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さて、私KenUが人口肛門を造設してオストメイトになってから5か月とちょっとが過ぎました。
「あんざい先生・・・!! 水泳がしたいです・・・・・・・」
手術前までは毎週のようにプールに行っていたので、とにかく泳ぎたいんです。
そこで、まずはオストメイトのプール利用が可能かどうかスポーツジムに問い合わせて確認しました。
その結果、OK!
よっしゃ~(^O^)/。
いよいよ水泳の準備開始です。
KenUはバタフライで泳ぎたいのね。
つまり、腹部をくねくねと前後に屈曲する動きのある泳ぎになるので、ストーマ装具が外れてしまわないかが心配な訳です。
そして、装具の面板の接着力は水濡れに弱いので、しっかりとした防水をしたい訳です。
それから、もちろん新品の装具を着けて便が溜まっていない状態でプールに入りますが、入水中に排便が起こって、しかも面板が外れてしまったときのことも考えると心配な訳です。
だから、もしそのような状態になってもプールに便がもれない対策もしたい訳です。
さらに、周囲の人にビジュアル的に嫌悪感を抱かせない工夫も必要だよね、と考えています。
ということで、今日まで温めていたアイデアについてお風呂で実験しました。
まずは、KenUが以前開発した”入浴用ストーマ装具防水カバー”と同様に”水泳用ストーマ装具防水カバー”を作りました。(詳しくはこちら参照リンク→ ” 医療用粘着防水フィルムを使った入浴用ストーマ装具防水カバーの開発 ” PDFファイル)

水泳時の装具には、サイズが小さくて価格も比較的安い(4,800円/10枚入り)ワンピースタイプのダンサック ノバ1 フォールドアップを使用することにしました。
水泳にも適している装具としてカタログに掲載されているものに、ダンサック ノバ1 ミニキャップや、アルケアの2ピースドーム型などありますが、いずれも便排出口のないクローズタイプで排便があったときの処理が面倒臭そうなのでやめました。
それに洗腸をしている人用みたいです。
それで、使用した防水材料(医療用粘着性防水フィルム(ドレッシング材))を下写真に示します。



防水カバーの固定にはニチバンのカテリープラスロール(プラスロールと略す)を角丸の15cm×3cmの大きさに4枚切って使います。(今回はコストをけちって50mm×10m品を購入。)
これで、予備的にストーマ装具を防水して万が一面板が外れてしまったときの問題をカバーします。
なぜ、プラスロールなのかというと、連日の入浴でも防水カバーを使用しているので肌に優しく刺激性が少ないものを使用しないと、皮膚にダメージがあるからです。また、日東メディカルの優肌パーミロールも購入しているのでそれを使用してもいいのですが、プラスロールのほうがKenUの肌にはより優しく良くくっつくようなので水泳用途にはこちらを選択したわけです。
つぎに、ニチバンのカテリープFSロール(FSロールと略す)を角丸の20cm×22cmの大きさに切って、さらに防水カバーの上から貼ります。
この2重の対策によってストーマ装具の防水をより確実なものとし、万が一の便漏れをシャットアウトしプールへの流出を防ぎます。
なぜFSロールなのかというと、20cm幅のドレッシング材が他には販売されていないのと、20cm幅であることから1枚のシート形状が得られること、低刺激性ではない(※1)がその分皮膚への粘着力が強いことから激しい動きに対する防水性がより強固になるためです。連用するわけではないので多少の皮膚刺激性は大きな問題にはならないと考えています。
※1:製品説明には低刺激(皮膚刺激の少ないアクリル系粘着剤を採用)と書かれているが、粘着剤自身の化学的な性質の刺激性が低いだけであって、物理的な刺激も加味した総合的な刺激性をいうと低刺激ではなく、はがすときの剥離刺激が強く皮膚が赤くなることがある。マイケア湯ったりシートに使用されている3Mの粘着剤も同様。
では、順番に写真で説明していきます。
ストーマ装具をツーピースタイプ(二品系装具)ホリスターニューイメージからワンピースタイプ(単品系装具)ダンサックノバ1ミニフォールドアップ(製品番号825-15/10)に付け替えました。
※後日、「人工肛門ストーマ装具交換の動画をアップしてみた。」という記事で付け替える模様を動画で紹介しました。



パウチ部分も面板も小さくて良い感じです。
それにしても、うーん、術後にお腹プックリになってしまってブサイクToT
この装具は、装着期間目安が短い(1~3日)ので、水泳をした翌日には交換になる感じです。それから、透明タイプではなく、肌色タイプでストーマが直接見えないものを選びました。
単品系にした理由は、二品系のフランジ部分がバタフライの動きに耐えられずに外れたら嫌なので。
そんなことはないのかもしれませんが、安心のため。
つぎに、ストーマ装具を半分に折りたたんで粘着テープでとめ、防水カバーを装着しプラスロールをフランジ周囲に貼付して皮膚に固定しました。
このときに、ストーマ装具のマジックテープ部分がストーマの上にかぶさらないようにします。



その上からFSロールを貼付しました。
KenUの水着は、ローライズな競泳用ハーフスパッツなので防水カバーに被さらずにはくことができます。



そして最後の仕上げ・・・
ビジュアル対策・・・
ラッシュガードを購入!
はいっ!ストーマ装具が隠れました^^。 Mサイズでもよかったかな?



そして、このままの格好でしばらく自宅の浴槽で入浴しました。
腹部を曲げたり伸ばしたり。
それほど違和感はありません。
うん、防水性も問題なしっ!
*
あとは、プールでバタフライを試してみるだけ。
11月末に検査と診断があるので、主治医のあんざい先生に水泳してもよいかどうか確認してから、早ければ12月かな?
その時には、実際の水泳による防水結果をこの記事に書き加えて報告いたします。
乞うご期待^^
[12/6追加]
オストメイトになって6ヶ月、水泳をしました。
左肩を痛めていて肩がよく上がらなかったので、バタフライはできなかったけど。



ストーマ装具の防水に関しては、最初は問題なかったのですが、最終的には防水カバーに水が入ってしまいました。
装具の面板は剥がれませんでしたが、面板外周のハイドロコロイド粘着剤成分が少し溶けてペタペタになってました^^;
浸水した原因は、思いっきりお腹を伸ばした状態でFSロールを皮膚に貼らなかったので、水泳中にお腹が伸びたときにフィルムに張力がかかって皮膚から剥がれたことが考えられます。
それから、プラスロールの上にFSロールが貼られる部分があって、プラスロールの背面にFSロールが接着してしまうので、水泳中に生じるFSロールの伸縮の動きにあわせてプラスロールが剥されてしまい、防水カバーの防水性が失われるということに気がつきました。
次回、防水性を改良したいと思います。
やっぱり水泳はいいですね。
とっても気持ちよかったです。
[12/13追加]
今日はストーマ装具の防水方法を変えて泳いできました。
プールに行く1時間前に自宅でストーマ装具をダンサックノバ1ミニフォールドアップに付け替えてから、面板の周囲にプラスロールを貼ります。
ぬれてもハイドロコロイド粘着剤が溶け出さないようにするためです。



そして、スポーツジムに到着してから、先に示した写真と同じようにパウチ部分を2つに折り曲げて優肌絆で固定します。
つぎに、厚さ0.03mmのポリ袋を切り取ったポリエチレンフィルムを装具の上に被せて優肌絆で仮止めします。これは医療用粘着防水フィルム(ドレッシング材)を貼ったときに、面板周囲に貼ったプラスロールと装具自身にくっつかないようにするためです。
背筋を伸ばしておなかを張った状態にしてもつっぱり感がないように仮止めします。
最後に、背筋を伸ばしてお腹をぴんと張った状態でFSロールを貼り付ければ完成です。



一応、装具の防水に使用した材料のサイズを下図に示しておきます。



各材料の中央部分にマジックで印を付けておくと、貼付け時の位置合せが容易になります。
なお、おなかの形状やストーマ高さによっては、ポリエチレンフィルムやFSロールの大きさが小さかったり、大きかったりするので、自分に適した大きさで準備します。
ポリエチレンフィルムが大きい場合には、面板に貼り付けたプラスロールにぎりぎりかぶさるように折り曲げて仮止めすれば、FSロールの接着面積を大きくできて良いと思います。
一人で上手に貼るのがなかなか難しいですが、そのうちに慣れると思います。
今回は、水泳をしてもFSロールのはがれは全くなく、完璧にストーマ装具を防水することができ、成功です!
水泳後にFSロールをはがしても、面板周囲のプラスロールははがされずにそのまま貼られた状態なので、装具をつけたままシャワーを浴びても、面板のハイドロコロイド粘着剤が溶け出すことなく問題ありません。
このダンサックノバ1ミニフォールドアップの不織布がとっても優秀で、撥水性が高くて、シャワーを浴びても水が染み込んだりせず、全然濡れないんですよね。
今後も水泳するときにはこの方法でいきたいと思います。
なお今回、装具は翌日曜日の晩の入浴前にはずして、入浴後にはいつものツーピース装具(ホリスター)に付替えました。
[2015/01/10追加]
水泳用にどうかと思いダンサックのノバライフ1 ミニ(透明)のサンプルを頂いたので試用しました。



水泳時の装具防水に使用した材料の写真を下に示します。



ストーマ装具は面板の面積が小さく丸いタイプなので、防水用のドレッシング材を面板の周りに貼りやすいです。
また、ドレッシング材がパウチからあまりはみ出さないので、上にかぶせるポリエチレンフィルムを小さくでき、FSロールも小さくすることができました。
上写真中1番の”優肌絆”はパウチを折り曲げたときの仮止めや、ポリエチレンフィルムの仮止めに使用します。
4番は、面板周囲に貼るドレッシング材ですが、今回はプラスロールではなくて、優肌パーミロールを切って使用しました。
材料それぞれの寸法図を下に示しておきます。



はい、今回も装具が濡れることなく水泳することができました。
ノバ1ミニフォールドアップとノバライフ1ミニのどちらがよいかと聞かれると、個人的には、ノバ1ミニフォールドアップのほうがポリエチレンフィルムを貼るときの位置あわせがしやすいということと、その日のうちにはずしてしまうので価格の安いノバ1ミニフォールドアップのほうがよいかなと思いました。
[2015/01/16追加]
面板周囲に貼付するドレッシング材を作るのが面倒なので、15cm幅の製品に印刷してはさみで切り抜けば良い図面を作りました。



[2015/02/05追加]
低刺激性でない粘着性が強いドレッシング材(防水フィルム)を使用しているので、皮膚の色素沈着が強くなってきました。



それで、シレッセ皮膚皮膜剤を購入し今日届いたたので、FSロールを貼る前に試してみたいと思います。効果は後日、この記事を更新してお知らせしたいと思います。



シレッセはコンバテックジャパンから販売されているシリコンベース(成分:シロキサン共重合体)の非アルコール性皮膜剤で、スプレータイプのほかに個装パック入り不織布に浸してあり拭くだけのワイプタイプの製品もあります。
他メーカーの同様の製品には、コロプラストのブラバ皮膜剤(成分:アルキルシロキサン共重合体)、スミスアンドネフューのセキューラ皮膜剤(成分:アクリレート共重合体(皮膜成分)、ヘキサメチルジシロキサン(溶媒成分))、3Mヘルスケアのキャビロン(成分:ヘキサメチルジシロキサン、アクリル系共重合体、ポリフェニルメチルシロキサン)があります。
※フレームロッドがやられるので、上記の皮膜剤をファンヒーターを使用する部屋では使用しないようにする必要があります(ダイニチHP:シリコーン配合製品を使用しない←参照リンク)。
KenUがなぜシレッセを選んだかというと、クローン病でストーマになったMaggie(マギーさん)がスキンケアに使用していて(動画4:48のところ)、面板下の皮膚がとっても綺麗だったから。 彼女の別の動画でストマスキンケアが見れます( https://www.youtube.com/watch?v=kCqSDxumrpc )。
[2015/03/07追加]
いろいろと書き忘れてました。
水泳用に防水フィルムを貼付するときに邪魔になるのが、ギャランドゥーと陰毛です。
粘着性と防水性に影響しますし、剥すときに毛が引っぱられて痛いので、処理します。
KenUは、こういうものを使っています。



まず、 シック(schick)の剃刀クアトロ4フォーウーマントリムスタイルの電動トリマーを使って、陰毛全体を上から下に向かって、サッサッサッという感じで短くトリミングしてしまいます。
それから、防水フィルムがかぶさる部分の陰毛からギャランドゥーまでを剃刀部分で完全に剃ります。
なお、ストマ装具の面板がかぶさる部分の毛は、カミソリで剃ると皮膚を傷める危険性があるので、電動眉毛剃り器(フェリエ)でカットします。
[2015/03/29追加]
シレッセ皮膚皮膜剤を6回ほど使用しました。
結果は、若干色素沈着はおさまりました。
でも、カテリープFSロールとは相性があまりよくないようで、水泳後に剥したときに粘着剤がたくさん皮膚に残ることが多々あり、それを取り除くのが大変でした。
それで、ホリスターのワイプタイプのリムーバーでアダプト剥離剤パック( 製品番号7760)も併用してみましたが、これもシレッセとは相性が良くないようで、余計に粘着剤が皮膚にたくさん残ってしまいます。



今日は、シレッセなしで、リムーバーだけを使用したらカテリープFSロールをきれいに剥すことができました。
今後はこれでしばらく様子をみて、色素沈着防止の効果を観察したいと思います。
[2015/11/18追加]
報告忘れていました、追加記事が前後してしまいますが申訳ありません。 面倒なので写真はアップしませんが、色素沈着治まりました。 カテリープFSロールはリムーバーを使って剥がすのが良さそうです。
[2015/08/03追加]
ノンアルコールでワイプタイプのリムーバは、いろいろなのがあるので、比較してみました。
コロプラストのブラバ粘着剥離剤を試しに使用してみたところ、カテリープFSロールの剥離性は良いとは言えないけれども、アダプト剥離剤パックよりはちょっと良かったです。



面板の剥離性については、一長一短があるように思いました。
というのは・・・
アダプトは少し厚みと腰があるフェルトタイプの不織布を使用していて、面板と皮膚の隙間に入り込ませて拭き取りやすいのですが、ブラバはやわらかくて腰のないガーゼタイプの不織布を使用しているので拭き取りにくくて、せっかくの薬剤の良好な剥離性能をじゅうぶんに発揮させられず、価格面でももったいない気がします。
[2017/02/12追加]
2016年7月以降使っている製品を紹介するのを忘れていました。
”最近、これはいい!と思ったストーマケアアクセサリー”という記事に書きましたが、水泳後にカテリープFSロールを剥がすときは、イーキンのリリースリムーバ ワイプがとてもよくて、ずーっと使っています。
[2019/11/16追加]
水泳時の最終的な防水に使用している材料の寸法を更新していなかったので、図を貼り付けておきます。少しだけ寸法を変えています。



ニチバン カテリープラスロール CPSR1510 150mm×10m
ニチバン カテリープFSロール 20cm×10m
シック クアトロ4フォーウーマン トリムスタイルホルダー (替刃1コ付)
Panasonic フェリエ マユメイク ホワイト ES2105PP



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