ストーマ装具不良品について|見解と考察

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私KenUは、永久人工肛門になって10年以上になります。
これまで、ストーマパウチに穴が開いていたなどが原因で便が漏れたことは一度もありません。
そこで、ストーマ装具の不良品について考えてみました。


私の場合、不良品ではありませんが、失敗経験はあります。
1つは、面板の穴を開けてるときに、パウチの内側をはさみで傷つけてしまったこと。
2つは、便排出口のマジックテープを勢いよく剥がしすぎて、マジックテープ溶着部のパウチ外側のフィルムを破ってしまったこと。


では、ここからが、本題です。

ストーマ装具の不良で、いちばんあってほしくないことはなんでしょうか?
それは、「ぱっと見で不良品とわからない製品」かつ「便が漏れちゃう不良品」です。
一見正常に見えて、装着したら便が漏れたとなったら致命的です。

結論は、ぱっと見でわからない致命的な不良は製法上ほぼほぼない、と言えます。

そのことについて、出来るだけ簡単に以下に説明していきます。
なお、文字数を減らすために、どうしても専門用語を使わざるを得ないので、その点はごめんなさい。


ストーマパウチのフィルムは、多層構造(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、EVOH、ナイロン、非晶質PETなどを組み合わせて積層したもの)が一般的です。
それは、便の臭いが透過するのを防ぐガスバリア性と、パウチを成形加工するためのヒートシール性を両立するためです。


さて、ストーマパウチのフィルムの作り方で考えられるのは、複数の樹脂を溶融して押出して多層フィルムを成形するキャスト製法、数種類のフィルムを重ねて貼り合わせるラミネーティング製法があります。

ストーマパウチに使われるフィルムで特性上問題になる不良は、ピンホール、フィッシュアイ、層間剥離(デラミネーション)です。
そして、これら不良がストーマパウチにあってもぱっと見ではわかりません。
なんだけど、便が漏れ出すことはないので、致命的ではありません。
例えばバリア層(例えばEVOHとナイロン積層)はガスや液体の透過を防ぎ、ピンホール耐性があって、便の漏れに至る可能性は極めて低いです。
フィッシュアイがある場合、見た目や局部的な厚みのムラに影響しますが、多層構造だと他の層が補強するので、強度やバリア性への実質的な影響はほとんどありません。

多層フィルム構造なので、どれか1層に不良があっても便が漏れることはありません。
また、欠点検出装置などで製造管理も適切に行われています。


一番ありえるのが、ストーマ装具製造段階でのヒートシール(フィルムどうしを熱で溶かして貼り合わせている部分)不良です。
ヒートシールの位置ずれや異物の挟み込み、ヒートシーラー温度が不十分で接着が弱い、シーラープレートの当たりが強すぎてピンホールやマイクロリークができる、など。
通常は、製造ラインの自動カメラ検査装置や工程内検査などで管理されているので、不良品は検知排出されて最終製品に紛れこむことはほぼほぼありません。
ただし、不慣れな作業員が製造ラインに入っちゃうと、不良品が市場に流出することもあり得ます。


ストーマ装具の使用前に不良品を見つけた場合にはどうしたらいいのでしょうか?
必ず、製造元や販売元に連絡を入れてください。
そうしないと、メーカーでの製造改善ができません。

以下に対応手順の例を説明します。

使用前に不良品を見つけた場合、購入した代理店か販売元・製造元の日本法人のどちらかに、電話やメール、ホームページのお問い合わせなどから連絡します。
伝える内容は次のとおりなので、連絡前に確認しておきます。

  • 不良発生状況やその内容
    (例)ツーピース装具の面板側の勘合部が溶融変形していて、パウチ側と嵌め合わせができないものが一つだけ混入していた。 未使用なので、この1つを正常品に交換してほしい。 写真をメールで送信することも可能です。
  • 製品番号、製品名
    (例)製品番号23456、カイテキソーグ2
  • 製品のロット番号、有効期限
    (例)LOT 3A204、EXP 2028-10-01
  • 購入店名
    (例)株式会社KenUメディカル
  • 名前
  • メールアドレス
  • 電話番号

すると、電話またはメールで回答がくるので、自宅の住所を返信します。
後日、代品と不良品返送用の箱と返送用の着払い伝票が自宅に送られてきます。
返送用の箱に不良品を入れて封をし、着払い伝票を貼付して、配送業者に集荷依頼をして、返送すれば完了です。

【注意】使用済み製品は絶対に返送しないでください。また、メーカー名や製品名を具体的にインターネット上に公開しないようにしましょう(名誉毀損(刑法230条)や信用毀損(刑法233条)に該当する場合もあり、ユーザーもメーカーも得をしません)。

ちょっと手間ですが、実費はかかりませんし、未使用であれば泣き寝入りする必要はありません。


インターネットでストーマ装具の不良品について検索してみると…
結構、公開されちゃってますね(笑
そのうち、写真付きで紹介されていて気になるものを見つけたので、私の見解を述べます。


上写真の白い丸で囲った部分のフィルムが裂けて、そこから臭いが漏れるというものです。
便が漏れたとは書かれていません。
しかし、その部分のフィルムが裂けることは材質から考えてあり得ません。

表側から見ると、パウチのフィルムで覆われていて、内側に消臭ガス抜きフィルターの部材がヒートシールで融着されています。


パウチを切り開いて裏側から見ると、それがはっきりとわかります。


メーカーの構造説明でもそのようになっています。


フィルターを引き剥がそうとしても、しっかりと融着されていて剥がすことはできません。
なので、ヒートシールの内側からはさみでフィルターを切り取ってみました。


消臭ガス抜きフィルターは、数日使用すると悪臭の吸着限界に達して、臭いは漏れるようになります。
また、吸着しやすい臭いと吸着しにくい臭いもあるので、臭い漏れの強さは食べ物の影響を受けます。


そして、思いっきりフィルムをひっぱってみましたが、裂けることはなく、塑性変形を伴ってわずかに延伸するだけでした。

もし、この構造のフィルターから便が漏れるようであれば、半透性膜部分のやぶれまたはヒートシール不良、か、フィルター部材自体のヒートシール不良が考えられます。
そこをよく観察するとよいでしょう。


その他に、面板に白い円形状の部分があった、というもの。
ブログサイトの写真を見ていてよくわからないのが、面板とライナー(剥離フィルム)の間に気泡が噛みこんでいるだけなのか、面板の皮膚保護剤がその部分だけ欠損しているのか、ということです。
もし、皮膚保護剤が欠損していたのであれば、使用せずに返品してください。
メーカーで原因究明し製造改善につながります。


以上、ストーマ装具の不良品について書きました。
不良品にあたったときに、怒る気持ちは分かります。
しかし、冷静になってメーカーに改善を促す態度をとるほうが、ユーザーもメーカーも有利です。
また、過剰な要求も控えるべきです。
最近ではカスハラも問題視されていますから、気を付けた方がよいでしょう。


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