前回、自動車のタイヤについて、『タイヤに入る空気の量を計算してみた!窒素を入れた場合のコストはどれくらい?』をいう記事を書きました。
今回は、バイク(モーターサイクル)のタイヤで計算しました。
また、バイクのタイヤに窒素を入れる決心をする前に知っておいてほしいことを述べました。
まず、タイヤの容積の計算の仕方を説明します。
バイクのタイヤの断面図から、タイヤ幅×タイヤ高さ範囲の面積(下図の四角枠内側部分)と空気が入る部分の面積(下図の水色塗りつぶし部分)の比率を画像処理ソフトで求めておきます。

次に、タイヤ外径とタイヤ幅から円柱の体積を計算し、ホイールの外径とタイヤ幅から計算した円柱の体積を引き算します。
その体積に、先に求めた空気が入る部分の比率を掛け算します。
そうして、125~1000ccクラスのロードスポーツタイプバイクのタイヤ容積を計算しました。
なお、前輪と後輪でサイズが異なるので、組み合わせを適当に選びました。
| タイヤサイズ | タイヤ外径 | ホイール径 | タイヤ容積 | |
| 前輪 | 120/70ZR17 | 599.8 mm | 431.8 mm | 10.1 L |
| 後輪 | 180/55ZR17 | 629.8 mm | 431.8 mm | 18.4 L |
| 前輪 | 120/60ZR17 | 575.8 mm | 431.8 mm | 8.5 L |
| 後輪 | 160/60ZR17 | 923.8 mm | 431.8 mm | 15.8 L |
| 前輪 | 110/70R17 | 585.8 mm | 431.8 mm | 8.4 L |
| 後輪 | 150/60R17 | 611.8 mm | 431.8 mm | 13.7 L |
| 前輪 | 110/80R17 | 607.8 mm | 431.8 mm | 9.8 L |
| 後輪 | 140/70R17 | 627.8 mm | 431.8 mm | 14.2 L |
| 前輪 | 100/80R1 | 431.8 mm | 431.8 mm | 8.0 L |
| 後輪 | 140/70R17 | 627.8 mm | 431.8 mm | 14.2 L |
次に、前回と同じように、タイヤに充填するガスの量を計算しました。
その際、筆者が適当に選んだマシンの車両指定空気圧(ゲージ圧)を絶対圧に換算して使用しました。
| タイヤサイズ | 空気圧 | ガス充填量 (25℃) | 備考 | |
| 前輪 | 120/70ZR17 | 250 kPa | 35 L | YAMAHA MT-09 |
| 後輪 | 180/55ZR17 | 290 kPa | 71 L | 1,2名乗車時 |
| 1台 | – | – | 106 L | – |
| 前輪 | 120/60ZR17 | 225 kPa | 27 L | HONDA CB400 |
| 後輪 | 160/60ZR17 | 250 kPa | 55 L | 1名乗車時 |
| 1台 | – | – | 90 L | – |
| 前輪 | 110/70R17 | 200 kPa | 25 L | KAWASAKI Ninja400 |
| 後輪 | 150/60R17 | 225 kPa | 44 L | 乗車定員時 |
| 1台 | – | – | 69 L | – |
| 前輪 | 110/80R17 | 250 kPa | 34 L | SUZUKI GSX250R |
| 後輪 | 140/70R17 | 250 kPa | 49 L | 乗車定員時 |
| 1台 | – | – | 75 L | – |
| 前輪 | 100/80R1 | 225 kPa | 26 L | YAMAHA YZF-R125 |
| 後輪 | 140/70R17 | 250 kPa | 49 L | 1,2名乗車時 |
| 1台 | – | – | 60 L | – |
さらに、前回と同様に窒素ガスを入れる場合の窒素使用量とコストを計算しました。
なお、窒素ガスの入れ方は以前の記事に記載しています(リンク⇒『【検証】タイヤに窒素ガス vs 空気|酸素や水蒸気の影響は?』)。
| タイヤサイズ | 空気圧 | 窒素使用量 ※充填量ではない | 窒素価格 | |
| 前輪 | 120/70ZR17 | 250 kPa | 50 L | 46 円 |
| 後輪 | 180/55ZR17 | 290 kPa | 105 L | 96 円 |
| 1台 | – | – | 155 L | 142 円 |
| 前輪 | 120/60ZR17 | 250 kPa | 38 L | 34 円 |
| 後輪 | 160/60ZR17 | 250 kPa | 78 L | 71 円 |
| 1台 | – | – | 116 L | 105 円 |
| 前輪 | 110/70R17 | 200 kPa | 33 L | 30 円 |
| 後輪 | 150/60R17 | 225 kPa | 61 L | 56 円 |
| 1台 | – | – | 94 L | 86 円 |
| 前輪 | 110/80R17 | 250 kPa | 48 L | 44 円 |
| 後輪 | 140/70R17 | 250 kPa | 70 L | 64 円 |
| 1台 | – | – | 118 L | 108 円 |
| 前輪 | 100/80R1 | 225 kPa | 35 L | 32 円 |
| 後輪 | 140/70R17 | 250 kPa | 70 L | 64円 |
| 1台 | – | – | 105 L | 96 円 |
バイクショップの窒素の原価は、およそ90円~150円といったところ。
ですが、タイヤ前後2本で1,000円(税抜き)が請求されます。
ちなみに、窒素ガスの効果は、空気よりも抜けにくいということだけです。
様々な誤解があるので、簡単に説明します。
- 窒素も空気も水蒸気(水の気体)も温度変化に対する膨張率は同じなので、窒素のほうが空気よりも温度差によるタイヤ内圧の変動が少ないということはなく、安定した圧力を得たいと考えて窒素を入れるのは、まったく意味がありません。
- タイヤ内側ホイールはコーティングされている、雨風は当たらない、石はねもなく傷つかない、空気中の水分量は極めて微量、なので空気を入れてホイールが劣化することはないので、窒素を入れる意味は全くありません。
- タイヤの外側のほうがオゾン、紫外線などによる劣化が激しく、摩耗したらタイヤ交換をするので、窒素を入れてタイヤ内部の劣化を多少抑制することに全く意味はありません。
詳しく知りたい方はこちら(過去記事リンク)⇒ 『タイヤに窒素を入れる効果のウソ・ホントと科学的根拠』、『【検証】タイヤに窒素ガス vs 空気|酸素や水蒸気の影響は?』
バイクのタイヤは自動車のタイヤよりも空気圧が低下しにくい印象があります。
筆者が所有していたMT-09のタイヤは、5年(3年目タイヤ交換)の間に自分で空気を補充したことはなく、半年毎の定期点検時にバイク屋さんで空気圧調整してもらってました。
もし空気圧の低下が著しいと感じた場合、バルブステムからのエアー漏れやパンクが疑われるので、窒素充填は無意味です。
石鹸水でバルブステムからの漏れをチェックしてみましょう。
また、タイヤに釘などが刺さっていないか目視で確認してみましょう。
バイクのタイヤに窒素を入れるよりも、市販の後付けTPMS(※)キットを装着するといった選択もあります。
TPMSは安全性を向上させるために非常に有効なシステムで、特に長距離ツーリングや高速度走行をするライダーにはおすすめです。
ただし、ブレーキキャリパーに当たるので取り付けできない場合(例:横向きエアバルブステムのタイヤ)、ホイールバランスの確認・調整が必要な場合があるので、購入前には注意が必要です。
(※)TPMS:Tire Pressure Monitoring System, タイヤ空気圧モニタリングシステム

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