” moval ” ストーマ装具面板用製品レビュー・予想外の結果だった。

株式会社共和の医療用テープブランドskinix(スキニックス)から、ストーマ装具面板の周囲を補強・カバーする製品 ” moval (ムーバル)” が、2020年4月15日に発売されています。
発売から既に1年以上経過していますが、最近になってメーカーから私KenUにコンタクトがあり、製品提供を受けたのでレビューします。

製品外観

ムーバルは、基材に透湿性の高い極薄のウレタンフィルムが使用された、フィルムドレッシング ” エアウォール ” を加工した粘着テープです。
製品は、ストーマ装具(以下「装具」と略す。)の面板に合う半円形状になっていて、透明プラスチック製ブリスターケースに納められています。

KenUがドレッシング製品を使う理由は、以前の記事『” カテリープラス™カーブ ” ストーマ装具面板の周りに貼る製品は、皮膚にも環境にも優しい。』(←参照リンク)に書いているので、省略します。

類似製品との形状比較

まずは、ムーバルと他社品とを比べてみます。
下写真は、左から、 Coloplast社ブラバ伸縮性皮膚保護テープ、trio社シレックス シリコーン面板固定テープ、ムーバルです。

ムーバルのサイズは、他の製品よりも、やや大き目です。
カーブ形状は、それぞれの製品ごとに若干異なっています。

貼り合わせ具合

次に、ムーバルを面板に合わせてみます。
なお、現在KenUは、楕円形面板の装具を保有していないので、たまに装着するダンサックノバ1 フォールドアップを使ってテストしました。
面板には、装着感を向上するためのカスタマイズ加工を施しています。
※ 過去記事リンク →開腹縫合跡が痒くなるので装具面板をカスタマイズ加工

ムーバルを横向きにして面板に貼ると、カスタマイズ加工した部分に隙間ができてしまいました。

しかし、縦やや斜め向きに貼れば、面板周囲の全てを覆い被せることができるので、全く問題ありません。

ちなみに、ブラバ伸縮性皮膚保護テープとシレックス面板固定テープの場合には、下写真のようになります。

さらに、KenUが水泳時に使っている面板が小さ目のノバ1ミニに、ムーバルとブラバ伸縮性皮膚保護テープを縦向きにして、合わせてみました。

ムーバルは、ミニタイプのストーマ装具にも使用できそうです。

貼付操作と製品構造

ムーバルのライナー(剥離紙)には、剥がす順番①②③の印刷があります。
まず、①の中央ライナーを剥がしてから、面板周囲に貼付します。
次に、②と③のライナーを剥がして貼付します。
②と③を剥がす順番は、どちらを先にしても問題ないので、操作しやすい方からでよいです。

粘着面を全て貼り終えたら、外面のバッキングフィルムを剥がします。
そのときに、タブ④をやや強めに引っ張って、粘着テープになっている部分を剥がします。

ばらしてみると、複数の部材からなる構造になっていることが分かります。

その他に、皮膚から剥がすとき用のつかみしろのタブが両端に付いています。
しかし、ムーバルどうしが重なった部分のタブを引っ張り剥がそうとすると、白い部分だけがちぎれて取れてしまい、意味がなかったです。

ちなみに、KenUの場合、フィルムドレッシングを剥がすときには、皮膚側からではなく、面板側から指で擦ってめくるようにして、そこに赤ちゃん爪切りはさみで切れ目を入れ、そこから割いて剥がしていきます。

入浴時面板周囲防水

装具を交換してからすぐにムーバルを貼付し、24時間後に入浴しました。
そして、湯舟に浸かり、普段どおりに洗髪、ボディー洗浄、シャワーなどを行いました。
その結果、ふろ上がり時の状態は下写真のとおりで、ムーバルの剥がれ、めくれは生じませんでした。
状態は良好と言えます。

このことは、全く予想外の結果でした。
というのは、過去の検討『市販の医療用粘着防水フィルムを用いた入浴時ストーマ装具の防水検討』(←PDFファイルリンク)で、エアウォールは粘着力が弱い結果だったこと、また、ストーマ外来でエアウォールを貼付してもらったときには、当日に入浴するとめくれが生じるのを幾度か経験していたからです。
しかし、その後エアウォールは、肌へのやさしさと接着力が改良された『エアウォールふ・わ・り』に変わっています。
そのため、剝がれに対する品質が向上していると思われます。

一般的に、粘着テープが最大の接着力を発揮するまでには、数時間を要します。
ムーバルを入浴時の面板周囲防水用途に使用する場合には、前日に貼付しておくと良いかもしれません。

ムーバル貼付時の体感については、違和感、貼付していることを意識させられる特異な感覚、例えば、かゆみ、冷温感、つっぱり感などはありませんでした。

上記のことから、面板周囲防水、面板外周部めくれ防止等の目的に対しては、ムーバルは必要な特性を満足していることが確認できました。

ちなみに、 ブラバ伸縮性皮膚保護テープとシレックス 面板固定テープの試用結果は過去記事のとおりです。
センシュラ ミオ1にブラバ伸縮性皮膚保護テープを試用 ” ←参照リンク
trio社製シレックス面板固定テープ(シリコーン・フランジ・エクステンダー)を試用 ” ←参照リンク

販売価格

ムーバルの価格は、1パック20枚入り1,650円(税込み)。
なので、1回分、2枚使用したときのコストは、税込み165円です。

他社品との価格比較は、 以前の記事『” カテリープラス™カーブ ” ストーマ装具面板の周りに貼る製品は、皮膚にも環境にも優しい。』(←参照リンク)に書いているので、省略します。

気になること

ムーバルは、もともと製造販売していたフィルムドレッシングを加工した製品ですが、さらに大きなコストをかけて商品化したのではないか?、と推察されます。
ブリスターケースの金型、プラスチックケースの製造・加工、多色カラー印刷の説明書、バッキングフィルム剥離タブ用粘着テープ・白色ポリエステル粘着テープの製造・加工、それらに伴う設備投資など。
人工肛門保有者(オストメイト)のQOLを向上するための新製品がつぎつぎに発売されることは、嬉しいことです。

ただ、使い捨てプラスチックの削減及び環境負荷低減が世界の潮流となっている現在、パッケージや製造工程は、環境影響に気を配り、もう少し簡素化してもよかったのでは?と思います。
今後のムーバルの展開には注目です。

余談ですが・・・
オストメイト人口は、身体障害者手帳交付台帳登載数のぼうこう・直腸機能障害における統計データから、右肩上がりで増えていることが分かります。
2009年~2019年の10年間のデータから線形近似直線を求めると、y=0.3916x-768.7121 となり、2025年に障害者手帳を保有するオストメイト人口は24万人強に達する計算です。
しかし、医療技術の進歩や日本国内の人口減少に伴い、いずれ、オストメイト人口は減少傾向に転じるかも知れません。
もしそうなったとしても、ストーマ製品のリリースが継続されることを願います。


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