前回の記事では、スタッドレスタイヤの交換について書きました。
参照リンク⇒『6冬シーズン使用後の春・夏に履き潰したスタッドレスタイヤを新品に交換|NG・ダメ・違反・危険?!』
今回は改めて、ブリヂストンのスタッドレスタイヤ「ブリザック」シリーズの新旧モデルにおけるゴム硬度の違いを比較します。
なお、過去記事では、スタッドレスタイヤの硬度による交換目安のガイドラインや業界標準はないことを説明しています。
参照リンク⇒『【実例】スタッドレスタイヤの寿命は30,000km・ゴム硬度での目安に注意』
あわせて参考にしてみてください。
過去の記事では、製造後6年・5冬シーズン使用したブリザックVRX2のショアA硬度を測定しました。
一方、前回の記事では、製造後7か月の新品ブリザックVRX3のショアA硬度を測定しています。
測定部位はサイドウォールとトレッドです。
なお、トレッドは発泡ゴムのため見掛け密度が低く、正確なゴム硬度ではない点に注意が必要です。
また、ゴムの硬度は温度の影響を強く受けるので、同一温度下で比較しなければ意味がありません。
今回は、測定時期が異なり気温もばらついていたため、測定時の温度を基準にして、5~23℃における硬度を換算しました。
その結果、
- 劣化品のブリザックVRX2:硬度55~51(5~23℃)
- 新品のブリザックVRX3:硬度48~44(5~23℃)
でした。
換算の計算に使用した係数とその出典である参考文献は次のとおりです。
- 係数:H(T) = 0.0024T2 − 0.2948T + c
- 論文:David Jelínek, Marek Semela, Impact of temperature on tyre hardness, Acta Polytechnica CTU Proceedings 52:37-42, 2025
和文タイトル『温度がタイヤの硬度に与える影響』
参考までに、トレッド部の比較結果も示します。
発泡ゴムのトレッドはサイドウォールよりも測定値は低く、
- 劣化品のブリザックVRX2:硬度48~44(5~23℃)
- 新品のブリザックVRX3は硬度37~33(5~23℃)
でした。
サイドウォールとトレッドを含め、温度と硬度の関係を曲線にまとめたのが次のグラフです。
VRX2とVRX3では製品構造の違いにより初期硬度差はあるかもしれませんが、経年劣化によってゴム硬度が上昇することが分かります。
なお、VRX2はコロナ禍や退職によって走行距離が伸びず、トレッド摩耗も少なかったため、6冬シーズン使用しました。
スタッドレスタイヤの交換目安として、硬度のみで判断できる明確な基準はありません。
したがって、交換のタイミングは、走行距離・摩耗具合、外観(ひび、亀裂)、そして製品ごとの性能特性(メーカーによって異なる)を総合的に考慮して判断するのが適切です。
もし硬度を目安にしたい場合は、測定時の温度に十分注意してください。

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