はさみ不要の面板(ストーマ装具)を使ってみると・・・

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2品系(ツーピース)ストマ装具のサンプルをいただきました。

ホリスター ニューイメージFFF テープ付き。
ハサミでカットせずに指で穴を広げて使用できるという優れものです。

HollisterニューイメージFFFテープ付きサンプル

しかし、メーカーサイトに掲載されている「ニューイメージ FFFテープ付 装着手順方法」(←参照リンク・PDFファイル)では上手に装着できなかったので、今回、KenUが試してみた装着方法を紹介します。

それに関連して、他のサンプルの記事も書きたいと思います。

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少し前置きから・・・

KenUは、永久人工肛門になった約1か月後には『ストーマ装具の選定と便排出処理するのにこんなのが欲しい!』、約6か月後には『ストーマ装具などの価格から自己負担額を計算してみた。』という記事を書いていますが、3年後の今でも、コストパフォーマンスの視点からいろいろな装具を使ってみたいと考えています。

退院後から今日までずっと、ホリスター(HOLLISTER)の ニューイメージ(New Image )FWFテープ付き(面板)とニューイメージロックンロール(パウチ)をメインの装具として使っています。

今回頂いたサンプルは面板だけでしたが、普段使い慣れているパウチ・ロックンロールがそのまま取り付け可能です。

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では、試用した手順を説明していきます。

まずは、失敗した方法から・・・

ストーマ装具を外しての入浴後に、とりあえずストマサイズを測定しました。
なお、測定器具は『ストーマサイズを測るノギスみたいな測定器の名前は知覚計』という記事に書いています。

オイレンブルヒ知覚計(ストーマノギス)

続いて、メーカーの言う手順通りに操作しました。
最初に、面板のリリースフィルムを剥がします。

ニューイメージFFFリリースフィルムの剥離

あっ、そもそも、すでにここからだめじゃんっ!?
目盛りがなくなって、広げる大きさの目安がなくなってしまいました。

HollisterニューイメージFFFテープ付き面板皮膚保護材面

でもまあ、手順どおりに適当に皮膚保護材を指で広げて穴を大きくします。
はい、こんな感じ↓ (本当にいいのか、こんなんで?と思いながらも・・・)

ニューイメージFFF皮膚保護材穴広げ

そして、ストーマに装着します。

で、装着したら・・・
伸ばして広げた穴が縮んできて、まるで首を締められるように、皮膚保護材のハイネックでストーマの上の方がキュッと締め付けられている状態、ストーマが搾られている状態になってしまいました。
「こりゃだめだ」と思い、すぐにリムーバを使って剥がして、いつもの装具に装着し直しました。

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次は、上手くいった方法・・・

日を改めて、残りのもう一枚のサンプルを使ってリベンジしました。

KenUの方法では、最初にリリースフィルムを剥がすことはしません。

HollisterニューイメージFFFテープ付きH14103

手指をよく洗浄した後に、
皮膚保護材を外側に向かって巻くように、指で転がしてながら穴を広げます。

ニューイメージFFF皮膚保護材穴の広げ方

目盛りが見えるので広げる大きさもわかります。

ニューイメージFFF皮膚保護材穴ひろげ後

はい、こうすると穴が縮んできませんし、ハイネックにもなりません。

完璧です!!

面板をこのように調整しておいて、入浴後にリリースフィルムを剥がして、いつものように装着しました。

装着後は、皮膚保護材の巻いた部分を指で巻き戻すようにしながら、ストーマの大きさに合わせて、隙間を埋めるように整えます。
少しその作業に時間がかかってしまったのと、指にストーマの粘液が付着したりしたので、手先の器用さと、慣れが必要かもしれません。

装着感はとても良いです。

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ニューイメージFFFテープ付きのお値段は、一枚1,080円。
これにパウチ380円を足すと、一回分は1,460円になります。

高い。
FWFテープ付きが700円ですから、380円のコスト増です。

でも、この装具のメリットを考えてみると・・・
ストマと面板の隙間なしに装着できるということ。
便漏れを起こしやすい人、面板にペーストを併用している人とかには、もしかしたら効果的かも知れません。
イレオストミーの人とかにも?

それから、もしかしたら、排便後にパウチの中を水で洗っても、面板下への便の潜り込みもなく装着期間を長持ちされられるかも?
もしかしたらですよ。
KenUは責任持ちませんが、もしかしたら・・・

ちなみに、一回実験してみました。
パウチの中に水を入れて便を洗い流してみると・・・
ストマと面板の間に隙間ができる装具では、水を入れるとストマ周囲皮膚が「ヒヤッ」として冷たいのですが、FFFテープ付き面板ではそれほど冷たく感じませんでした。
隙間が少ない効果かな?

また、テープ付き面板の良いところの一つは、うんちがお風呂のお湯で茹らないように入浴前に便を排出して、トイレットペーパーねじりん棒でパウチ内を綺麗にして、面板周囲にフィルムドレッシングを貼らずに、そのまま入浴できるところです。

価格的には高いですが、是非一度お試しください。

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別に、『世界の人工肛門オストミー製品を調べてみた。』という記事を書いているときに見付けて、村中医療器さんからサンプルを頂いて試していた製品が、Trio(トリオ社)のSiltac(シルタック)とSilken(シルケン)です。

実は、かなり以前にお試ししていたのに、記事にしていませんでした。

シルタックの使い方は、それを貼った上にストーマ装具を装着します。
How to Apply the Trio Siltac™ Silicone Ostomy Seal(←YouTube動画参照リンク)

この製品は厚みがあるのが難点で、それが原因で最初の試用のときに、案の定失敗しました。
面板にせん断応力がかかって、皮膚保護材が凝集破壊したことと、面板下皮膚が痛くなってしまったのと、便が下に潜り込みました。

それで、またまた工夫です。

ダンサックノバワンの面板周囲をSalts Healthcare(ソルトヘルスケア社)のFlexifit(フレキシフィット製品)の面板の真似をして、加工しました。
なお、下写真のマジックで線を書いた部分は、ダンサックノバワンミニの面板サイズです。
こうすることで、厚みのあるシルタックを装着しても、包み込むようにして応力を緩和して皮膚にフィットさせて貼ることができました。
そういえば、イーキン社の新しいツーピース装具の面板もフレキシフィットみたいな形じゃなかったかな?

このときにはシルタックは小さいほう(No.2)を使用。
シルタックは、伸びがありストマが締め付けられることもなく、隙間も埋まって良い感じでした。

2日間装着して、その効果は?
実は、よくわからなかったんです。

シルタック自身は皮膚との粘着性はあまり強くなくて、水気がつくとさらに粘着力が弱まるようです。
使用感もうまく説明できません。

興味をお持ちの方は、是非お試しください。(外出せず、失敗してもよい日に。)

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シルケンは、ペースト製品で、ツービース装具を装着してからストーマと面板の隙間に塗って使ってみました。
ノンアルコールのシリコーン製品なのでストマに付着しても大丈夫で、時間の経過とともに固まりゴム状になります。
How to Apply the Silken™ Silicone Stoma Gel / Stoma Paste(←参照リンク・YouTube動画)

チューブから直接出して塗るのではなく、ゴム手袋をつけた指先にペーストを付けてストマ周囲に塗りました。

チューブがなくなるまで何度も使用して、その効果は?
実は、よくわからなかったんです。

ストーマと面板の隙間を塞ぐので、皮膚に直接便がつく確率は減りますが、固まったシルケンと皮膚との接着性がないので、シルケンの下に便が付着していることもありました。

装具交換時に面板を剥がした裏側を見て、皮膚保護剤がどれくらい溶けて(またはふやけて)いるか観察しますが、とくにふやけが減るということはなくて、つまり面板の装着期間が延びるということはなかったです。

興味をお持ちの方は、是非お試しください。

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今回のレビューは、ストーマは個人差が大きすぎるので、「KenUの場合はこうでした」ということであって、全てのオストミーに当てはまるものではありません、ということを付け加えさせてもらいます。
きっと、快適に製品を使用されているユーザーさんもたくさんいらっしゃることと思います。

ストーマ装具及び関連メーカーさん、いろいろとサンプルをくださって有難う御座います。
感謝申し上げます。
おかげ様で、なんか、究極のストーマ装具のかたちが見えてきました。

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