前回、『じつは知らなかった。軽油に5種類の規格があるなんて!凍結トラブルに要注意』という記事を書きました。
しかし、実際にどの季節・どの地域で、どの規格の軽油が流通しているのかは分かりません。
一方、石油連盟において、地域ごとに使用する軽油の号数の参考となる「軽油使用ガイドライン」が出されています。
そこで今回、ガイドラインの妥当性について調べてみることにしました。
軽油使用ガイドライン
次の図のとおり、1月~12月のそれぞれの地域における軽油の規格が示されています。
ただし、石油連盟のガイドラインには、次の補足が明記されています。
- 表の号数のもの、又はそれより流動性の良いものを使用することが望ましい。
- それぞれの地域区分中、地形などによって局所的に特別に低温となる地域については、気温に応じた流動性を持つ軽油が使用されるようにすべきである。
そこで、本記事では直近年の実測値として2025年の全国の最低気温を調べ、軽油使用ガイドラインに対して、それぞれ適合するかどうかを当てはめてみました。
なお、本検討は単年データによる傾向確認を目的としています。
全国の最低気温グラフ
全国の各地域の最低気温の図を示します。
なお、ガイドラインにはない甲信越地方を追加しました。
最低気温は、ガイドラインに示された各地方の中で、年間の最低気温が最も低い地域を採用しました。









最低気温の地域差が大きい地方と小さい地方があることが分かります。
軽油規格に応じた色分け
各地域の最低気温に対して、JIS規格の流動点に基づき、対応する軽油規格号数を色分けして表に示します。
| 流動点規格 | -30℃以下 | -20℃以下 | -7.5℃以下 | -2.5℃以下 | +5℃以下 |
| JIS規格 | 特3号 | 3号 | 2号 | 1号 | 特1号 |
| 色 | 橙 | 青 | 桃 | 白 | 緑 |

石油連盟のガイドラインと乖離がある地域があることがわかります。
日本の最低気温分布
参考として、2026年2月1日の全国の日最低気温の分布図を示します。

修正ガイドラインの提唱
ガイドラインでは、北海道を、道南以外、道南、中央山岳部に分けていますが、旅行者目線で道内全域を移動することを考えると、使用する軽油規格の号数は道内全域で最低気温を基準にして統一するのが望ましいと考えます。
また、最低気温分布および地域間の気温差を考慮すると、山陰と山陽を軽油規格上で分ける合理性は極めて低いと考えられます。
両地域は隣接県同士であり、日常的に相互移動が発生する地域でもあります。
さらに、九州地方は南北に広く高低差も大きいため、一律に規格を設定することは難しいと考えられます。
さらに、石油連盟は日本の規格の流動点(PP)で評価していますが、ヨーロッパでは、CPやCFPPで評価します。
それらの違いは次のとおりで、CP>CFPP>PPの順に温度差があります。
- CP(Cloud Point/曇り点)→ パラフィン結晶が見え始める温度
- CFPP(Cold Filter Plugging Point)→ 燃料フィルタを目詰まりせずに通過できる限界温度
- PP(Pour Point/流動点)→ 燃料が流れなくなる温度
つまり、PPを満たしていても、CFPPを満たしていなければ燃料フィルタの目詰まりが発生し、エンジンに燃料が供給されず始動しないことになります。
以上を踏まえ、石油連盟の考え方を参考にしつつ、最低気温データと流動点規格に基づき、代替となる軽油使用ガイドラインを次のとおり私(KenU)は提唱します。
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