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先日ストーマ装具を購入したときに、荷物の中にtrio(トリオ)社のSilex(シレックス)という製品のパンフレットが一緒に入っていました。
輸入元 村中医療器(株)さんから販売されています。
で、いきなり、このシレックス20枚入りを購入してみたので、試用レポート&レビューしたいと思います。
これとほぼ同じ形状のコロプラスト社ブラバ 伸縮性皮膚保護テープ(以下、「ブラバテープ」と略す。)を先月試用したばかりだったので(過去記事リンク)、その流れに乗ってしまいました。
以前Trio社のSiltacとSilkenはサンプルいただいたのですが(過去記事リンク)、今回サンプル請求せずにいきなり購入したのは、もし評価が良くなかったときにブログに悪く書きにくくなるということもありますが、良さそうな製品だと判断し、なんとなく使い切れそうだと思ったからです。
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さて、シレックスは「シリコーン製で面板を拡張するもの」を意味する ” silicone flange extender(シリコーン・フランジ・エクステンダー)“という面板固定テープで、ブラバテープと同じ用途の製品です。
下写真左:シレックス裏表、下写真右:ブラバテープ裏表
シレックスは、ハイドロコロイド粘着剤のブラバテープと違いシリコーンゲル粘着剤なので、入浴しても成分がお湯に溶け出さない、剥がすときに粘着剥離剤が不要で皮膚に優しく剥がせる、といった良さがあります。
シリコーンテープについては、KenUが人工肛門になった早い時期に3M社製品とスミスアンドネフュー社製品の購入経験があります。
シレックスとブラバテープを重ねてみると、大きさはほぼ同じ。
シレックスをセンシュラミオ1の面板(カスタマイズ済)に合わせると、ぴったり。
四角い面板(カスタマイズ済)のダンサック ノバ1にも使えます。
では、いよいよシレックスを試用開始!!
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[11月8日 18:30頃]
装着したストーマ装具は、コロプラストのセンシュラミオ1。
そこに、シレックスをフランジ部分に引っ掛けて、貼る位置を確認します。
次に、粘着剤面の透明のライナーフィルム①を剥がします。
分割してある①左右両方のフィルムとも剥がします。
それでもバッキングの剥離紙が厚手で腰があるので、クシャクシャになったりしません。
シレックスを両手で持って、ペタッと面板の上側に貼り付けました。
次に、バッキングの剥離紙②を剥がします。
そのときに、もう一方の手の指でシレックスが浮き上がらないように押さえながら剥がすと良いです。
次にシレックスを指で押し付けて、皮膚によく接着させます。
同様に面板の下側にもシレックスを貼り付けました。
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ファーストインプレッションは・・・
想像どおりシレックスはブラバテープよりも薄くしなやかで、貼付感がほとんどありません。
また、面板が拡張されたような感覚はとくにありません。
ニチバンのカテリープラスロールやニトムズの優肌パーミロールライトなどのフルムドレッシングを貼付した感覚に近く(過去記事リンク)、装着感はかなり良いです。
でも、少し接着力が弱いかなぁ?
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[11月9日 18:00頃]
1日後の状態では、シレックスに細かい皺がありますが、折れ曲りによる深い谷はありません。
1日経過しても痒みはほとんどなく、シレックスを貼っていることを意識させません。
湯船に浸かる入浴をすると・・・
やはり接着力がやや弱くて、シャワーや桶で体に湯をかけると、シレックスの端が少しピラピラとめくれてきます。
風呂から上がると、シレックスの所々に皮膚からの浮き上がり、剥がれが見られます。
浮いた部分からお湯が入り込んで、装具の面板のハイドロコロイド水溶性成分が溶け出してきて、シレックス周囲が少しペタペタします。
この季節は汗をかかないので、しばらくすると乾燥してさらっとして問題ありませんが、防水性が得られないのではだめです。
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[ 11月10日 18:00頃 ]
1日目の入浴後に浮いた部分を押しつけて貼り付け直した2日目の状態。
2日目は1日目と違って、痒くてたまらなかったです。
昨日の入浴で、面板の水溶性成分が溶けだしたことが関係しているかもしれません。
今日はシレックスを剥がすことにしました。
リムーバーなしで、痛くもなく、皮膚にやさしく、弱い力で”ねちょねちょっ”とした感じで簡単に剥がせます。
剥がした痕を確認すると、とくに発赤や刺激などは見られません。
シレックスを2日間試用した評価は、KenUの皮膚に対しては接着力が弱く、面板周囲防水性能が発揮できず、期待外れでした。
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[11月15日 18:10頃]
今日は、ストーマ装具にダンサック ノバ1(面板カスタマイズあり)を装着して、シレックスを試してみることにしました。
余談ですが・・・
じつは前回の試用の後、面板周囲を就寝中に掻きむしって傷だらけになってしまいました。
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[11月16日 6:00頃(約12時間後)]
今朝、起床してみるとシレックスがめくれ上がっていました。
就寝中にどのような状態になったのか分かりませんが、やはりシレックスは粘着力が弱い。
という訳で、シレックスを剥がしました。
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[11月16日 18:50頃]
入浴時に再度新しいシレックスに貼り直してテストすることにしました。
「シリコーン粘着テープってこんなもんだったかなぁ?」と思ったので、同じくシリコーン粘着剤のスミアンドネフュー社 オプサイト ジェントルロール(以下、「オプサイト」と略す。)も比較します。
シレックスとオプサイトは面板の左右で貼り分けました。
入浴後のシレックスは、やはり粘着面の浮き、剝がれが見られ、面板周囲を防水できませんでした。
湯船に浸かると、シレックスは伸びてくしゃくしゃな皺がたくさんできて、その隙間からお湯が侵入するようです。
入浴後のオプサイトのほうは、フィルムが大きく伸縮して皺になることもなく、きちんと貼り付いています。
でも、面板周囲は何故か濡れたみたいで、ペタペタします。
なお、オプサイトは2014年に購入したものなので、古すぎて黄色っぽく変色しています(※使用期限2015年7月)。
振り返れば、オプサイトは過去にも似たような実験をしていました(過去記事リンク)。
以上、シレックスを試用した結果、KenUの場合、ストーマ装具面板周囲からのハイドロコロイド成分溶出防止のための防水用途には適していませんでした。
でも、一般的に皮膚に対する粘着剤の接着性には個人差があるので、シレックスでも接着力は十分で快適に使える人もいるかも知れません。
シレックスを常用している人の声が聞きたいですね。
あくまでも私見ですが、シレックスは粘着力を改良したほうがよいのではないでしょうか?
3M社の ” やさしくはがせるシリコーンテープ ” のほうがお風呂に強かったですし(過去記事リンク)、シレックスに粒状メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合するなどして対汗接着性を改善するとか、どうでしょう?
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最後に価格を比較すると・・・
◆ブラバ伸縮性皮膚保護テープ (20枚/箱)¥2,764(税込)・・・2枚使用時276円/回
◆シレックス シリコーン面板固定テープ(20枚/箱)3,456円(税込)・・・2枚使用時346円/回
シレックスのほうが25%程度高価格です。
あ~あ、せっかく一箱買ったのに14枚も残ってしまった。
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