☆
さて、前回 ” 【解説】腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)の違いとは?JISとISOの違いに注意!”という記事を書きましたが、そこでメーカーや日本時計協会が「10気圧防水時計や20気圧防水時計をしたまま水泳やウォータースポーツや素潜りをしても良い」と言っていることが分かりました。
それなのに、”水泳で手をバシャバシャすると強い水圧がかかるから10気圧防水時計でも水泳をしてはダメ”とおっしゃる方々がいます(メーカーがいいって言ってるのに^^)。
それ本当?
ちゃんと調べたの?
ということで、私KenUが調べてみることにしました。
********************
目 次
・競泳クロールの手かきの水圧は?
・海の波の水圧は?
・ウィンドサーフィンでの海面落下時の衝撃は?
・その他、水圧に関する数値情報
・10気圧防水腕時計をしたまま海で泳げる?
・水道の水圧は?
・雨の水圧は?
・防水腕時計の取扱い、その他
********************
————————————————
競泳クロールの手かきの水圧は?
探してみると・・・ちょうどバッチリの文献があるじゃないですか^^。
”工藤重忠、高木英樹ら、「クロール泳における手部に生じる圧力差と推進力に関する研究」、Japanese Journal of Sciences in Swimming and Water Exercise No.2 , 1999 ”
手に圧力センサーをつけてクロール泳ぎ時の手部にかかる圧力を測定しています。
その結果、被験者Eの手部面積=0.0156 m2、手部圧力の平均最大値=約90 N だったので、この数値からクロールの手のひらに一番強くかかる水圧を計算してみると・・・
90 N ÷ 0.0156 m2 = 5769 Pa = 5.77 kPa = 0.0058 MPa = 0.06 bar
となり、0.1気圧にも満たない、たったの0.06気圧となります。
掌でコレくらいの水圧なので、手の甲側の手首の腕時計にかかる水圧はもっと弱くなるでしょう。
*
別に計算でも考えてみます。
身長180cmの人の手首までの腕の長さを55cmとし、その円周の1/2をクロールの水中での手首軌道とすると、長さl=55×π=173[cm]
YouTubeの競泳選手クロール映像から、水中軌道の1/2の長さを0.2秒の速さで腕を振り抜くとすると、速度v=173/2/0.2/100=4.3[m/s]
クロールの腕の動水圧(海水)は、P=1/2*1026*4.3^2=9572[Pa]=0.096[bar]=約0.1気圧 となります。
クロールでバシャバシャ水をかくのって意外にもそれほど水圧はかからないんですね~。
*
*
じゃあ、バタフライで腕を水面にたたきつける衝撃力は?
10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?
と同様にして計算すると・・・
物体の質量をm[kg]、衝突する速度をv[m/s]、減速時間をΔt[s]とすると、衝撃力F[N]は
F=mv/Δt
YouTubeの競泳選手バタフライ映像から、腕が水面に衝突する速度v=4.3[m/s]、入水後腕を伸ばして0[m/s]まで減速した時の減速時間Δt=0.1[s]、腕時計の重量m=0.125[kg]として式に代入すると、
F=0.125*4.3/0.1=5.375[N]=5.375/9.80665=0.54[kgf]
厚み12mm、直径42mmの腕時計の側面が水面にぶつかる(※そんなことはないのだがとりあえず)と仮定して、その面積(およそ5cm2)で割って圧力に換算して、その圧力を気圧相当に換算すると・・・
P=0.54/5=0.11kgf/cm2=約0.1気圧
ちなみに、KenUはバタフライできます。 入水時腕も痛くないしそんなに衝撃ないですよ。
バタフライできない人から見たら、腕に凄い衝撃があるように見えるんでしょうね^^。
*
*
ということで、”水泳では強い水圧はかからない”という結論に達しました。
海外では、5気圧防水(Water Resistant 50m)の水泳専用ウォッチ(Garmin Swim Watch ←参照リンク)というのがあります。
←Amazonで見てみる。
ちなみに、日本国内では腕時計を着用してプールに入ることは安全上ほとんどの施設で禁止していると思いますから確認してみて下さい。
そうすると、防水腕時計の水泳での使用は、海に限定されるのでしょうね。
————————————————
海の波の水圧は?
では、海水浴で海の波がジャバーンとかかる圧力はどれくらいなのでしょうか?
鉛直壁に作用する砕波の波圧は国土交通省の通知で、
p=1.5・w・H0により算出するそうです。
p :砕波の波力(kN/m2)
w :海水の単位体積重量(kN/m3)
H0:沖波の波高(m)
海水の密度を1030kg/m3とすると、
海水の単位体積重量=1,030kgf/m3×9.80665m/s2=10.1kN/m3
ちょっと高めの波を想定して沖波の波高が1mの場合、
砕波の波力p = 1.5×10.1×1=15.15kN/m2
これを、水圧に換算すると、15150Pa=0.154kg/cm2=約0.15気圧
”海の波は10気圧防水時計でも全然耐えられる圧力”という結論に達しました。
ちなみに、東北地方太平洋沖地震(3.11 東日本大震災)の津波の破壊力は1m2あたり20~50 トン(ton)だったとのこと。
水圧に換算してみると・・・
20~50 ton / m2 = 2~50000 kg / m2 = 2~5 kg/cm2 = 2~5 気圧
ということになります。
ついでに、ここから沖波の波高を逆算すると、約13m~32m。
————————————————
ウィンドサーフィンでの海面落下時の衝撃は?
別に「10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?」という記事を書いているので、それの応用で計算してみます。
ウィンドサーフィンの速度はどれくらいかというと、最高速度の記録は90.91km/h(約25m/s)(Wikipedia”ウィンドサーフィン”より)ですが、普通の人では30~50km/hらしいです。
直径42mm(面積約1400mm2)、重量125g(0.125kg)の腕時計をしたまま、速度v=12.5m/sのウィンドサーフィンから落下し、12.5[m/s]の速度が衝突過程Δt=0.02[s]の時間で0[m/s]まで減速するとして計算してみます。
衝撃力F[N]は F=mv/Δt ですが、時計が受ける衝撃力は、人体の体重に関係ないと考えられるのでm=0.125kg(時計の重量)とします。
なぜなら、人体の体重で計算しちゃうと時計をはめている人の体重が変わると時計に加わる力が変わってしまうという誤った数値になり、また、その力の全てが時計にかかるわけではないので。
ここでは人体へ加わる力ではなく、時計に加わる力を計算します。
時計への衝撃力F=0.125*12.5/0.02=78.125[N]
この力を、腕時計の面積で割ることで、腕時計が水によって受ける圧力(水圧:N/cm2とかMPa)に換算し、それを気圧相当の圧力に換算します。 そうすると・・・
78.125/1400[mm2]=0.0558[MPa]=0.56[bar]=約0.6気圧
になりました。
ということで、10気圧防水腕時計は全く問題ないですが、体は大丈夫なのでしょうか?
ここまでで、パドリングをするサーフィンでも10気圧防水腕時計で問題ないことがわかります。
でも、サーフィンは満潮干潮で波の状態が変わるのでタイドグラフ付き(満潮・干潮・潮位がわかる)時計を使用するのだそうで種類は限られるみたいですね。
タイドグラフと腕時計 ← coolfisher HPより
FREE STYLE SHARK CLASSIC TIDE タイドグラフ搭載10気圧防水
CASIO G-SHOCK G-LIDE タイドグラフ搭載 GWX-5600C-7JF
————————————————
その他、水圧に関する数値情報
英語版のWikipedia ”Water Resistant mark”では、
ダイバーの動圧は、
海水の密度 ρ = 1026 kg/m3
速さ v = 10 m/s(※オリンピック水泳100m自由形の世界記録は2.2 m/sくらいなので、かなり速く見積もっている。)
として、
P = 1⁄2 × 1026 kg/m3 × (10 m/s)2 ≈ 51,300 Pa ≈ 0.5063 atm(0.5気圧)
と計算しており、海の中で動いてもたいした水圧はかからないとしています。
ちなみに、v = 2.2 m/s で計算してみると、P = 2483Pa ≈ 0.0245atm(0.025気圧)になります。
*
一方、「水泳のクロール時の水圧は約13気圧ある」とか「水中で手を振っただけで簡単に10気圧を超える」などと間違ったことを書いているサイトがあります。 知識や技術力の不足が懸念されるので、そのようなことをホームページに書いている時計店からの購入は避けたほうが無難でしょう。
まあ、ちょっと考えればわかると思いますが・・・
クロールの手かきが13気圧=約13kg/cm2だとすると、掌面積を150cm2として計算すると、
13×150=1950kg
になるので、片手の掌で乗用車一台分を押しのける力にもなるわけですから そんなことありませんよね?
では、「1950kgの乗用車」ってどんなの?ということで調べてみました(笑
TVドラマ”相棒”の神部君が乗っていた”NISSAN GT-R”の車両総重量(体重55kgの大人4人(定員)が乗った重量)がちょうど1950kgのようです。
*
某スポーツ用品メーカーのアクアフィットネスに関するサイトで、「水圧は、標準的な体型の人で1,300kg程度・・・」という記述も見つけました。
水圧に換算してみますと、2001年日本腎臓学会より日本人の平均体表面積 = 1.73 m2 (17300cm2)という数字が提案されていますので、 1300kg÷17300cm2=0.075kg/cm2 となり、 一平方センチメートル当たり75gの圧力(0.075気圧)ということになります。
水中で激しく運動してもその程度の水圧なんですね。
————————————————
10気圧防水腕時計で海水浴をしても大丈夫か?
アバウトに計算してみますと、
競泳クロール時の腕への負荷・・・0.1気圧
水泳時の動水圧・・・0.025気圧
1mの波がかぶさっても・・・0.15気圧
激しい水中運動をしても・・・0.075気圧
ウィンドサーフィン(50km/h)から落下しても・・・0.6気圧
素潜りで10mもぐったら・・・1気圧
大気圧・・・1気圧
合計すると約3気圧(3bar、水深30m相当)。
これらの水圧全てが同時にかかる訳では無いので、”10気圧防水時計をしたまま海で水泳やウォータースポーツをしても全然問題無い”という結論に達しました。
————————————————
水道の水圧は?
海に入ったならば、腕時計に付着した海水の塩分を落とすために真水で洗います。
では、水道の水圧はどれくらいあるのでしょうか?
社団法人 日本水道協会[ JWWA ] 水道施設設計指針(2000年版)では、
「水圧の許容範囲は、最小動水圧は0.15~0.2 MPa を標準とすること。」
「最大静水圧で0.74 MPa。」
「最大動水圧は、0.5 MPa 程度とすることが望ましい。」
ということらしいです。
つまり、水道水の動水圧は、最小 0.15 MPa = 1.5 bar(1.5気圧)~最大0.5 MPa = 5 bar(5気圧の範囲で調節されていて、蛇口全開で勢いよくジャージャーッと水をかけちゃうと泳ぐよりも強い水圧がかかるという事になるのですね。
時計を洗うときには注意したほうが良さそうです。チョロチョロっと水を出しながら洗うか、洗面器に水を流しながら洗いましょう。防水性能が低下しますから、石鹸や洗剤は使用しないようにしましょう。
ちなみに、5~10気圧の水圧がどれくらいかというと、消防車の放水を想像したら良いかと思います。
”消防ポンプの話”←トーハツ株式会社HPより
それから、日本三大名瀑(めいばく)の一つに数えられる栃木県日光市の”華厳の滝(けごんのたき)”の落差が97mなので、うたれたら10気圧の水圧が体感できると思います(笑(参照リンク→水車等の水力設備)
————————————————
雨の水圧は?
日常生活用防水(2~3気圧防水)腕時計は「洗顔のときの水滴、雨などに耐えられるものです」と書かれていますが、雨の圧力はどれくらいあるのでしょうか?
日本工業規格に、”JIS L1092 : 2009 繊維製品の防水性試験方法”というのがあって、その中に「耐水度試験」というのがあります。
規格の数値はmmで示されますが、例えば耐水圧10,000mmという場合には、
10,000mm = 1,000cm = 10m = 水柱10m = 10mH2O = 98066.5 Pa = 98.0665kPa = 0.980665bar = 約1気圧の水圧の水が染み込むのを防ぐ繊維の性能ということになります。
それで、一般の傘の耐水圧は、250~500mm程度だそうですが、レインウェアに必要な性能の目安は、
20,000mm(2気圧) — 嵐
10,000mm(1気圧) — 大雨
2,000mm (0.2気圧)— 中雨
300mm(0.03気圧) — 小雨
と言うことだそうです。ブリジストンスポーツ(株)”アパレルに関する基礎知識”より。
とすると、日常生活用防水(2~3気圧防水)の腕時計は、嵐の中での雨には耐えられないかも知れないので、気をつけたほうが良さそうです。
10気圧防水の時計は嵐でも余裕ですね。
*
一応、普通の雨滴がぶつかった時の衝撃力を計算してみます。
普通の雨粒の最大直径は2~3mmで、雨粒の直径によって雨粒の落下速度(終末速度)は変わります。
なので、まず、それぞれ粒の大きさが異なる雨粒の落下速度はどう違うのかを調べました。
いろいろな計算の仕方があるようなので、いろいろなサイトから数値を拾ってきて、下の表にまとめてみました。
ソースによって数値が異なりますが、別に実測の実験結果を示している論文があって、それに近い一宮先生の落下速度の数値を採用させてもらいます。
計算はサーフィンのところのと同じで衝撃力F[N]=mv/Δtの式を使って計算しますが、Δt=l/v(雨粒直径m/落下速度m/s)として直径3mm(重さ14.14mg)、垂直落下速度5.5m/sの雨粒の場合を計算します。
3mmの雨粒が当たった時の衝撃力は、
F=m[kg]*v[m/s]/(l[m]/v[m/s])=0.00001414*5.5/(0.003/5.5)=0.143[N]
この力を、直接時計にぶつかる面積、すなわち、雨粒の断面積で割って圧力に換算して、その圧力を気圧相当に換算すると・・・
P=0.143/0.0707(雨粒の断面積cm2)=2.02N/cm2=0.206kgf/cm2=約0.2気圧
となり、普通の雨のときは、日常生活用防水(2~3気圧防水)の時計で問題無いということになります。
(追加)
嵐の時も計算します^^;
嵐の雨粒は大きそうなので、上の表から、雨粒の直径5mm(重さ65.45mg)で、垂直落下速度10m/sとしました。
また、やっと立っていられる風速72km/h(20m/s)の真横に吹く風が吹いたとします(気象庁HP「風の強さと吹き方」←参照リンク)。
なので雨粒の衝突速度(m/s)=√(10^2+20^2)=22.36とします。
嵐の時の雨粒が当たった時の衝撃力は、
F=m[kg]*v[m/s]/(l[m]/v[m/s])=0.00006545*22.36/(0.005/22.36)=6.54[N]
この力を、直接時計にぶつかる面積、すなわち、雨粒の断面積で割って圧力に換算して、その圧力を気圧相当に換算すると・・・
P=6.54/0.1963(雨粒の断面積)=33.33N/cm2=3.4kgf/cm2=約3.3気圧
となり、10気圧防水時計は大丈夫ですが、日常生活用防水(2~3気圧防水)時計のリューズ部分や防水パッキンが挟まっている裏蓋の隙間に嵐の雨が直接当たらないように気をつけたほうが良さそうです。
*
せっかくなので、ついでに180km/hのオートバイ走行中(スピード違反です)に直径3mmの雨粒が当たった時の衝撃も計算してみると・・・(笑)
衝突速度は50.3m/sで、衝撃力は16.9[bar]=約17気圧。
高速走行時に生じるであろうバイクの風圧を無視しているので、正面にかかる風荷重を引いたらいいのか?
低気圧(980hPa)、気温15℃における空気密度は、
ρ=1.293*(980/1013)/(1+0.00367*15)=1.186[kg/m3]
バイクの抗力係数Cd値=0.4として、時速180km(秒速50m)で正面に受ける風荷重は、P=1/2ρ*9.8*Cd*v^2=1/2*1.186*9.8*0.4*50^2=5809[N/m2=Pa]=0.058[bar]=0.06気圧(※クロールと同じ数値ですね。)
先の16.9から0.06を引いて・・・も、たいして変わらず、約17気圧。
10気圧防水腕時計をして雨の日にバイクで180kmの走行はやめたほうが良さそうです(笑
————————————————
防水腕時計の取扱い、その他
今まで、海に入るからと思ってダイバーウォッチを購入していましたが、Water Resistant 100M(10BAR)でも泳いだりシュノーケリングしてもいいのかと思ったら、今この時計が欲しいです。↓
SEIKO 5 ファイブ スポーツ 自動巻き SNZE93KC
時計の取扱説明書も読まずに、お手入れもしないで、定期メンテナンス・パッキン交換もせずに、せっけんや洗剤で洗ったり、適当な使い方をして防水性を低下させた時計で水泳して浸水しました、っていうクレームはダメですよ^^;。
それから、時計店で電池交換したり、裏蓋を開けたりすると、防水性が失われることがあるので注意が必要です。
なので、下のサイト見てね。
SEIKOの操作上の注意(防水について)⇒ http://www.seiko-watch.co.jp/support/function/operation04.php
CASIOの防水時計の取扱注意事項と手入れは?⇒ http://support.casio.jp/answer.php?cid=002001001001&qid=6288&num=4
CITIZENの防水時計の取扱 ⇒ http://citizen.jp/cs/support/watch/waterproof.html
ORIENTの防水性について ⇒ http://www.orient-watch.jp/product/connection/#connection_1
10気圧防水(W.R.100mまたは10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?
自分でG-SHOCK DWX-100のパッキン(Oリング)交換と電池交換をしてみた。
*
参考までに・・・
海外ウォッチメーカーの10気圧防水腕時計(10bars/100M/330FT)の防水チャートを調べてみると、
ROLEX : Suitable for standard swimming pools.
OMEGA : Strong exposure to water, Submersion in water, Snorkeling
ORIS : Shower, Bath, Swimming, Snorkeling
Breitling : Shower, Swimming, Surface water sports, Water-skiing, Dives, Snorkeling
PANERAI : Suitable for swimming and snorkeling.
IWC : 6bar(6気圧防水:ISO2281規格準拠)Water sports, Snorkeling ※IWCの12barはISO6425潜水防水規格準拠、つまりDiver’s120m。
となっています。
腕時計の防水表示に対するメーカー別防水性能と日英説明の比較←参照リンク
*
ねじ込みリューズでないと浸水(水没)するなどと言う人がいるようですが、JIS規格及びISO規格において、リューズやボタンに軸方向と垂直方向に5N(約500g)の荷重をかけて水中に沈める”操作部防水性試験”によって、リューズやボタンの防水性が確認されています。 ただし、水中でのボタン操作や濡れた状態でのリューズ操作時の防水性は確認されていないので、そのような操作はしないように注意して下さいと、ほとんどの腕時計の取扱い説明書には書かれています。
*
最後に・・・
海水浴で防水時計が欲しい時に、10気圧防水の腕時計を購入することの選択は、ダイバーズウォッチの選択に比べて、価格、デザイン、ファッション性などにおいてかなり選択肢の幅が広がり、ユーザーの楽しみも広がります。
メーカーの説明に反して10気圧防水を否定し、ダイビングをする訳でもないのに高価なダイバーズウォッチやねじ込みリューズの時計を薦めることは、選択の幅を狭めて購入動機を阻害し、海水浴での利便性を損なったり、時計選びという楽しみを奪ったり、消費の活性化を妨げるものであると私KenUは考えます。
☆
************** 関連記事 **************
【解説】腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)の違いとは?JISとISOの違いに注意!
10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?
10気圧防水(W.R.100mまたは10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?
10気圧防水(W.R.100m or 10Bar)腕時計は何m(メートル)まで潜れるの?
日常生活用防水(3気圧防水、W.R.3bar)腕時計を風呂に沈めてみた。
***********************************