” カテリープラス™カーブ ” ストーマ装具面板の周りに貼る製品は、皮膚にも環境にも優しい。

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ニチバン株式会社から、ストーマ装具の面板固定・皮膚保護用のプレカットタイプドレッシング材 ” カテリープラス™カーブ ” が、全国の病院内売店、ストーマ用品店、介護用品店、通信販売などで、2021年3月22日に新発売(メーカー出荷)になりました。
この製品は、テープメーカーとしてストーマ関連の領域で出来ることがあるのでは?と考えて、開発されました。
今回の記事では、カテリープラスカーブの詳細について紹介していきます。

製品外観

カテリープラスカーブ は、透湿性が非常に高く、皮膚に優しいフィルムドレッシング ” カテリープラス (※1)” をストーマ装具 (以下「装具」と略す。) の面板用に切り抜いた粘着テープ製品です。

※1:「皮膚へのやさしさ」と「はがれにくさ」という、両立が困難だった問題を解決するために開発されたウレタンジェル粘着剤を使用し、「高透湿」「高固定」「低刺激」を実現したフィルムドレシング。

出典:NICHIBAN 製品情報 カテリープラス™(←リンク)

製品パッケージはシンプル。
テープは台紙に挟まれていて、厚みが薄いため、かさばりません。

皮膚に貼る面には紙製のライナー(剥離紙)が、外側防水面のウレタンフィルム基材の上には、プラスチック製のバッキングフィルムが貼られています。

テープは、円形・楕円形・四角形など様々な面板の外周に対応可能な形状になっています。
3枚づつ繋がっていますが、手で軽く引っ張るだけで、簡単に1枚ずつに分離できます。

私KenUの場合、面板が全面皮膚保護材の装具を使用するときには、自分でカテリープラスロール、優肌パーミロールLiteなどを切り取って、面板周囲に貼ります。
入浴時に装具が濡れると、面板のハイドロコロイド成分が溶け出し、面板周囲皮膚がべたついたり、皮膚にかゆみを生じたりすることがあるので、防水のためです。
副次的効果として、入浴後の面板周囲のめくれ、浮き上がりを抑制することもできます。

なので、カテリープラスカーブは、自分でフィルムドレッシングを切り取る手間が省け、必要なときにその場ですぐに使用できるので、とても便利です。

ESG(※2)を意識

KenUは、サステナブルな社会・環境側面といった観点から、カテリープラスカーブは高く評価できる製品だと感じています。
それは、パッケージのシンプルさゆえ、ブリスターパックのような大きな家庭プラスチックごみを出さないということもありますし、製造段階で出るごみの量を最小限に抑えるように工夫されているからです。

※2:ESGとは、環境(Environmental)、社会(Social)、コーポレートガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもの。今日、企業の長期的な成長のためには、ESGが示す3つの観点が必要だという考え方が世界的に広まっています。一方、ESGの観点が薄い企業は、大きなリスクを抱えた企業であり、長期的な成長ができない企業だということを意味します。

出典:サステナブルジャパン ESG・ESG投資 2016/05/14 辞書(←リンク)

下の図は、粘着テープロールの原反から、カテリープラスカーブを製造する場合とコロプラスト社 ブラバ伸縮性皮膚保護テープと同じバナナ形状のテープ製品を製造する場合とを比較したものです。
白黒の図は、製品一枚を取るのに必要な面積に、製品になる部分を白色、廃棄される部分を黒色に塗りつぶしています。

それぞれ、使用一回分を製造するのに、どれくらいの面積が必要で、どれくらいのゴミがでるのか、その割合はどれくらいになるのか、それらを計算した結果が下の表です。

カテリープラスカーブ1回分(3枚)バナナ形状テープ製品1回分(2枚)
製造に必要な面積149 cm2159 cm2
製品になる面積136 cm2107cm2
ゴミになる面積13 cm252 cm2
廃棄される割合 9 %33 %
※製品面積及びゴミになる面積の計算には、画像解析フリーソフトImageJを利用

上記のとおり、カテリープラスカーブは、製造工程で出るゴミ(産業廃棄物)がバナナ形状製品の1/4であり、環境にやさしい製品であるということが分かります。

使い方

バナナ形状のテープであれば2枚の使用で済みますが、カテリープラスカーブは、環境に配慮して設計したため、3枚使用になります。
その分、ユーザーが面板に貼る操作、手間は少しだけ増えます。
ですが、少し使っているうちに、すぐに慣れると思います。

以下、2020年にKenUが発売前プロトタイプの評価試験モニターをさせてもらったときの画像を使用して説明します。

まず、コロプラスト社 センシュラミオ1の面板、 ダンサック社 ノバ1フォールドアップの面板へのカテリープラスカーブの基本的な貼り合わせ方には、下写真A、Bが考えられます。

なお、写真の面板は、KenU自身で、装具の装着感を向上するために加工を施しています。
 ※ 過去記事リンク →開腹縫合跡が痒くなるので装具面板をカスタマイズ加工

センシュラミオ1でプロトタイプの評価試験をしたときは、パターンAで貼りました。

ノバ1フォールドアップでプロトタイプの評価試験をしたときは 、パターンBで貼りました。

いずれの装具でも、カテリープラスカーブの貼り方は自由自在。
上記AやB以外でも、使いやすいと思う向きに貼れば良いです。

オフィシャル動画

カテリープラスカーブの貼り方のYouTube動画が、ニチバンのオフィシャルチャンネルで公開されています。

さて、動画では、テープ端の剥離紙から順番に剥がしていき、面板周囲及び皮膚に貼っています。
中央の剥離紙は最初に剥がしません。
何故かというと、バッキングフィルムの背割り部とテープがずれて、粘着面どうしが貼りついてしまい、失敗することがあるためです。

必ず失敗するわけではなくて、中央の剥離紙を先に剥がしてから上手に貼れる人もいるかも知れません。

ここでKenUが、中央の剥離紙を先に剥がしても失敗しない裏技をお教えしましょう。
バッキングフィルムの背割り部分に、セロファンテープやばんそこうなど適当な粘着テープを貼るとよいです。

その際には、粘着テープの端を折り曲げて、剥がししろを作っておきましょう。
そのようにすると、バッキングフィルムが剥がしやすくなります。

こうして、バッキングフィルムの背割り部分をずれないようにしてあげると、面板に貼るときの失敗を回避できます。
また、面板への貼り方のバリエーションを増やしたり、貼りやすさを改善できます。

実際に実演動画を撮影したのでご覧ください。

価格比較

面板周囲に貼るテープ製品はいくつも販売されているので、価格を比較します。

カテリープラスカーブの1回分、3枚使用したときのコストは、税込み165円。
先行して販売された、同様の製品であるスキニックスのムーバルと同じ価格です。

製品名入数価格1回分コスト
カテリープラスカーブ30枚/袋¥ 1,650(税込) 165円 (3枚使用)
ムーバル20枚/パック¥ 1,650(税込) 165円 (2枚使用)
ブラバ伸縮性皮膚保護テープ 20枚/箱¥2,764(税込)276円(2枚使用)
シレックス シリコーン面板固定テープ20枚/箱¥3,456(税込)346円(2枚使用)

さて、環境に配慮した製品・カテリープラスカーブを好意的に捉えて選ぶのか、それとも使いやすさで他の製品を選択するのか、考え方は人それぞれです。

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****** 関連記事 *****

ブラバ伸縮性皮膚保護テープのレビューはこちら ⇒ センシュラ ミオ1にブラバ伸縮性皮膚保護テープを試用
シレックス シリコーン面板固定テープのレビューはこちら ⇒ trio社製シレックス面板固定テープ(シリコーン・フランジ・エクステンダー)を試用

1件のコメント 追加

  1. レモンパパ より:

    kenuさん。
    こんにちは。レモンパパです。
    この「カテリープラスカーブ」使えそうですね。

    今は、「イーキンドット イレオコンベックス」の面板と窪みの間に「ブラバ プロテクティブシール」を貼って窪みを埋めてから、面板からの漏れ防止に「デルマポア」を周囲に貼った上に、更に「パーミロール」を重ね貼りにしています。イレオスミーなのでどうしても水分が多くて洩れる傾向があるので。

    この様なインプレッションは助かります。

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