサイトの主張(3)
    燃費が悪くなる。
  • KenUの意見
    実績としては変わらない。むしろ夏タイヤより燃費は良い。
  • Webサイトの主張(4)
    急ブレーキで止まれない。
  • KenUの意見
    街乗り等の一般走行(50km/h以下)では、ABSが作動する前に停止でき、危険とは言えない。
    制動時の熱で摩耗は早くなるが、低速域での制動性能は実用上問題なし。
  • Webサイトの主張(5)
    運動性が落ちてスピードを出すとバーストする。
  • KenUの意見
    スタッドレスタイヤも耐熱構造・速度レンジ(Speed Symbol)が設定されている。
    夏に80〜100km/hで走る程度では、内部温度は安全範囲内。
    バーストは「空気圧不足」または「長時間の過積載高速走行」が原因であり、季節やタイヤ種別は直接の原因ではない。
  • Webサイトの主張(6)
    夏のスタッドレスタイヤはふらふらして安定性がない。
  • KenUの意見
    ビード・カーカス・ベルトなどタイヤ内部構造自体は夏タイヤと変わらないので、極端に不安定になるわけではない。
    実際に夏タイヤよりも多少柔らかさを感じるが、真冬・真夏のドライ路面での違いは、よほど意識しないと感じることはない。
    さらに、新品スタッドレスタイヤの通年使用とは異なり、50%程度摩耗・多少の硬化によりトレッド面のよれは減るので、コーナリング時の安定感は悪くない。
  • Webサイトの主張(7)
    スタッドレスでドライ路面を走行するとロードノイズが大きくなってしまう。
  • KenUの意見
    夏タイヤよりもサスペンションに伝わる振動を減衰しやすく、実際にロードノイズは減って静粛性は増す。

結局、スタッドレスタイヤの履き潰しが危険なのではなく、タイヤの管理や運転方法が重要です。
正しく保管し、無理のない速度で街乗りする限り、履き潰し使用でも極端に危険になることはありません。
私の経験では安全に走行でき、まったく問題はありませんでした。
1989年から35シーズンのうち、3~4年毎にスタッドレスタイヤを買い換えていました。
車の買換えタイミングもあるので、実際に履き潰したのは7本くらいかな?

【追記】
より信頼性の高いデータとして、VTI(※参照)の研究論文「Jämförelse av vinter- och sommardäck på barmark sommartid」(夏季の舗装路における冬用タイヤと夏用タイヤの比較, VTIレポート849, 2015)があります。

この研究では、新品スタッドレスタイヤと新品夏用タイヤのドライ路面およびウェット路面での性能を比較しました。
ブリヂストン「ブリザック」やミシュランを含む主要メーカーのスタッドレスタイヤ5種類を使用し、繰り返しテストを実施。
条件も厳密に設定され、制動操作のばらつきを排除するためにブレーキングロボットが使用されています。
JAFのユーザーテストより、正確かつ再現性の高い評価が行われています。

その結果、スタッドレスタイヤは理論上、ブレーキ制動距離がわずかに長くなる傾向が示されました。
しかし、実車のボルボV60による自動ブレーキシステムのテストでは、スタッドレスタイヤのほうが夏用タイヤよりも短い制動距離を記録したケースもあります。
理論的には、冬用タイヤは夏の舗装路で摩耗しやすく、ゴムが低温向けに最適化されているため、夏季の使用ではリスクがわずかに上がります。
一方で、死亡事故に関する詳細な研究では、夏に冬用タイヤを使用した場合のリスク増加は約3%にとどまり、統計的に有意ではありませんでした。
また、衝突速度ごとの事故分布や事故発生頻度の統計が不足しているため、夏季に冬用タイヤを使用することが交通安全全体にどの程度影響を与えるかは判断できないと結論づけています。

※VTI:スウェーデン国立道路交通研究所(The Swedish National Road and Transport Research Institute )は、運輸部門における独立した国際的に著名な研究機関です。

【KenUの見解】
冬季以外にスタッドレスタイヤを履くのは絶対にダメという主張には、現実的には無理があります。
新品タイヤの慣らし運転では冬季に入る前に済ませる必要があります。
また、春先は夏日の天気になることがある一方で、降雪することもあり、すぐに夏タイヤには交換できません。
無理な運転を避けた履き潰し使用は、廃タイヤを減らせる(環境負荷低減)、春に交換工賃を払わずに済む、といった副次的効果もあります。

なので、通年使用は推奨されませんが、履き潰し使用を同様に否定するのではなく「スタッドレスタイヤの特性を理解した上で安全運転につとめましょう!」といった注意喚起・アドバイスが適切でしょう。

さらに、JAFに適切なタイヤ試験方法をアドバイスするなら……

  • 摩耗タイヤを作った時点で、タイヤ内の空気を窒素に入れ替えてください(保管期間中のタイヤの内部からの酸化劣化を抑制するため。)
  • 次に、アルミラミネート袋にタイヤを入れ、袋内を窒素置換して袋をヒートシールして密封してください(保管期間中のタイヤの外部からの酸化劣化を抑制するため。)
  • その状態で冷所でテスト日まで保管してください。
  • テスト時には、適正空気圧に調整してください。(窒素も空気も熱伝導率や熱膨張率はほぼ同じなので、どちらを使ってもいいです。)

通常、科学者ならここまで考えます。


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