日本の医療制度は世界的に見ても優れていると言われますが、実際にアメリカやイギリスと比べてどうなのでしょうか? アメリカは医療費が高額で、イギリスは無料だけど待機時間が長い。日本の制度はその中間的な仕組みですが、今後も維持できるのでしょうか?
今回、各国の医療制度を比較しながら、日本の制度のメリット・課題を超かんたんに整理しました。
日本の医療制度の特徴
日本の医療制度は、アメリカ(自己負担が大きい)と英国(無料だが待ち時間が長い)の中間的な仕組みと言えます。それぞれの国と比較すると、日本の制度にはメリットと課題の両面が見えてきます。
- 国民皆保険制度(すべての国民が公的医療保険に加入)
- 自己負担はあるが、高額療養費制度がある(一定額以上は自己負担なし)
- 比較的早く医療を受けられる(英国ほどの長い待機時間はない)
アメリカ・英国との比較
| 項目 | 日本 | アメリカ | 英国(NHS) |
|---|---|---|---|
| 医療費 | 3割負担(高額療養費制度あり) | 非常に高額(無保険なら破産レベル) | 無料(NHS) |
| 保険制度 | 国民皆保険 | 民間保険中心(メディケア・メディケイドあり) | 公共医療(税金で運営) |
| 自己負担 | 上限あり(高額療養費制度) | なし(保険次第) | 基本無料 |
| 待機時間 | 比較的短い(予約次第) | 短い(支払えば即対応) | 長い(数か月待ちも) |
| 税負担 | 中程度(健康保険料・税金で賄う) | 低め(医療は個人負担) | 高い(NHSの財源) |
日本の医療制度のメリット
✅ 誰でも保険に加入できる(国民皆保険)
→ アメリカのように「無保険で治療を受けられない」ということがない。
✅ 高額療養費制度がある
→ がん治療など高額な医療でも自己負担は一定額に抑えられる。(例えば、大きな手術を受けても10万円程度の負担で済む)
✅ 比較的早く医療を受けられる
→ 英国のNHSのように、長期間待たされることが少ない。専門医にすぐ診てもらえることも多い。
✅ 医療の質が高い
→ 先進医療・検査・薬のアクセスが良い。日本は人口あたりのCT・MRIの台数が世界一多く、検査が受けやすい。(OECD Data Explorerより)
日本の医療制度の課題
❌ 医療費の財源が厳しい(国の負担が増大)
→ 高齢化が進み、医療費が増え続けている。財源確保のために保険料や税負担の増加が避けられない。
❌ 不要な受診が多い(コンビニ受診)
→ 英国は無料でも受診しづらいが、日本は気軽に病院に行けるため、軽症でも過剰に医療を利用する人がいる。
❌ 自己負担はゼロではない
→ 英国のように完全無料ではなく、治療によっては自己負担が高額になるケースも。
❌ 医師の負担が大きい
→ 患者が多いため医師が疲弊しやすい。特に救急・総合病院では激務が問題。
税負担の比較(NHSと日本・アメリカ)
| 項目 | 日本 | アメリカ | 英国(NHS) |
|---|---|---|---|
| 税負担 | 中程度(消費税・健康保険料で賄う) | 低め(医療費は基本的に個人負担) | 高い(NHSは税金で完全運営) |
| 財源 | 社会保険料(労使折半)+税金 | 民間保険料(企業・個人負担)+公的制度 | 所得税・法人税・付加価値税(VAT)で賄う |
| 医療費の割合 | 税収の約10%程度が医療関連に使われる | 公的負担はGDPの約8%(+私的負担あり) | 税収の約18%がNHSの運営に充てられる |
英国NHSの税負担について
英国の ” NHS(National Health Service)” は、完全に税金で運営される公的医療制度です。そのため、国民は医療費を直接支払うことなく治療を受けることができますが、その分、税負担が非常に大きいのが特徴です。
NHSの主な財源は、以下の3つです:
- 所得税(Income Tax)
- 法人税(Corporate Tax)
- 付加価値税(VAT:Value Added Tax)(標準税率20%)
特に、VAT(付加価値税)が日本の消費税(10%)よりもはるかに高く設定されているため、生活コストは増加します。ただし、食品や子供服は0%。(GOV.UK VAT ratesより)
結論:日本の医療制度はバランスが取れているが、持続可能性が課題
- アメリカほどの医療費負担はないが、英国ほど完全無料でもない。
- 英国のように待機時間が長すぎることはなく、比較的スムーズに医療を受けられる。
- 問題は、財政負担の増大と医療従事者の負担増。今後、制度維持のために「負担増」や「医療の提供方法の見直し」が必要になる可能性が高い。
日本の医療制度は「今は良いが、このままでは維持できない可能性が高い」というのが現状といわれています。
余談(NZの医療)
aryさんのブログリンク ⇒ ニュージーランドの医療について(サイトタイトル:ニュージーランド What’s going on?)
ニュージーランドの医療も英国と同じく、まずGP(General Practitioner;一般診療医)に予約を入れて診てもらわなければ、専門医には診てもらうことはできないそうです。
また、風邪でGPに行っても薬を出してもらえず『チキンスープを飲んで寝てれば治る』と言われるだけ、とのこと。
IKINARI LARCをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。