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2008年10月から 体力増強作戦 で、筋トレや水泳を始めて、そしてプロテインをたまに飲み始めました。
老化に伴う筋肉の減少にも有効だそうです。
いろいろある製品の中で、あまり深く考えずに”DNSホエイ100のプロテイン”を飲んでいます。
でも、本当はどこのプロテインがいいの?について考えてみました。
僕はアスリートではないのでビギナー用(初心者用)と言われる比較的価格の安いプロテインしか購入するつもりはないので、つぎの3種類について論理的に論文も交えて科学的に比較してみました。
勝手な意見を色々と述べますが、気に入らくてもむきにならないようにお願いします。
ドーム DNS Protein Whey 100・・・ディーエヌエス プロテインホエイ100 ←DNSサイトリンク
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明治製菓 SAVAS WHEY PROTEIN 100・・・ザバス ホエイプロテイン100 ←ザバスサイトリンク
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森永製菓 Weider WHEY PROTEIN・・・ウイダー ホエイプロテイン ←ウイダーサイトリンク
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目 次
1.成分比較(水に溶かして飲む場合)
2.成分比較(牛乳に溶かして飲む場合)
3.ビタミン摂取について
4.味について
5.結論としてどれがいいの?
6.参考文献
7.コストパフォーマンスについて
8.間違った筋トレ&ダイエット
9.おまけ(調べ切れていない事)
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1.成分比較(水に溶かして飲む場合)
表1 に各メーカー、種々味付けのホエイプロテイン1食分あたりの比較を示しました。
味の違いによって成分量が変わることが分かります。
それぞれ1食分の規定量が違って比較になりませんので、表1 はさらっと流して下さい。
次に、各製品100gあたりに換算したものを表2に示しました。
こうすると比較しやすくなりますよね?
タンパク質が多いのは、ザバス>DNS>ウィダー、
脂質が少ないのは、ウィダー<DNS=ザバス
炭水化物が少ないのは、ザバス<DNS<ウイダー
となります。
エネルギー(熱量)は、kcal=(タンパク質×4)+(脂質×9)+(炭水化物×4) で計算されますが、大きな違いは無いように思います。
*栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等 .. ←エネルギー計算(ファルコライフサイエンスより)
さて、ではここで、、、
なぜプロテインを飲むのか?
欧米人は肉食だが、日本人はお米が主食なので運動して筋肉を作るにはたんぱく質が不足気味になる。
本当は肉を食べればいいのだろうけれども牛ステーキは値段が高いので、それに代わる価格の安い動物性のホエイプロテインを飲んで補ってあげようっ!
というのが理屈と思います。
とすると、メーカー指定の1食分の規定量でいいの? 運動負荷に合わせた蛋白質の補給が必要ですよね?
それで、分かりやすくステーキを基準に考えてみました:)。
国産交雑種牛サーロイン(調理前)のタンパク質含有量は17% (財団法人 日本食肉消費総合センター) なので、少し大きめのサーロインステーキ1枚 240g のタンパク質量は約 40g と計算されます。
では、40gのタンパク質をホエイプロテイン製品で補給しようと思ったら何グラム飲めばいいのか?・・・逆算して表3に示しました。
製品必要量は50~60gということがわかり、特にザバスは製品を溶かすのに使用する水の比率が多いので容量的には沢山(750cc)飲まないといけないということになります。
DNSは、ザバスよりも炭水化物が多めで、ウイダーより脂質は多めですが、1日に1食規定量(33g)を運動後と就寝前の2回飲めばステーキ1枚ちょっと分のタンパク質が摂取できる計算になるのでバランスが良く、商品設計としては優れているのではないかと思います。
価格的には ”DNSプロテインホエイ66g=270円(定価4094円/1kgの場合)” なので、ステーキよりかなり安価にたんぱく質を補給できる計算になります。
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2.成分比較(牛乳に溶かして飲む場合)
水に溶かすと味がまずくて飲みにくいから牛乳に溶かして飲んでいますという人がいます。
※ザバスとウィダーは牛乳に溶かした飲み方も説明しているのでOKだと思います。 DNSは牛乳に溶かして飲むという説明はなく、基本的には水に溶解して摂取します。
しかし、牛乳にもタンパク質は含まれているので、それを考慮して比較してみました。
まず、牛乳100ccあたりの成分を表4に示しました。
牛乳には結構、脂質と炭水化物も含まれていますから、プロテインを牛乳に溶かして飲む人は、プロテイン製品中の脂質・炭水化物量を問題にするのはあまり意味が無いように思います。
*牛乳成分はメーカーや季節で変動します。
ちなみに、牛乳の蛋白質の21.25%がBCAAなので、牛乳200mLには1400mgのBCAAが含まれます。
つぎに、プロテイン製品1食分を牛乳に溶かした場合の成分量の比較を表5に示しました。
ザバスは溶かすのに加える牛乳の量が他製品より多くなっていますから、一食分で比較すると、脂質と炭水化物がDNSよりも高くなり、タンパク質がDNSよりも低くなります。
また、ウイダーは炭水化物も脂質もDNSと同じくらいだけどタンパク質が他よりも少なくなります。
では、240gのサーロインステーキ1枚のタンパク質量を基準にすると、どれだけの製品をどれくらいの牛乳に溶かして飲むことになるのか?・・・水での時と同じように逆算して表6に示しました。
こうしてみると牛乳に溶かして飲む場合には、1日にウイダー1食規定量(20g)をトレーニング後と就寝前の2回飲めばステーキ1枚分のタンパク質(40g)が摂取できる計算になるのでバランスが良く、商品設計としては優れているのではないかと思います。
価格的には ”ウイダーホエイプロテイン40g+牛乳400cc=298円(定価5040円/1kg、牛乳240円/1L)” になります。
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3.ビタミン摂取について
たんぱく質だけでなく、筋肉を作るためにはビタミンの補給も必要と言われていて、ザバスとウイダーにはビタミンが添加されています。表7に1食分のビタミン含有量の比較を示しました。
これは適当な配合なのか?
そこで、ザバス、ウイダーそれぞれ2食分のビタミン、市販ビタミン剤(マルチビタミン)、厚生労働省発表2005年版の”日本人の食事摂取基準a” 、”日本人の食事摂取基準b” を比較してみたものを表8に示しました。
食事からもビタミンが摂取されることを考えると、ウイダーの方がビタミン配合バランスが良いように思います。
一方、市販のビタミン剤はそれだけで1日のビタミン摂取基準を満たしてしまうので、ビタミンが配合されていないDNSのようなプロテインを摂取する場合には、1日にネーチャーメードのマルチビタミン一粒ではなく、1/2粒くらいにしておくのが良いと思います。
ちなみに、ビタミンB2はB1よりも運動時の代謝消費が多いという文献があります。
ネイチャーメードマルチビタミン 大塚製薬
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僕は、脂肪燃焼のためのビタミンB2補給源として、マルチビタミンの代わりにディアナチュラビタミンC+B2,B6をとることもあります。 運動すると免疫力が低下して風邪をひきやすくなるとの話があり、ビタミンCは免疫力を向上させる効果があるとの話もあり、筋トレ後のビタミンCの摂取は良いのでは?と思っているので^^。
それから、ビタミンB群やCなど水溶性ビタミンは、体内に吸収されにくく体外に排泄されやすいので、多少おおめに摂取しても大丈夫なので。
ビタミンADEなど脂溶性ビタミンは体内に吸収されやすく体外に排泄されにくいので、とり過ぎに注意しましょう。
ディアナチュラビタミンC+B2,B6
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4.味について
こればかりは、味覚、好みなど個人差が大き過ぎてなんとも言えません。
Amazonのレビューを見ると同じ製品でも「おいしい」という人もあれば「まずい」という人もいて千差万別。
「レビューで美味しいって書いてあったから買ったのに、飲んでみたら”げろまずぅ~”」みたいなレビューを見かけます。
恐らく、思ったよりもまずくないというレベルを「おいしい」とレビューしているのでは?と思いますし、レビューからどの製品が飲みやすいかを判断するのは難しいと感じます。
プロテインは味わって飲むものではないので、基本的には美味しくないものだと思っておいたほうが良いですし、まずい中にもまあなんとか続けて飲める味付けのものがあるというレベルの商品だと思っておいたほうが無難でしょう。
僕の飲み方はこうです。
・コップに水を入れてプロテインを加えてからスプーンで良くかき混ぜます。
・解けにくいプロテインはスプーンの腹でコップの壁面にこすり付けるようにして溶かします。
・少しくらいダマとか溶け残りがあっても、息を止めてイッキに飲み干します。
・そのまま息を止めたまま、口の中を水道水ですすいで後味を消してから息を吸います。
この方法だと、加える水の量が多いSAVASは辛いかもしれません。
ちなみに、僕はDNSしか飲んだことは無いのですが、美味しい順というかまずさ弱い順(嫌になりにくい順?)は、
マンゴー ≧ バナナ > バニラ ≧ チョコ = ストロベリー (*カフェオレは飲んでない)
ということで、マンゴーが今のところ一番好きです。
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あとから別に飲み比べ記事を書きました。(関連記事「低脂肪乳とかで・・・」参照)
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5.結論としてどれがいいの?
比較の結果、
○ 水で飲むなら、DNSのプロテインホエイ100を2回/日+ビタミン剤
または、
○ 牛乳で飲むなら、ウイダーホエイプロテインを2回/日
がバランスが良いのかなぁ~と個人的には思いました。(関連記事「低脂肪乳とかで・・・」参照)
脂質や炭水化物の含有量がメーカーによって異なりますが、その分は普段の食事の中で充分にコントロールできるレベルの違いにしか過ぎないでしょう。
結局、どんな体格で、トレーニング量はどれくらいで、だからどれくらいのプロテインが必要で、必要カロリーはどれくらいで、どんな食事制限をして、どんな体づくりをしたいのか、などなどを考えて、人それぞれ自分にあったプロテイン、難なく飲み続けられるプロテインを選ぶのが一番良いと考えられます。
どこのプロテインを飲んでも、好きなだけご飯食べてます、ビール飲み放題で~すっ!じゃダメですから。
それから、”美味しいかどうかもわからないし、飲み切れるかどうかも分からないし、いきなり1kgのプロテインを購入するのは不安”という人には、350g入りの商品もありますから、お試しで注文してみるのも良いかも知れません。
DNS プロテインホエイ100 350g
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ウイダーホエイプロテインココア味360g
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6.参考文献
「とにかく高タンパクで低脂肪、低炭水化物のプロテインがいいんだ」と思われている人もいるようですが、文献的にはそうとも言えないようです。
2004~2006年の文献では、タンパク質(アミノ酸)に炭水化物、脂質を加えて摂取したほうが筋肉増大には有効となっています(若者には)。
炭水化物(糖質)を一緒に摂取すると血糖値が上昇してインスリンが分泌されます。インスリンは筋肉の分解を抑制したり、筋肉へアミノ酸を取り込みやすくして筋肉合成を促進する作用があり筋肉増大には効果的とのことです。
また、グルタミンが入っているプロテインが良いと言われているようですが、グルタミンはシステインの血中濃度によって合成が制御され、グルタミンシンセターゼという酵素によってグルタミン酸とアミノ酸の分解によって生じたアンモニアから体内で生合成されるのでシステイン含量の高いホエイプロテインにグルタミンを添加するのはそれほど意味があるようには思えません。筋痙攣を起こすような状況下でのグルタミン投与は効果があるようですが・・・
さらに、人でのグルタミンの経口摂取実験で運動能力の向上には効果がないことが示唆されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9830832 ←論文(英語)
http://hfnet.nih.go.jp/ ←「健康食品」の安全性・有効性情報
下の論文は筋肉増大の参考になるかと思いますので一読される事をお薦めします。
論文→ ”筋肉とアミノ酸 、味の素(株)アミノサイエンス研究所 2004年”
論文→ ”筋肉減少症とホエイプロテインに関する研究報告、アメリカ乳製品輸出協会 2006”
論文(PDF)→ 中村美知子ら; PFC比の異なる食事摂取が空腹感に及ぼす影響―血漿アミノ酸・脂肪酸濃度との関係―, 山梨医大紀要第15巻,35-41(1998)
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7.コストパフォーマンスについて
さて、レビューなどで時々見かけるのが、「どこどこのプロテインが1食当たりの価格が安くてコストパフォーマンスが良い。」という言葉。
パフォーマンスをプロテイン摂取量と考えると、単に1食当たりの価格比較ではなく、1gのプロテイン(タンパク質)摂取量当たりの価格(コスト)を比較するのが正しいと思います。
それを下表にまとめました。
一袋の量が同じならコストパフォーマンスは大しては変わりませんし、一袋の量が増えればコストパフォーマンスは高くなります。
1食当たり価格=1袋価格¥÷(1袋g÷1食g)
タンパク質当たり価格=1袋価格¥÷(一袋g÷1食g×タンパク質)
ということで、購入の仕方や摂取の仕方を工夫し、好みの味のプロテインを選べば、どこのメーカーのプロテインでもたいして変わらないという結論になりました。
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8.間違った筋トレ&ダイエット
筋トレの目的は筋肉をつける。
ダイエットは筋肉をつけて基礎代謝をあげて脂肪を燃焼させて減量する。
ということですが、筋肉をつけることよりも、筋肉を減少させない事が大事になってきます。
間違った筋トレやダイエットでありがちなのは、空きっ腹で運動して体脂肪を減らそうとしている人たち。
実は全くの逆効果で、空腹時の運動はダメで、一番やってはいけないことなのです。
空腹で運動すると、筋肉が分解されて筋肉量が減少してしまいます。なので、筋肉は増大しないことになりますし、脂肪を燃焼させにくい体になってしまいます。6項の参考文献を読んだ方は理解できると思います。
では、どうしたら筋肉の分解を抑制できるのか?
血中のインスリン濃度、アミノ酸濃度をある程度保っている状態で運動すればいいんです。
筋肉分解を抑制したり筋肉へのアミノ酸の取り込みを促進する血中インスリン濃度は、食後45分~1時間で一番高くなり、その後徐々に減少していきます。食事は食後2時間くらいで消化されますが、その過程で血中アミノ酸濃度は食後90分前後で最高値となります。ですから、血中インスリンと血中アミノ酸の両方の濃度が高い、食後90分前後に運動するのが筋トレには一番効果的と考えられます。
また、ホエイプロテインは消化吸収が良く、血中アミノ酸濃度は摂取後30分で最高値になるので、食事の代わりに炭水化物を適度に含むホエイプロテインを摂取すれば、その30分後くらいに筋トレするのが良いと考えられます。
プロテインは不必要に多量に摂取しても筋肉にはならずに脂肪になりますから、どれくらい飲んだら良いかは、関連記事を参考にどうぞ。
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9.おまけ(調べ切れていない事)
ホエイプロテインとカゼインとアミノ酸の吸収性の違い。
色々言われているけど、本当かなぁ?
それぞれの胃内滞留時間の違いと血中アミノ酸濃度の経時変化の研究データどこかに無いかな?
それに、胃内のタンパク質分解酵素(ペプシン)活性とプロテインの分解速度のデータとか。
吸収速度が違ったとして、筋肉合成速度への影響はどうなのかとか。
お金払って科学論文研究データベースにアクセスすればわかるのかな?
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*********** 関連記事 **********
”ダイエットのためのソイプロテインはどれがいい? おすすめは? 比較してみたっ!”
”プロテインはどれだけ飲んだらいい?食事からの摂取たんぱく質量とBCAAを計算!”
”SAVAS (ザバス)のホエイプロテイン製品はどれがいいの? 比較してみたっ!”
”低脂肪乳とかでホエイプロテインのいろいろな飲み方を試してみたっ!”
”ホエイプロテイン戦国時代。ビーレジェンド参入で価格競争へ!?”
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