犬・猫を飼う前に、絶対に読んでおくべきガイドライン

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以前「長生きするキャットフードの選び方。ECサイト以外に、近所でも買えるものを推奨。」という記事を書きました。
今回もペットフードに関して、知っておきたい内容があるので紹介します。

ミヌエット(ペルシャ+マンチカン)雄のあおちゃん

私KenUは、2匹のねこちゃん達と暮らすようになってから、半年以上が過ぎました。
そして、「あ~、最初からこれを知っていたら、楽だったのになぁ~」とつくずく思ったことがあります。
それは、環境省が発行している、「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康をまもるために~」というパンフレットです。

飼い主のためのペットフード・ガイドライン
出典:環境省ホームページ パンフレット等(←リンク「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」)

2009年(平成21年6月1日)から農林水産省と環境省の共管で「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)が施行されました。
なお、ここでいう愛がん動物とは、” 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律施行令 ” 第1条により、犬及び猫のことです。

その関係で、環境省ホームページ(←リンク)にパンフレットが掲載されています。
このガイドラインは、犬・猫を飼育する上で必要な知識・内容がよく整理されていて、文章も簡潔で読みやすく、非常にわかりやすくて、大変参考になります。
プリントアウトして手元に置いておけば、他をググル必要がないくらいです。
Google検索の色々なサイトの内容が一つに集約されている感じで、インターネットサイト上にだらだらと書かれた文章1ページ分の内容が5行くらいに要約され、短時間で読解可能なので時間と労力の無駄が省けます。

たとえば、「与えてはいけないもの、注意が必要なもの」、「市販のペットフードの選び方」、「体調管理」などの基本的なことはもちろん、必要な栄養素についても言及しています。
ちょっと余談です・・・毎年ミヤギテレビの番組 ” OH!バンデス ” で取材放映されるぶどう農園で妻がアルバイトをしていて、ときどきシャインマスカットなどの色々な種類のぶどうを買ってくるのですが、ぶどうの皮を猫の口に入れてはいけないということをガイドラインで知ったので、我が家では、万が一ぶどう粒や皮を床に落として、ねこちゃんに食べられちゃわないように気を付けています。

葡萄は猫に与えてはいけない物のひとつ
シャインマスカット

その他、犬や猫のボディーコンディションスコア(BCS)と体型についても、パンフレットに記載されています。

出典:環境省パンフレット 「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」

ちなみに、我が家のねこちゃんは2匹とも理想体型です。
WSAVA(World Small Animal Veterinary Association)が出しているBody Condition Score(←PDFリンク)の図の方がわかりやすいかも知れません。

ボディーコンディションスコア理想体型えるちゃんを上から見た写真
ボディーコンディションスコア理想体型のえるちゃん

ということで、ぜひ、環境省のホームページからパンフレットをダウンロードしてガイドラインをご一読ください。


以下、雑談です。

ペットフード安全法については、歴史的にまだ13年ということもあって、海外の規制に比べると、まだまだ内容的には軽いです。
米国では、FDAのCGMP基準により規制され、ガイダンス(Current Good Manufacturing Practice Requirements for Food for Animals Guidance for Industry)が発出されていますが、国内におけるペットフードに関するGMP(適正製造規範)の法規制は未整備です。
現段階では、農水省から「ペットフードの適正製造マニュアル」が参考として、一般社団法人ペットフード協会から「安全なペットフードの製造に関する実施基準」が業界自主基準として提供されているだけで、法的拘束力や違反による罰則規定などありません。
よって、今後ますます整備が進むことと思います。

一方、フランスでは、ペットとして飼われている動物が捨てられるのを防ぐため、議会上院が動物の扱いに関する法律の改正案を可決し、2024年から犬や猫の店舗での販売が禁止されることになったそうです。
今後各国でも同様な動きになれば、ペットフード市場は大きく縮小することになるでしょう。

ペットフードの規制が進むと、製造販売業者は経営がひっ迫するようになります。
今年、私の勤め先で、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)による医薬品GMP適合性調査があり、私も対応しました。
年々要件が厳しくなり、「え?そこまで要求する?」と感じる内容も含めて、かなりの数の改善の指摘事項を食らいました。
調査官は法令等を熟知したエキスパート、頭の切れる人ぞろいのディベートの達人、反論しても絶対に勝てません。
「人命」という、ディベートの必勝キーワードも握られちゃってますし。
行政指導をシカトするわけにもいかないので、社内では、指摘事項に対する改善が最優先の業務になります。
「動物の命」の重みが、どんどん「人命」の重みにさし迫っています。
ペットに関する法令も厳しくならざるを得ず、今後の変化形態が何となく想像できます。

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