前編の【比較編】に続き、今回は、コンバテックからいただいたストーマ装具のサンプルを実際に試用してみての評価になります。
サンプルは、ナチュラ プラス インビジクローズ ドレインパウチ(以下、「ナチュラ」と略す)とバリケア ナチュラ ソフトフランジ アコーディオン(以下、「バリケア」と略す)で、詳細については、前編の【比較編】をご覧ください(リンクはこちら→【比較編】)。
試用してみると、予想外の展開がいろいろありました。
面板のカッティング
目盛り間隔が広く、ストーマホールを切り取る目安にしにくいため、ホリスターの面板( ニューイメージ セラプラス テープ付(以下、「セラプラス」と略す))の剥離フィルムをテンプレートとして利用しました。
はさみ(コロプラスト ハサミSS)でカッティングしてみると・・・
結構硬くて切りにくく、また、剥離紙が皮膚保護剤にめり込んで、切断面がぼそぼそになってしまいました。
剥離紙を剥がした後に、テンプレートとして利用するのも難しいでしょう。
ストーマシールの貼付
面板を貼付する前に、ストーマ周囲にストーマシールを貼り付けています。
今回は、16等分割にした、ホリスター皮膚保護シールを伸ばして使いました。
面板の貼付
皮膚保護剤の剥離紙を剥がし、ストーマ周囲に貼り付けます。
次に、外周テープの剥離紙を剥がして、面板全体を完全に貼り付けます。
このとき、セラプラスのように、外周テープの剥離紙をあらかじめ一部切り取っておかなかったのは失敗でした。
というのは、剥離紙が剥がしにくかったほか、面板下部のテープ中央部に深いしわが入ってしまいました。
手順としては、セラプラス(上写真右側)のように外周テープの上下を部分的に露出させ、皮膚保護剤を貼付したときに、露出させたテープ部分も貼り付け、その後、外周テープの剥離紙を完全に剥がし、貼り付けるとよいでしょう。
パウチの装着
慣れもあるかと思いますが、面板とパウチのフランジの嵌め合わせが意外に難しかったです。
ホリスターのニューイメージよりも嵌めにくかった印象です。

上記のとおり、コンバテックの2ピース装具は、面板、パウチともに装着の操作性がホリスターのニューイメージよりもやや劣ると感じました。
装着時のファーストインプレッション
実際に装着してみると、【比較編】で述べた懸念は、案外、杞憂でした(笑)。
テープがやや開腹手術後の縫合部分や臍に被さりますが、とくに違和感はなかったです。
面板の皮膚保護剤部分の外周エッジがテーパー加工されていないことによる違和感もありません。
総じて言えば装着感は良好でした。
面板下部のテープ部分は、ローウエストの下着が被さるか被さらないかのギリギリの位置でした。
なお、皮膚保護剤の大きさ(直径82mm)が、違和感のない装着につながっていると考えました。
というのも、面板サイズが82mm×82mmのダンサック ノバ1 ミニも使用感が良好であること、また、ダンサック ノバ1を使用するときに面板をノバ1ミニの大きさにカットして使うことで、装着時の違和感が解消されることがあげられます。
パウチカバーは、ホリスター モデルマフレックス FWロックンロール(1ピース装具)用に作ったものが代用できました。

試用初日(装着~24時間)
2026年10月28日の入浴後の17:00頃に装具を装着し、その約13時間後にパウチから最初の便を排出しました。
便の性状はブリストルスケールType4で、スーッとスムーズに排出できました。
棒状に丸めたちり紙でのパウチ内の拭き取りもしやすかったです。
このパウチであれば、ホリスターの新タイプパウチからの便の出しにくさのイライラから解放されます。
その後、お腹の調子が悪く、24時間までに3回もType5~6の便を排出しました。
今回の試用で、フランジサイズが70mmであることの良さに気づいたのは、想定外でした。
これまで使用していたフランジサイズ57mmの装具では、僕の場合には、ストーマホールとフランジの間隔が約10mmしかないため、便がフランジ内側に挟まったままになることが頻繁にありました。
しかし、70mmではストーマホールとフランジの間隔が約16mmと広くなるため、フランジ内側に便が挟まりにくいことに気付きました。
そう思うと、いままでホリスターのフランジサイズ57mmの製品を使っていたのは何だったのでしょう?
ホリスターの場合、フランジサイズ70mmの製品でも僕のストーマサイズに適合するので試してみたいと思います。
試用2日目(24時間~48時間)
装着から約24時間後の18:00頃に、入浴しました。
消臭ガス抜きフィルターに付属品の防水シールを貼り、湯舟に浸かりました。
パウチの下部を巻き上げて、100均のカーテンレールフックで留めています。
面板の外周シールはよく接着していて剥がれはなく、皮膚保護剤のハイドロコロイド成分が溶解して染み出してくることもありません。
入浴後も装具の装着に対する違和感はなく、期待どおりです。
フィルター用の防水シールがなかなか便利です。
フィルターに貼りっぱなしにして通気を遮断しておけば、ガスが抜けすぎることによるパウチの真空化やパンケーキングを防げます。
その際、逆にガスが溜まりパウチが膨らんだときには、シールを剥がせばガスが抜けます。
シールはパウチの端に貼っておいて、必要なときにフィルターに貼ったり剥がしたりすればOKです(パウチ装着の項の写真参照)。
なお、この期間にパウチ内に便はほとんど溜まらず、入浴前(約47時間後)にごく少量のType1の便を排出しただけでした。
試用3日目(48時間~72時間)
装着後2回目の入浴(約48時間後)も、とくに問題なし。
翌朝(約62時間後)にType5、夕方入浴前(約71時間後)にType6の便を排出しました。
排出口のプレートとフィルムの間に便液による濡れは確認しましたが、排出口ロールアップの内側への便液の漏れ出しはありませんでした。
試用4日目(72時間~96時間)
装着後3回目の入浴(約72時間後)も、とくに問題なし。
夕食後しばらくして、ストーマから多量のType6の便が排泄されたので、就寝前にパウチから排出しました(約77時間後)。
その際、排出口ロールアップの内側に、入浴時に湯が浸入したと思われる水濡れを確認しました。
なお、それが臭いのする便液の染み出しではないことを確認しました。
ただし、排出口のプレートとフィルムの間に便液による濡れは確認しました。
ちなみに、夕食後のストーマからのType6の便の急激な排泄は、経験的に昼食(約68時間後)の横浜家系ラーメン・チャーハンセットや夕食時の飲酒(アルコール度数47.3%のジンロック)による影響と思われます。
それ以降96時間までストーマから便はまったく出ませんでした。
初回試用終了
入浴前(約96時間)に、剥離剤(イーキン リリースリムーバー スプレー)を使用して、皮膚から面板を剥がしました。
皮膚に異常は全くありませんでした。
そこは、創傷ケア分野で定評のある皮膚保護剤を使用した製品なので、心配はしていませんでした。
ストーマ周囲の色素沈着は以前からずっとあります。
試用期間をとおして、装着時の違和感はなく、便の出しやすさ、パウチ内清掃もやりやすかった点では、評価できるストーマ装具だと感じました。
また、良かった点としては、幾度も軟便を排泄したのに、消臭ガス抜きフィルターのつまりが起きなかったこと。
ホリスターの装具の場合には、今回と同様の便排泄の状況であれば、フィルターが詰まってガスが溜まり、バルーニングを起こすことが多い印象です。
そのときには、フランジの上を少し開けてガスを抜く操作をしますが、今回の試用では、そういった操作は必要なかったです。
試用2回目
もう一組、同じパウチと面板のサンプルをいただいていたので、初回試用と少しやり方を変えて、2回目の試用をしました。
装具の装着は入浴後に行いました。
今回、ストーマ周囲に貼り付けるストーマシールには、エセンタ コンバテックシールを使いました。
ストーマホールのカッティングには、携帯用の面板切りハサミとして2015年に購入した、ドイツ・ゾーリンゲン製ZENITHの鼻毛切りハサミ(先丸・先反り)を使いました。
以前から切れ味の良さは分かっているものです。

その結果、面板は切りやすくなり、剥離紙もぼそぼそにならず、切断面をきれいにカットできました。
また、外周テープの剥離紙をセラプラスと同じように、あらかじめ一部切り取っておくことで、大きなしわを作らずにうまく貼り付けることができました。
2回目試用の概要
2回目の試用では、入浴後に装着し、丸3日間(約72時間)装着しました。
初日:装着翌日の入浴前に、ほんのわずかな量のType1の便を排出し、とくに異常ありませんでした。
2日目:Type2の便がすでに朝には溜まっていましたが、夕方までそのままにしていました。
入浴前にパウチから便を排出しようとしたところ、パウチのロールアップ部内側に便液が染み出した痕跡がみられました。
いちおう入浴による影響の有無を確認するために、入浴後にロールアップ部を広げてみました。
すると、ロールアップ部内側に風呂の湯を確認したものの、排出口のプレートとフィルムの間に、m9消臭液滴剤などの液濡れはなく、入浴によるパウチ内容物の染み出しは確認できませんでした。
3日目:夕食後から溜まりだしたType2の便を翌朝に排出。
ロールアップ内側にm9消臭液滴剤(青色)が染み出して乾いた痕跡があり、プレートとフィルムの間に便液が入り込んでいるのが確認されました。
試用1回目、試用2回目ともに、装具装着後の初回の便排出ではこのようになることはありませんでした。
原因はさっぱりわかりません。
昼食後からもストーマから便が排泄されたため、入浴前にパウチから排出しました。
このときにも、ロールアップ部内側にm9消臭液滴剤が染み出して乾いた痕跡があり、プレートとフィルムの間に便液が入り込んでいることを確認しました。
試用終了:入浴前に装具を外し、皮膚に異常は見られませんでした。
ただし、エセンタ コンバテックシールとの組み合わせは、あまり良くなかったようです。
ストーマシール自体は機能していましたが、面板の皮膚保護剤は硬くなっており、剥離時には面板の粘着性物質が皮膚に多く残っていました。
気になる点
試用中に気になった点は次のとおりです。
1点目は、便排出時にパウチの排出口のロールアップを解放したときに、毛細管現象で染み出したと思われる液体が、プラスチックプレートとフィルムの間に入り込んでいるときがあること。
また、ロールアップ部内側にパウチ内容物の液が染み出していたこともあるので、気になりました。
以前の排出口よりは改善されているのは明らかですが、便液が漏れる可能性については懸念を感じました。
2点目は、面板の浮動型フランジおよびアコーディオンを構成している素材の防臭性が低いのではないか、ということ。
アコーディオン部分から臭気が透過しているような気がしますし、その部分を外側から指で触れてみると、指に臭いが移ります。
防臭素材を積層したり、クリロン化成のBOS(うんちがにおわない袋)の技術を応用したらいいのではないかと思いました。
3点目は、製品設計において、想定される使用期間中に生じる装具の変化まで考慮されているのか、ということ。
というのは、便の排出操作を何度も繰り返せば排出口のプレートに折り目は付いてくるし、排出口の拭き取り操作を何度も行ううちにフィルムが伸びてきます。
そのように変形・伸長した状態でも、便排出口を閉じたときの便液漏れ防止性能が確保されているのか、気になりました。
ホリスターからコンバテックへ乗り換えるかどうか
試用した結果から、コンバテックとホリスターの2ピース装具の比較評価を一覧表にしてまとめてみました。
なお、評価は僕の個人的な感想に基づくものであり、すべての使用者にあてはまるものではないことに注意してください。

コンバテックはホリスターより良い点がいくつかありますが、とくに便液の染み出しと臭いについて不安が残り、今回試用した製品への乗り換えは難しいと判断しました。
なお、コンバテックを試用したあとにホリスターを装着したところ、面板の薄さと軽さはより快適なことを再認識しました。
今後は、フランジサイズ70mmのホリスター用とコンバテック用のパウチカバーを作り、別のサンプルを入手して再検討する必要があると感じました。
ホリスターがパウチの形状を元に戻してくれるのが一番いいんですけどね(笑)
前へ→『【比較編】ホリスターのパウチの仕様変更に不満!コンバテックへの乗り換えを検討』
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