自分でGショック DWX-100のパッキン(Oリング)交換と電池交換をしてみた。

CASIO(カシオ)の腕時計 G-SHOCK(ジーショック)の電池交換方法を説明しているサイトはいくつかあり、自分で電池交換をする人は沢山いるみたいです。

一方、パッキン交換まで自分でやる人は少なそうです。

それで、私KenUは電池交換とパッキン交換の両方をやってみたので、裏蓋防水パッキン(以下、「パッキン」または「Oリング」)交換を中心に記事にしたいと思います。

その前に、こういう方法でやりましたという紹介であって、防水性能を維持・保障するものではありませんので、貴方のG-SHOCKが浸水したり壊れたりしてもKenUは一切の責任を負いませんということをご了解ください。

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KenUが持っているG-SHOCKは、1998年10月発売の X-treme G-LIDE のDWX-100-4BT(←カシオHPより)というやつで20気圧防水(Water Resistant 20bar : 文字盤にはWR20BARの表示)です。
G-SHOCK DWX-100←パチンコの景品でとった約14年前のものなので電池が切れています。一度も電池交換したことがなく放ったらかしでした。

CASIO腕時計の取扱い説明書は、こちらからダウンロードすることができます。→ http://casio.jp/support/wat/manual/

G-SHOCK DWX-100の操作説明No.は[1978]です。

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まず、時計バンドを外してから、本体ケース裏面にある4箇所のねじを外して裏蓋を開けました。
この時に、後でねじを締める時のことを考えて、ねじの締め具合の強さの感覚を覚えておきます。
最初、電池の外し方がわからなかったので、液晶ムーブメント(簡単に外れる)を取り出して電池押さえの金属枠ごと外してしまいました。
G-SHOCK 裏蓋開け
(※ムーブメントをバラバラにする必要はありません)

ムーブメントを取り外したボディー(ケース)のパッキンの溝やその周囲を湿らせた綿棒などでよく拭取って綺麗にしておきます。

それで、交換するパッキンのサイズがわからなかったのでノギスで計ると・・・
G-SHOCK Oリング測定
パッキンの溝は内径34mm・外径36mmで、はまっていたOリングの断面は幅0.85mm、厚み0.75mmの楕円形でした。
Oリングが扁平になっていますが、圧縮状態のまま長時間使用されると塑性変形(ヘタリ)を生じるからです。 圧縮応力を完全に除去した後も残存する変形(ひずみ)のことを”圧縮永久ひずみ”と言います。

変形したOリングの断面積を計算すると、0.85/2*0.75/2*π=0.500mm2 となり、
この数値から正円換算の直径を求めると、(0.500/π)^(1/2)*2=0.798mmとなるので、
厚み0.8mmのOリングが圧縮永久ひずみを生じたものと考えました。

※円形以外のパッキンのG-SHOCKに、円形のパッキンを無理やりはめてみたい場合のサイズの求め方は、パッキンの溝に糸(密着するようにグリス等を塗って)をはめてみて、糸の長さ(L)を測定して L÷π で円形の直径換算値を計算すればいいのでは?と思います。π=3.14

このことから、厚み0.8mm × 内径34mmの裏ぶたパッキン(5本入)とOリングに塗布するシリコングリスSEIKO TSF-451とを合わせて、有限会社中村時計材料店(←参照リンク: 時計部品→各種パッキンをクリック)から、パッキン315円+シリコングリス315円+送料180円+ATM振込み手数料315円=合計1125円で購入しました。
シリコングリス パッキン他 工具
その他に、バンドを外す時は精密ドライバ(-)を使いましたが、取り付けの時は難しそうだったので時計バンドピン外しを358円で、マイナスの精密ドライバでは電池押さえを外せなかったので、それ用に先端が細かく尖った超精密用ピンセットを1,080円で、交換用電池CR2016を298円で、ホームセンターで購入してきました(合計1,736円)。

その他にも、チャック付きポリエチレン(PE)袋100円、乾燥剤(シリカゲル)500円、使い捨てポリ手袋300円、が必要ですが、家にあるものを使用しました。

材料費は、これにノギス1200円(精度必要なのでダイソー品はダメ)、精密ドライバ(ダイソー100円)を合わせると、全部で5000円くらいです。

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さて、材料が全て揃ったので、いよいよ交換作業です。

DWX-100の電池押さえの爪部分に精密ドライバーが入らなかったので、KenUは超精密用ピンセットを使用しました。 爪の部分に差込んで、手前にクイッとして外しました。

CASIO G-SHOCK DWX-100 Battery交換説明←掃除前の写真

古い電池はピンセットでつまんで取り出し、新しい電池は指で電池側面をつまんで取り付け、電池押さえをパチンとはめ込んでおしまいです。

分かりにくいでしょうから、電池押さえの外し方は他のサイトも参考にして見て下さい^^; こことか(参照リンク)→ G-Shock実験室

電池押さえには、”After battery replacement, contact AC with battery(+) using tweezers.”と書かれたシールが貼ってありました。
翻訳すると、「バッテリーを交換したら、AC接点(ACと書いてある)と電池のプラス側をピンセットで短絡(ショート)させてリセットしてください。」ということです。

G-SHOCK パッキン周りふき取り
電池を交換したら、もう一度、パッキンはめ込み部の溝を湿らせた綿棒できれいに拭き取ります。
その時に、綿くずや目に見えるほこりが付着しないように注意します。

両手に使い捨てポリエチレン製手袋をはめて、シリコングリースを少し指先につけて、Oリングにこすり付けるようにして、シリコングリースを薄く延ばしながらまんべんなく塗ります。
けっして綿棒に付けて塗らないように。綿棒の糸くずがシリコングリースと一緒にパッキンについてしまうと防水性はアウトです。
パッキンにシリコングリス塗布
このシリコングリースは動粘度が500,000CS(センチストークス)もあり、けっこう硬くて粘りがあります。水あめのようです。

ピンセットでOリングを傷つけないように、優しくパッキンの溝にはめ込みます。(サイズぴったりでした。)
G-SHOCK パッキン装着

続いて、ショックアブソーブ用ラバーを丁寧にかぶせます。
G-SHOCK ショックアブソーバ装着

次にパッキンやショックアブソーバーがずれないようにそっと裏蓋を乗せ、ねじを緩く締めて、裏蓋は浮かせたままにしておきます。

裏蓋は、あらかじめ錆び予防のためにシリコングリースを塗り広げてから、乾いた布でよく拭取り、表層に薄い膜を作っておきます。
G-SHOCK 裏蓋ねじ仮留め

ネジはゆるめておきます。
G-SHOCK 裏蓋ねじ浮かす

パッキンとショックアブソーバーがずれないようにそっと、乾燥剤(シリカゲル)が入ったチャック付きポリエチレン袋に入れて、そのまま一晩放置します。
空気は多少の水分(水蒸気)を含んでいるので、時計内部に入り込んだ水蒸気を乾燥させて減少させるのが目的です。
それで、ネジをきっちりと締めずに裏蓋を浮かせておいた訳です。
G-SHOCK 乾燥

翌日、裏蓋を指で押しつけたまま、チャック袋の上からそのまま、ドライバーで4箇所のねじを対角線上に均等に少しずつ締めていきます。
ネジのところの袋を突き破っても構いません。
ただし、せっかく時計内部を乾燥させたので、裏蓋を浮かさないように注意しながら作業します。
ネジは強く締め過ぎないように注意します。ネジを緩めた時の強さくらいに締めたつもりです。
G-SHOCK 裏蓋ねじ締め

裏蓋をきちんと閉めたら、初期水分テストをします。

腕時計窓の上にしばらく氷を乗せておきます。
窓の内側が結露して曇らなければ、時計内部の水分は減少しています。外側のくもりと間違わないように観察します。
窓の内側が曇った場合でも、すぐにくもりが消えれば問題ありません。
関連記事: 10気圧防水(W.R.100mまたは10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?
G-SHOCK 水分テスト
全く、くもりませんでした。

乾燥状態が確認できたので、時計バンドピン外しを使ってバンドを取り付けて完了です。
G-SHOCK ベルト取付

裏蓋がねじ止め式ではなく、スクリューバック(フタごとねじ込んで閉じるタイプ)の場合には、時計を固定する台と、スクリューバックオープナーが必要です。 レビューを見るとAmazonで販売している安価な物は中国製の粗悪品らしいです。

でも、きちんとしたメーカーの良い物は高いです。↓
ベルジョン(BERGEON)No.2819-4 3点式オープナー ←参照リンク
セイコー(SEIKO) S-212 万能ケースホルダー ←参照リンク

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さて今回、新品の裏蓋パッキン(Oリング)に交換しましたが、実はこれでは防水性の保障は出来ません。

それは何故か?

腕時計は、工場では空気の清浄度クラス1,000というホコリの少ない環境のクリーンルームで組立てられますが、事務所の空気の清浄度はクラス1,000,000であり非常にホコリが多いからです(クラス1,000の1,000倍)。
空気清浄度クラス参考(株式会社ホクト総研HPより)→ http://www.hokuto-sk.co.jp/cleanroom/cleanroom1.html

部屋を真っ暗にして、懐中電灯をつけて光源近くをよく見てみて下さい。
ほーら、たくさんの埃が飛んでいるのが見えるでしょ?

防水パッキンと本体や裏蓋との間に大きなほこりが噛み込めば、隙間が出来て防水性は失われるというのは理解できますよね?
一般住宅の室内にはこんな ↓ 埃が飛んでいます。
iPhone上に落ちたホコリ←iPhone4S上の埃

これ ↓ は、家でiPhone4Sに保護フィルムを貼ったものですが、フィルムと本体の間にホコリが挟まって気泡ができています。
iphone 保護フィルム気泡←iPhone4S保護フィルムの気泡
そうなんです。ホコリがはさまるとこんなに隙間が出来ちゃうんです。
腕時計のパッキンが新品でもほこりが挟まったら防水性が保てないのも当たり前です。

埃は目で見えない場合が多く、パッキンにどれくらい挟まっているか確認できないので、運よくホコリがはさまっていなければ防水性能は保てるでしょう。

ということで、もしご自分でパッキン交換をしても、防水効果はあまり期待しないほうが良いかも知れません。
街の時計屋さんにパッキン交換をお願いしてもクリーンルームなど無いですから一緒です。
だから防水腕時計の電池交換は、メーカーでのパッキン交換と防水テストが必要なのでしょう。

そう考えると、オークション(中古)のG-SHOCKは要注意です。
CASIOに依頼せずに、自分で電池交換だけして防水性を低下させたものを出品している人がほとんどだと思います。 オークションで購入した中古のG-SHOCKは水に漬けたら水没する可能性があると思っておいたほうが良いでしょう。

埃の無いクリーン環境を作りたい人→ 簡易型クリーンブース
←Amazonで見てみる。AI型 3-4055-11

CASIO『プレミアムブランド専用修理サービス』(←参照リンク)
全ての試験や作業は、時計技能検定(国家資格)を取得した専任技術者が、クリーンベンチを用いたクリーンルームと同等の空気清浄度を確保した環境で行います。

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一応、お風呂で防水テストも行いました。
湯船の中で「これでもかっ!これでもかぁ~」というくらいに激しく腕を振ったり、湯面にたたきつけました(笑。
これでかかる圧力は、0.1気圧(0.1bar)くらいです。
関連記事: 10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?

その後は、腕から外して、浴槽の底に20分程度沈めておきました。※防水性能低下の原因であるせっけん、シャンプーを付けないように。
G-SHOCK 風呂浸漬テスト
お風呂上りに、氷での水分確認テストを行ったところ、復活したマイG-SHOCKの窓はまったく曇りませんでした。

以上、最低0.1気圧防水(0.1BAR防水、1m防水)性能はクリアーです^^。

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その後も何度もお風呂での防水テストを繰り返し、それから、約5ヶ月後(2013.10.6)・・・

G-SHOCKパッキン交換くもりテスト
1. 氷で窓を冷却 → 2. 窓内側曇り10:34 → 3. 10:36 → 4. 10:38くもり消失

若干くもり方が激しいですが、すぐに自然に曇りが消えるレベルなので、日常生活上は全く問題ないと思います。
少し水分が入り内部の湿度が少し高くなったようです。
パッキンを交換したとは言え、クリーンルームもなしで素人メンテナンスなので防水性はこんなもんでしょう。 20気圧防水機能が欲しい人は、CASIO に出しましょう!

ボタンのところの防水性をメンテナンス出来ないので、そこからの水分侵入の可能性もあるかも知れません。
もう一度裏蓋を開いて、ボタンの可動部分にもシリコングリスを塗布して、シリカゲル袋に入れて内部を乾燥させて、裏蓋を締め込み直しました(翌日2013.10.7)。

G-SHOCKパッキン交換くもりテスト
1. 氷で窓を冷却 17:43 → 2. 全く曇らず17:46

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[2015/09]
あれから、2年4か月。
いまだに正常に動いています。
最近では、大自二教習のときに使用しています。

G-SHOCK DWX-100 20150921

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[2017/08/14追加]
はじめてのパッキン交換・電池交換から4年3か月が経過。
先月に電池が切れたので、昨日、2度目のパッキン交換・電池交換を実施しました。

液晶のバックライトもしっかり点灯します。

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SEIKO シリコングリスTSF-451
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ANEX 時計バンドピン外し工具 No.67
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防水式腕時計用 スクリューバックオープナー+時計固定台
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************** 関連記事 **************

腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。

10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?

10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?

10気圧防水(W.R.100mまたは10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?

10気圧防水(W.R.100m or 10Bar)腕時計は何m(メートル)まで潜れるの?

日常生活用防水(3気圧防水、W.R.3bar)腕時計を風呂に沈めてみた。

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日常生活用防水(3気圧防水、W.R.3bar)腕時計を風呂に沈めてみた。

さて、これまで、
10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?
10気圧防水(W.R.100m または10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?
10気圧防水(W.R.100m or 10Bar)腕時計は何m(メートル)まで潜れるの?
という記事を書き、そこでは10気圧防水腕時計にかかる種々の負荷を理論的に検証しました。

それで、それらの理論を総合的に考えてみると、「手洗いや洗顔などのときには使用せず、普段からせっけん、シャンプー、洗剤等の界面活性剤に触れさせなければ、日常生活用防水(3気圧防水※1)でも風呂に沈めて腕を振るくらいどうってことないでしょ。」と考えるに至りました^^。

※1:日本時計協会ほか国内メーカーでは「日常生活での汗や洗顔のときの水滴、雨などに耐えられるものです」と説明されています。

ということで、今回実験するために、ホームセンターに行って腕時計を購入してまいりました(笑

jaxis 日常生活用防水腕時計jaxis 日常生活用防水腕時計jaxis Watch case back

J-AXIS、日本製ムーブメント搭載(時計組立て:中国)、バッテリー持続4年、逆回転防止ベゼル、ウレタン風塩化ビニルバンド(たぶん)、ダイバーズウォッチタイプ、日常生活用防水(3気圧防水、Water Resistant 3Bar、Water Resistant 30m)、980円。

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では実験の前に注意事項ですが・・・

3気圧防水腕時計をお風呂に入れても大丈夫ということを保障するための実験ではありません。決してマネをしないようにお願いします。腕時計の取扱いはメーカーの取扱説明書に従って下さい。もしマネをされて貴方の腕時計が浸水したとしてもKenUは一切の責任を負いません。

という事をご了解ください。

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はい、お風呂に入れてみました。
そして、お湯の中で腕もガンガン振ってみたり、思いっきり湯面に叩きつけたり、湯中で激しく振り回したりしました。 全く問題ありません。 そんなことをしてもかかる圧力は0.1気圧程度ですから。

jaxis WR3bar Watch を風呂に入れる

jaxis WR3bar Watch 風呂たたきつけ

ただし、洗顔、洗髪、ボディーウォッシュの時には、防水性能を低下させる原因となる石鹸・シャンプー等の洗剤(界面活性剤)が腕時計に付着しないようにするために、腕から外して湯船の底に沈めておきました。
jaxis WR3bar Watch 風呂

入浴時間はおよそ20分。

当たり前ですが、理論どおり浸水(水没)しませんでした。

一応、以前の記事と同様に、氷令で腕時計窓内側に結露が生じるかどうかを確かめました。

窓を氷で冷却(※時計中に湿気があると、これで窓の内側がくもる)
jaxis 窓氷冷

窓の内側にくもりは生じなかったことから、この時計は湿度の低いところで組立てられた事が予想され、また入浴実験によって浸水していないことが確かめられました。
jaxis 窓結露なし

さて、入浴後の腕時計の処置は、錆びが生じると防水性能に特に悪影響を及ぼすので、水気を良く拭取り室温で乾燥させます。安価な時計は、錆びの生じやすい安価なステンレス鋼が使用されているらしいです。

それで注意したほうが良い事があるので、他で書いた記事を下にコピペします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”それと、「日常生活用防水腕時計は水洗いせず、ウェットティッシュで拭くと良い・・・」などと言う人がいますが、これ最悪な行為です。それは何故か・・・

ウェットティッシュには腕時計に悪影響を及ぼす沢山の成分が入っているからなんです。

・エタノール(アルコール):水よりもかなり表面張力が低いので防水パッキン内への浸透性が高い。他の成分も一緒に浸透させてしまう。時計を劣化させる有機溶剤でありメーカーサポート(←リンク)でも使用しないように注意あり。
・塩化ベンザルコニウム:陽イオン界面活性剤であり、時計内部への水分浸透性を高め、またそれ自身に金属腐食性がある。
・グリセリンまたはプロピレングリコール:吸湿性あり(乾燥しにくく他物質と合わさり時計の腐食を促進)
・メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル):軽度の皮膚刺激性あり(MSDSより)
・塩化ナトリウム:金属腐食性あり

はい、もうお分かりですね。防水パッキンを痛めたり、時計内部への水分浸透を助けたり、時計を錆びやすくして、防水性を低下させる成分でいっぱいなんです。 ですから、ウェットティッシュでふくよりも水洗いしたほうがましなんです。”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それから、冒頭で「3気圧防水は汗に耐えられるものです。」と言われていると書きましたが、しかし汗は塩分を含むので、水分が蒸発すると塩濃度が高くなり防水パッキン界面に塩の結晶が析出し、それが時計の錆びを促進して防水性を低下させる大きな原因の一つになっていると思われるので、「汗がたくさん時計についた時には、水に浸漬して洗い流したほうが長持ちするのではないか?」と私KenUは考えています。
だって、3気圧防水時計の規格試験では水中で3気圧の水圧をかけて10分間保持しても耐えられるものなんだから。

しかし、一つ注意があります。
それは、ネット上の情報から推測すると、いい加減で時計の防水に関して無知な時計屋さんで電池交換した場合には、水に浸漬しないほうがよいということです。

なぜなら、裏蓋を空けて電池交換だけして、状態お構いなしに、パッキン(Oリング)がよじれようがなにしようが、パッキンにほこりが付着しようが、そのまま裏蓋を閉じるので、防水性は極端に低下する確率が高いと考えられるからです。

大切な日常生活用防水時計は、クリーンブース内等でほこりの浮遊が少ない清浄環境下で、シリコングリースを塗布した新品の防水パッキンに交換してくれる、親切で知識と技術力のある時計屋さんに持ち込みましょう。そういう時計屋さんがなかったらメーカーサポートに出しましょう。

後日、自分でこんな事もやってみました。
自分でG-SHOCK DWX-100のパッキン(Oリング)交換と電池交換をしてみた。

*

ところで、J-AXIS Watchの防水チャート(下表)では、見ての通り日本時計協会やSEIKO等の国内メーカー、海外腕時計メーカーが示す防水性能よりも防水表示に対する適用範囲が狭く防水性能的には低くなっています。

理由としては、安価な部品使用のため耐久性が劣るからだと思います。

jaxis watch 防水チャート

それから、日常生活用防水腕時計の雨の中での使用に関しては、過去記事”10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?”で雨の圧力を計算したりして説明しています。

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以上、これからも毎日風呂に入れて何日目に浸水するか実験を続けたいと思います。

浸水したら、このブログを更新してお知らせします。

*

[2016/11/12追加]
2013年4月6日にこの記事を書きましたから、3年7か月が経過しました。

そして、この記事の時計は、ずーっとお風呂場に置きっぱなしで、入浴時に浴槽に沈めていましたが、やっと停止しました。
なお、せっけん、シャンプーには触れないようにしていました。

電池寿命は4年ですから、電池切れになったものと思われます。

でも一応、浸水による故障ということも考えられるので、確認してみました。

jaxis時計3年6か月後停止時氷結露テスト

jaxis時計3年6か月後停止時内部親水なし

氷で冷やしたときに窓の内側に結露は見られなかったので、浸水していないことがわかりました。

裏ぶたも開いてみます。
中に水が入った様子や錆びなどは全く見られません。

jaxis時計3年6か月後停止時裏蓋開け

やはり、故障ではなく、電池切れだったようです。

そして、裏蓋のはまっていたパッキンをそーっと外してみると・・・

jaxis時計3年6か月後停止時パッキン

ところどころ、弱い力で簡単にちぎれてしまいました。
でも、長さが一番長く残ったパッキンを引っ張ってみると、一応伸び縮みして弾力性は残っていました。
部分的に弱くなったようです。

ということで、時計屋さんで電池交換すると、このようなことが起こるので、時計の防水性が失われることになります。
これで防水時計が浸水する理由がはっきりしましたね。
そして、防水性を維持したいのであれば、メーカーでの定期的なパッキン交換などのメンテナンスを怠らないようにすることが必要です。

やっと、腕時計の防水性に関する記事が完結しました。
本当に長かったです。

10気圧防水(W.R.100m or 10Bar)腕時計は何m(メートル)まで潜れるの?

さて、 ” 10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?”という記事の中で、「10気圧防水腕時計は何メートルまで潜れるの? という質問は意味がありません。」と書きました。

しかし、”10気圧防水腕時計を水深100mの水中にドボンと沈めると浸水して壊れる” とか ”ゆっくり沈めて10気圧” などと、よく意味が分からないことを書いているサイトもあり、きちんと自分で調べて考えてみる事にしました。

そして、ドボンと沈めようが、ゆっくり沈めようが、潜水艦にくくりつけて早く沈めようが、10気圧防水時計の防水性にはほとんど関係がない、ということを科学的に説明したいと思います。

*

10気圧というのはおよそ水深100mの水圧に相当するというのは良いですよね?
細かい説明は面倒なので、JIS B7021:2013 付属書A(A.2物理学の概念)を読んで下さい。

淡水と海水、極と赤道における重力加速度の違いはあるが・・・±2%に収まるので・・・と説明されています。

水深100mでは実際には大気圧(1気圧)が加わって11気圧の絶対圧がかかるので、10気圧防水腕時計の耐圧水深は大気圧分を引いた90mと思われそうですが、防水規格試験はゲージ圧(大気中での無加圧時の圧力計のメモリがゼロを示す)で行われ、「浸水の深さに比例して水によって加わる圧力(加圧力)で明示する。」ということから、10気圧防水腕時計の耐圧水深は100mになります。

静止している水の水圧は、
P=ρgh (※ρ:水の密度、g:重力加速度、h:水深)
で求める事ができます。
そして、水深と加圧力の関係を計算して表にしてみました。

水深と水圧(加圧力)

※海水の密度は、温度、塩分、圧力によって変化しますが、ここでは密度一定として計算しました。→参照リンク http://www.littlewaves.info/marine/wq_density.htm

はいっ、真水と海水で若干の違いはありますが、水深100mはほぼ10気圧です。

*

次に、100mまでドボンと海中に沈めた時の腕時計にかかる動圧を計算してみます。

腕時計を海にドボンと沈めても、沈んでいく速度は一定になります。
これを終末沈降速度といいます。
で、その速度を計算します。

計算の便宜上、KenUの10気圧防水時計(重量145g、体積32cm3 ※1)を球体とみなします。
※1 : 計量カップに水を入れて、時計を沈めた時に増えた目盛りで測定。

腕時計の重量と体積から、球体とみなした際の直径と密度を計算します。
直径(d)=(32/4*3/π)^(1/3)*2/100=0.0394[m]
密度(Ps)=145/32*1000=4531[kg/m3]

その他、計算に必要なパラメータとして、
海水の密度(Pf)=1027[kg/m3](※温度は10℃を想定→気象庁HPリンク)
重力加速度(g)=9.80665[m/s2]
レイノルズ数500<Re<10^5の場合のCd値=0.44
を使います。

終末速度は、
v=√4/3Cd*((Ps-Pf)g/Pf)*d
で計算され、

腕時計海中沈降終末速度計算.jpg

KenUの腕時計を海にドボンと沈めると、毎秒2.0mの速度、つまり時速7.2kmの速度で沈んで行きます。

この沈降速度から、腕時計にかかる動圧(Pv)を計算すると、
Pv=1/2*1027*2.0^2=2051Pa(パスカル)、気圧に換算すると0.025atm(約0.03気圧)。

さらに、日本南方海域の海流(気象庁HPより)は早いところで3ノット程度(1ノットは約1.8km/h)なので、海流によってかかる動圧は、
Pv=1/2*1027*(3*1800/3600)^2=1155Pa、気圧に換算すると0.011atm(約0.01気圧)。

ということで、腕時計をドボンと海中に入れ、海中でゆらゆらしながら沈んで行って水深100m地点でかかる水圧は、沈降の動圧+海流の動圧=0.04気圧が加わってもほとんどかわらないということになります。

ちなみに、動圧が10気圧になる速度を逆算すると、時速158.9Kmです。

*

では、潜水艦の速度はどれくらいなのでしょうか?

アルファ型原子力潜水艦の最高速力は、水上14kt(26km/h)、水中43kt(80km/h)です(Wikipediaより)。
じゃあ、時速80kmで沈降した場合の動圧は・・・
Pv=1/2*1027*22.2^2=253580Pa、気圧に換算すると2.5atm(約2.5気圧)。
さすがにこの速度で100mまで潜ったら12.5気圧になるので、10気圧防水時計の耐水圧を超えます。
でも、時速80kmで水深75mまで潜っても10気圧です。

*

ついでに、製造上の性能規格と設計上の性能規格について考えてみました。

どんな製品でも製造するときには、必ず品質ばらつきが生じます。 下に図を示しました。
例えば、設計性能規格を10気圧防水としてそのまま製造したとすると、製造ばらつきがあるので図中青線のように、製造した半数もの製品が10気圧防水性能を満足しない不良品になってしまいます。

防水腕時計の設計防水規格性能と製造ばらつき

なので、製造ばらつきが生じてもほとんど全ての製品が規格を満足するように、設計上の性能規格は高めに設定されます。例えば、図中赤線のように設計上の規格性能は11気圧防水だけど、製造上の性能規格は10気圧防水なので、販売する時は”10気圧防水”とする訳です。

また、製造上の品質ばらつきを抑える能力(工程能力)は、部品のばらつき、製造装置のばらつき、作業者のばらつき等いろいろな要因より決まってくるので、ばらつきの大きさは製品毎やメーカー毎で様々です。
工程能力が低い場合には、図中灰色線のように設計上の性能規格をもっと上げる必要があるでしょう。
ですから、10気圧防水腕時計でも、実際には12気圧防水性能があるのかも知れません。

また、本当は20気圧防水時計を設計したつもりが、製造ばらつきで19気圧防水性能しか出せなかったので、仕方が無く”10気圧防水”として販売している物もあるかも知れません。

よって、10気圧防水腕時計は表示規格の性能よりもかなり余裕をもって設計製造されているのは間違い無いと思うので、「10気圧防水腕時計を水深100mの水中にドボンと沈めると浸水する」ようなことは無いと考えられます。

ちなみに、10気圧防水腕時計のJIS規格試験は、1分以内で10barまで加圧して10分間保持した後、1分以内に大気圧まで戻します。ドボンと沈めた場合には、先の計算から、100mまで約36秒で沈みます。

*

ということで、”10気圧防水腕時計は最低100mまで最低10分間潜れる”という結論に達しました。

※時計は潜れても、人は素もぐりでそんなに深く潜れませんからね。

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じゃあ、10気圧防水(Warer Resistant 100m)じゃなくて、ダイバーズウォッチの100m潜水防水(Diver’s 100m)腕時計だったら?
ダイバーズウォッチのJIS規格試験は、1分以内で1.25倍の圧力(100m潜水防水の場合は12.5bar)まで加圧して1時間保持した後、1分以内に0.3barまで戻します。

ですから、”100m潜水防水腕時計は最低125mまで最低1時間潜れる”という結論になるでしょう。

※時計は潜れても、人はスクーバダイビングでそんなに深く潜れませんからね。

いつも危険と隣り合わせ、潜水士が挑む海中の世界 ←朝日新聞DIGITALより

*

ここで、別の考え方もしてみます。

日本時計協会とその会員時計メーカーは、保障上の観点からダイバーズウォッチ(潜水用防水腕時計)は「表示されている水深(例:100m)までの耐圧性と長時間の水中使用に耐える防水性を備えています。」と説明しています。

先ほども説明しましたが、ダイバーズウォッチは表示mの1.25倍の圧力で1時間の防水テストを行うと。

これを10気圧防水に当てはめて逆算すると【100m÷1.25=80m】となり、理屈上は「10気圧防水は、80mまでの素潜りでの水中使用に耐える防水性」ということになります。

************** 関連記事 **************

腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。

10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる?

10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?

10気圧防水(W.R.100mまたは10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?

日常生活用防水(3気圧防水、W.R.3bar)腕時計を風呂に沈めてみた。

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10気圧防水(W.R.100m または10bar)腕時計でお風呂はダメ?その根拠本当?

さて、 ” 10Bar,10気圧防水(Water Resistant 100m)時計で水泳できる? “という記事を以前に書きましたが、では、10気圧防水以上の防水腕時計をつけたままお風呂に入っても大丈夫なのか?について考えてみました。

それというのも、ネット上でその様な質問に対して「大丈夫」派と「ダメ」派の回答が存在する事と、またその回答の根拠が不明だったり、いいかげんだったり、非科学的だったり、感覚的だけであったり、疑問のあるものが多数を占めていると感じたからです。

それで、面白そうだったので私KenUが理由や根拠をきちんと調べてみました。
その結果から、個人的な見解を示してみたいと思います。

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目 次

ダメ派理由
・その1「お風呂の熱で時計の防水パッキンが劣化して防水性能が低下する?」
・その2「お風呂の熱で防水パッキンやステンレスが膨張して防水機能が失われる?」
・その3「お風呂場には水蒸気が充満していて、水蒸気が浸入してしまう?」
・その4「お風呂の熱で内部の時計用機械油が揮発、拡散する?」
・その5「シャワーの圧力が高くて、10気圧防水では耐えられない?」
・その6「お風呂から上がって時計が急激に冷えた場合に結露が生じるから?」
・その7「風呂から上がって冷えた時に腕時計内部の空気が収縮して水蒸気を吸い込む?」
・その8「お風呂の温度(40℃前後)で時計が壊れる?」

本当のダメな理由
・その9「せっけんやシャンプーが防水性能を低下させる?」

大丈夫派理由
・そのイ「体温が37℃、風呂が40℃で、3℃しか違わないから大丈夫?」

・その他「温泉は?サウナは?」
・最後に・・・

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*
まずは、ネット上でダメと言われている理由について検証します。
ここでは前提条件として、普段の腕時計の平均的温度を 25℃、お風呂に入れたときの温度を 40℃ とします。

※腕時計使用時の年平均温度は24℃という論文もあります。→ 橋本行弘(第二精工舎);使用時の腕時計温度について、日本時計学会誌 (27), 24-33, 1963-09-15

※平均お風呂設定41℃(実温はそれより低いと予想される)→ ニッポンのお風呂事情調査結果、株式会社ウェザーニューズ提供

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その1「お風呂の熱で時計の防水パッキンが劣化して防水性能が低下する?」

腕時計の防水パッキン(Oリング:オーリング)にはゴムやプラスティックが使用されていて、それらはいわゆる化学物質です。

ゴムの耐熱性は、”耐熱限界温度”と物性を損なわずに連続使用が可能な”耐熱安全温度”の2つに分けて考えられます。
そして、例えばNBRゴムの耐熱限界温度は120℃、耐熱安全温度は、80~100℃であり、お風呂の40℃前後での使用では全く問題ありません。
ゴムの耐熱性とUL規格→ http://www.kyowakg.com/tech/netsu/netsu.html

劣化についてはアレニウス式で予測するのが一般的です。
[アレニウス式:k=Aexp{E/RT} k:反応速度定数 A:頻度因子 E:活性化エネルギー R:気体定数 T:温度]

例えば医薬品の場合の25℃ 3年の有効期間は、40℃ 6ヶ月の加速試験にて予測します。
製剤機械技術学会 Q&Aコーナー→ http://www.seikiken.or.jp/faq/faq02.html#2.9

なので、腕時計をしたまま1年間(365日)毎日30分間40℃のお風呂につかったとすると、1年のうちに183時間(約8日間)だけ加速試験を行ったのと同じということになります。
とすると、防水パッキンの寿命が5年間と仮定した場合、
(365*5-(183*5/24*36/6-183*5/24))/365=約4年半
に縮まる計算になります。

これくらいの劣化なら、電池交換時にパッキン交換や定期メンテナンスに出すから問題ない、だからお風呂に入れる、と考える人もいるかも知れません。

↓こういった文献もあります。
空気駆動シリンダーのシール用NBR製Oリング寿命評価手法の検討(PDF)→ http://www.inss.co.jp/seika/pdf/10/099.pdf

*

それから、防水パッキンには、撥水性、耐水性、耐汗性を向上させたり、ズレ防止のための潤滑性を付与するために、シリコングリースが塗布してあります。

では、シリコングリースのお風呂による特性変化はどうなのか?

シリコンは通常の条件下では化学的に極めて安定かつ不活性であり、金属を腐食させたり、ゴム・プラスチック類と反応しませ ん。
また、極性の小さい物質であり、水やお風呂のお湯に溶けたりしません。
耐寒・耐熱性は-40℃~150℃であり、揮発性、粘度変化もお風呂の40℃程度の熱では全く問題ありません。
SEIKOパッキン用シリコングリースTSF451:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社→ テクニカルパンフレット(PDF)

←Amazonで見てみる。

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その2「お風呂の熱で防水パッキンやステンレスが膨張して防水機能が失われる?」

物体の長さは温度上昇と元の長さに比例した量で伸び縮みし、
ΔL=αLΔT(ΔL:伸び、L:長さ、ΔT:温度上昇、α:線膨張率)
という関係にあり、温度の上昇に対応して長さが変化する割合を線膨張率(線膨張係数)と言います。

防水パッキンの材質の一つであるNBRゴムの線膨張係数が2.4×10^-4/℃なので、室温25℃から40℃のお風呂に入れて15℃温度が上昇すると、
0.00024×15×100=0.36%膨張し、パッキンが40mmとすると140μm伸びる計算になります。
各種ゴム定数表→ http://www.packing.co.jp/GOMU/syuyougomu_teisuuhyou.htm

高級腕時計等に使用されているステンレス(SUS316L)の線膨張係数は16.0×10^-6/℃なので、15℃温度が上昇すると、
0.000016×15×100=0.024%膨張し、時計が40mmとすると約10μm伸びる計算になります。
スレンレス協会→ http://www.jssa.gr.jp/contents/faq-article/q6/

そうすると、ステンレスよりもパッキンのほうが伸び率が大きいので、お風呂に入って温度上昇した時には、よりパッキンがきつく締まる方向に働くので、逆にお湯は入りにくくなると考えられます。

また、時計内部の空気膨張による時計内部の圧力上昇を考えてみます。
25℃(絶対温度298℃)で時計内部の圧力が1気圧のときに、お風呂で40℃(絶対温度313℃)に温まった時の内部圧力は、
1×(298+15)÷298=1.05気圧
となり、それほど防水パッキンにかかる負荷は増加しません。

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その3「お風呂場には水蒸気が充満していて、水蒸気が浸入してしまう?」

水蒸気とは水が気化したものであり、無色で目に見えません。
お風呂場に充満しているのは、水蒸気がより温度の低い場で冷えて凝結して水滴となったために白く見えるもので、湯気(ゆげ)という水滴の小粒です。
Wikipedia水蒸気→ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E8%92%B8%E6%B0%97

また、もし常圧の水蒸気が侵入するのであれば、お風呂に入れなくとも湿度の高い梅雨の季節に腕時計を使用しているだけで時計内部に水蒸気が侵入して結露して文字盤が曇ってしまうことになると考えられます。

それから、お風呂の湯気がダメならば、霧の中もダメということになり、霧で有名なロンドンでは腕時計を使用できないということになってしまいます(笑。

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その4「お風呂の熱で内部の時計用機械油が揮発、拡散する?」

アクリルアリルオキシジブチレングリコ-ルの合成油が使用されており揮発も拡散もしません。
メービス時計油→ http://www014.upp.so-net.ne.jp/watch-oil-kuh/index2.html

使用温度範囲は、シントAルーベで-29℃~70℃となっており、お風呂の温度40℃は全く問題ないようです。

ちなみに、アレニウス式より毎日30分間(183時間/年)40℃のお風呂に浸かることによる時計油の劣化を計算してみます。
時計油の寿命が10年とすると、
(365*10-(183*10/24*36/6-183*10/24))/365=約9年
に縮まる計算になります。

これくらいの劣化なら、オーバーホールを1年早めにすれば済むだけでしょ?だからお風呂に入れる、と考える人もいるかも知れません。

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その5「シャワーの圧力が高くて、10気圧防水では耐えられない?」

給湯器の静圧(蛇口が閉まっている時の圧力)は300kPa(3気圧)もあれば充分に快適なシャワー流量が得られる。
ダイキンエコキュート→ http://www.daikinaircon.com/sumai/alldenka/ecocute/koatsu/index.html

動圧(水が流れている圧力)は静圧よりも低いので、 蛇口全開や高圧シャワーノズルでない限り、普通にシャワーしている分にはそれほど圧力は高くないということになります。

しかしシャワーは避けたほうが良いでしょうね。
水流の勢いの加減が人によって違いますし、時計に直接かけるのは避けたほうが良いと言っているメーカーもありますから。

ちなみに、国内メーカー各社の「水道」に関しての見解は次の通りです。
・SEIKO 「直接蛇口から水をかけることは避けてください。」
・CASIO  水道に関する説明なし
・ORIENT 「勢いのある水道の水を直接あてるなどのことは避けてください。」
・CITIZEN  水道に関する説明なし

正直なところ、シャワーを上に向けた時に噴水高さが1m以下であれば、1mH2O≒0.1kgf/cm2≒0.1気圧なので、全く問題ないと個人的には思います・・・。
海で使用した後は、塩分を取除くために水洗しないといけないので、KenUは気にせず直接蛇口の水で洗います。

10気圧防水腕時計を洗面所でシャワー洗浄(勢い強めで撮影)
SEIKO5 SPORTS シャワー洗浄←My SEIKO5 SPORTS SNZE93K1

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その6「お風呂から上がって時計が急激に冷えた場合に結露が生じる?」

結露は飽和水蒸気量と露点の関係で生じるので、急激に冷える事との因果関係はありません。
お風呂から上がって結露してガラスの内側に曇りが生じるような時計であれば、真冬に部屋から外に出ただけでも結露が生じて曇るはずです。
飽和水蒸気量→ http://www.max.hi-ho.ne.jp/lylle/shitsudo1.html

お風呂上りや、冬場に結露が生じて窓がくもる時計は、風呂に入る入らない関係なしに、既になんらかの原因で時計内部の湿度が新品購入時よりも高くなっていると考えられます。
時計の窓が、夏はくもらないけれど、冬にくもる場合(スキー場や厳寒地を除く)は、時計内部に水分が入り込んでいるかも知れません。

水分が入り込む原因としては、例えば、、、
時計屋さんが、メーカーに電池交換+パッキン交換+防水テストを依頼せずに、自分で裏蓋を開けて電池交換だけをして防水性能を低下させたとか?
しかも、梅雨時の高湿度下で時計屋さんが電池交換のために裏蓋を開けたとか?
長期間使用によって既に時計の防水性が低下していて水分が浸入したとか?
濡れたままの時計のリューズを引っ張って、押し込む時に中に水が入ったとか?
水中でクロノグラフ時計のボタン操作をして浸水したとか?
いろいろな原因が考えられます。

ちなみに、国内メーカー各社の「くもり」に関しての説明は次の通りです。
・SEIKO 「外気と時計内部の温度差によりくもりが生じる事があります。」
・CASIO 「時計が急冷された場合など、ガラスの内側が曇ることがあります。」
・ORIENT 「時計内部には多少の湿気がありますので、外気が時計内部の温度より低いときにはガラス面がくもる場合があります。」
・CITIZEN  結露に関する説明なし。
結露の原理を簡単にうまく説明できないので、各社不統一になっているのかも知れません。

時計の結露現象を例えてみると、、、
水を入れたガラス蓋付きの鍋の底を暖めると、ガラス蓋に水滴が付きますよね?。
そして常温まで自然冷却してもガラス蓋に水滴が付いたままです。
これが既に中に過剰な水分が入り込んでいる腕時計です。
では、空っぽのガラス蓋付きの鍋の底を暖めても、ガラス蓋に水滴は付きませんよね?。
そして常温まで自然冷却してもガラス蓋に水滴は付きません。
これが過剰な水分が入り込んでいない時計ですから、入浴後に冷えても結露しません。

次に、空っぽのガラス蓋付きの鍋のガラス部分を氷で冷やしてみると、フタ内側に鍋の中の空気中に含まれる水蒸気が凝結してくもりを生じます。
しかし、常温に戻すと水滴は水蒸気に戻りくもりは消えます。
これが時計メーカーの言っている「くもり」が生じる現象です。

「時計内部には多少の湿気がありますので、湿気が水滴に変わる温度まで時計のガラス面が冷えた場合にガラス内側がくもる場合があります。何らかの原因で時計内部の湿気が増えた場合には、ガラス内側がくもりやすくなります。また、冷えた時計を暖かい場所に移動した場合にガラス外側が結露して曇ることがあります。」 と説明するのが正解と思います。

*

ということで、検証実験をしました(※防水カメラSONY TX-20で写真撮影)。

10気圧防水(Water Resistant 100m)のSEIKO5 SPORTSを腕につけたまま入浴し、実験の前に何度も湯中で腕を激しく振ったり、クロールのように強く腕を湯面に叩きつけたりしました。

10気圧防水(Water Resistant 100m)SEIKO5 SPORTS
SEIKO5 SPORTS 入浴←41℃の風呂に入浴

次に時計が温まったところで、すぐに氷水に漬けて急激に冷却しました。
SEIKO5 SPORTS 急激氷冷←氷水に浸漬

窓の内側はくもることなく結露は見られません。裏透け(ガラス裏蓋)にもくもりはありません。
SEIKO5 SPORTS 急激氷冷 窓状態←窓の内側に結露は観察されず。

これで結露して窓の内側が曇るようであれば、風呂に入れる前から時計内部に水分が入り込んでいたか、防水性能が既に低下していた、もしくはエセ防水表示時計だったということになると思います。

氷水から取り出したところ、窓の外側がくもりました。風呂の湿度が高いからです。
SEIKO5 SPORTS氷水から取出し時の窓外側結露←窓の外側が結露。

再び湯船にジャポンと漬けて、急激に暖めて見ました。
SEIKO5 SPORTS 再入浴←冷えた時計を風呂で急加熱

これで浸水するかどうかをさらに試してみた訳です。

さらに、別の検証実験もやってみました。

後から出てきますがステンレスは熱伝導率が高く冷めやすいので、実験するにあたって時計内部の水蒸気圧を上げるために保温します。タオルの切れ端とガムテープで保温材を作ります。
腕時計保温材料

温度は、保温しても体温まで上昇しないので、体温計では測定できません。この時の室温は20℃。
腕時計保温温度測定←時計バンドにタオルを被せてガムテープで固定

時計を保温した状態で、ガラス窓を氷で冷やします。
腕時計窓氷冷←時刻9:39分

窓の内側が結露してくもりました。
腕時計窓結露←時刻9:41分

そのまま放置しておくと、くもりはとれました。室温は20℃です。
腕時計窓結露消失←時刻9:43分

ということで、結露はお風呂に入る入らないは関係ないということがわかりますし、風呂で時計内部に水分は入り込んでいないということが分かりました。

あとから思いついて、200mダイバーズ(潜水防水)ウォッチでも同様に実験してみました。
ウレタンバンドで熱伝導率が低いし、面倒だったので保温無しでの実験です。

SEIKO Kinetic Diver’s 200m
SEIKO Kinetic Diver's 200m 窓氷冷

ダイバーウォッチでも窓を氷冷すると内側に結露を生じてくもりました。
SEIKO Kinetic Diver's 200m 結露←結露してもすぐにくもりは消失しました。

10気圧防水だからくもってダイバーズウォッチだからくもらないということは無いし、風呂は関係無いということが実証できたと思います。

*

ちなみに、1950~1960年代の時計にはプレキシガラス(いわゆるプラ風防。材質:ポリメタクリル酸メチル;PMMA)が主に使用され、プレキシガラスは透湿性があり水蒸気を透過して時計内部の湿度を高めるので結露しやすいことがわかっています。→ 妙訳・高野精密研究部、G.Glaser.Schrambsrg著:時計が露滴で曇るのを防げるか?、日本時計学会誌 (8), 73-80, 1958-12-10

現在一般的に時計の風防に用いられているミネラルガラスの水蒸気透過性はほぼゼロなのに対して、PMMA(厚さ25μm)の25℃90%RHにおける水蒸気透過性は41 [ g/m2・24h ] となっており、0.3%もの吸水率があります。

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その7「風呂から上がって冷えた時に腕時計内部の空気が収縮して水蒸気を吸い込む?」

10気圧防水以上の密封された腕時計内部は、お風呂で温められて陽圧(正圧)になったものが、お風呂あがりに常圧に戻るだけ、つまり陰圧(負圧)にならないので、水蒸気を吸い込むようなフォースは生じません。

暖められて膨張した空気がお湯の中でブクブクと気泡になって漏れ出たのならば、冷えて収縮した時の空気量は元の状態よりも減り陰圧(負圧)になるので、吸い込むようなフォースは生じます。

まあ、空気が漏れるということは防水時計の性能を保持していないので、お風呂が云々言う以前の問題です。

一応「その2」と同様に、時計が5℃まで冷えた時の時計内部の圧力を計算してみると、25℃で1気圧だったものが0.93気圧になります。少し負圧になる計算です。
ですが、この程度の負圧で水蒸気を吸い込むようであれば防水テストなど合格するはずがありません。

では台風を考えてみましょう。
大気圧1気圧というのは1013hPa(ヘクトパスカル)ですが、例えば940hPaの台風は中心気圧が0.93気圧ということになります。台風で10気圧防水時計内部の空気が出入りしていたら、お風呂に入る入らない関係なく湿度90%にもなる日本で防水性が保たれるはずがありませんよね。

————————————————

その8「お風呂の温度(40℃前後)で時計が壊れる?」

たとえば、SEIKOクオーツ腕時計(7T62)の取扱説明書を見てみると、「 作動温度範囲は-10℃~+60℃です。」と書いてあります。

また、スウォッチ(SWATCH)では「時計が正常に作動する温度範囲は0℃~+50℃(常温)です。」となっています。

CASIOのHPのサポートQ&Aでは、「高温に耐えられますか?という質問」に対して「+60℃以上の所に長時間放置すると液晶パネルに支障をきたすことがあります・・・」と回答していますので、液晶パネルのデジタル時計でも、それ以下の温度であれば問題無いということが読み取れます。昇温での液晶の劣化に関しても、前述のアレニウス式に従うものと考えられます。

したがって、お風呂での作動はまったく問題無いということがわかります。

ちなみに、真夏の直射日光下では腕時計はお風呂よりも熱い45℃まで加熱されます。
ソーラーウォッチは太陽光をあてて充電して下さいと書いてあります。
SEIKOサポート情報→ ソーラー時計のしくみと充電

それから、お風呂の40℃程度の温度で壊れるようなら、6月~9月の平均気温が40℃を超えるサウジアラビアでは腕時計を使用できないということになってしまいます。
データリスト(世界の月天候データ) ←気象庁より

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と、ここまで検証した限りでは、”全然お風呂問題ないじゃん。”ということになりました。

上記のことくらいでダメなのであれば、お風呂に入れなくても、夏に半袖姿で時計を身に着けるのはアウトですし、海水浴にもスキーにも山にもして行けませんし、なんのためのスポーツ防水ウォッチなのか分かりませんよね。部屋に飾って置くしかありません(笑。

でも、やっぱりお風呂はダメなんです。
それは何故か?
入浴時にせっけんやシャンプーを使用するからなんです。

————————————————
その9「せっけんやシャンプーが防水性能を低下させる?」

せっけんやシャンプーは界面活性剤です。
界面活性剤は水の界面張力を低下させて防水パッキンになじみやすくし、時計の経年劣化等で防水性能が低下している時には内部に水を浸透させやすくする性質があります。
防水パッキンに界面活性剤が固着すると、さらに防水性能の低下を生じる事になるでしょう。
Kao界面活性剤とは?→ http://www.kao.com/jp/qa_cate/clothcleanser_04_02.html

さらに、水は温度が上昇すると粘性が低下して表面張力が低下するので、お風呂で界面活性剤と合わさるとさらに浸透性が高まることになります。
25℃の時の粘度0.890cP[mPa・s]が40℃では0.653cPに低下します。
純水の粘度→ http://www.as-1.co.jp/academy/24/24-2.html

また、「その1」のところで説明したように、防水パッキンにはシリコングリースが塗布されており、界面活性剤の洗浄効果により防水パッキンのシリコングリースが除去されて、撥水性、耐水性、耐汗性が低下し、防水性能の低下につながります。

シャンプーや石鹸は陰イオン界面活性剤が使用され硫酸塩などの構造を持つものがあり、その吸湿性とともに時計を腐食させることがあるそうです。
防水パッキン周辺部分に錆びが生じれば、防水パッキンと時計部品との間に微小な隙間が生じて防水性能は低下し、界面活性剤の浸透性との相乗効果により入浴時に浸水することになります。
論文→ 羽木秀樹、渡邊寛史:湿度の異なる大気環境下での界面活性剤によるステンレス鋼の腐食、日本機械学会北陸信越支部第45期総会・講演会講演論文集、2008, 11-12.

時計メーカーの取扱説明書にも「洗剤等(石鹸・シャンプーなど)のご使用をお避けください。」と書いてあります。
時計をつけたままお風呂に入らないとしても、せっけんでの手洗いや洗剤での食器洗いの際にも気をつけたほうが良いでしょう。

*

それと、「日常生活用防水腕時計は水洗いせず、ウェットティッシュで拭くと良い・・・」などと言う人がいますが、これ最悪な行為です。それは何故か・・・

ウェットティッシュには腕時計に悪影響を及ぼす沢山の成分が入っているからなんです。

・エタノール(アルコール):水よりもかなり表面張力が低いので防水パッキン内への浸透性が高い。他の成分も一緒に浸透させてしまう。時計を劣化させる有機溶剤でありメーカーサポート(←リンク)でも使用しないように注意あり。
・塩化ベンザルコニウム:陽イオン界面活性剤であり、時計内部への水分浸透性を高め、またそれ自身に金属腐食性がある。
・グリセリンまたはプロピレングリコール:吸湿性あり(乾燥しにくく他物質と合わさり時計の腐食を促進)
・メチルパラベン(パラオキシ安息香酸メチル):軽度の皮膚刺激性あり(MSDSより)
・塩化ナトリウム:金属腐食性あり

はい、もうお分かりですね。防水パッキンを痛めたり、時計内部への水分浸透を助けたり、時計を錆びやすくして、防水性を低下させる成分でいっぱいなんです。 ですから、ウェットティッシュでふくよりも水洗いしたほうがましなんです。

————————————————

以上、”10気圧防水時計をつけたままお風呂には入らないほうが良い”という結論に達しました。

じゃあ、シャンプー・石鹸・シャワーもしないで、湯船につかるだけならOK?
まあ、責任は取れませんがOKでは?と思います。

それで、こんなこと↓もやって見ています。
日常生活用防水(3気圧防水、W.R.3bar)腕時計を風呂に沈めてみた。

————————————————

結論は出てしまいましたが、「大丈夫」と言われている理由の一つについて、一応検証しておきます。

そのイ「体温が37℃、風呂が40℃で、3℃しか違わないから大丈夫?」

これは人の体温が37℃なので時計も37℃に暖められているから、40℃の風呂に入っても、3℃しか違わないから大丈夫というものです。

実は体内の温度(直腸温)は36~38℃ですが、皮膚の表面温度は外気温にも左右されますが32~34℃程度なのです。←参照リンク:平均皮温・体内温予測モデルを用いた暑熱環境の評価

では、腕時計は皮膚温度と同じ32~34℃にまで暖められるのか?と言えばそうではなくて、熱伝導率の高い金属で作られている腕時計は外気温で冷やされて25℃程度の温度にまで低下する訳です。
なので、時計が皮膚温で暖められるよりも、外気温で冷えた時計で皮膚が冷やされるということになります。

皮膚と時計の接触面の温度(T)は、
T=(皮膚の温度T1×皮膚の熱伝導率λ1+時計の温度T2×時計の熱伝導率λ2)÷(皮膚の熱伝導率λ1+時計の熱伝導率λ2)
で求める事ができ、
皮膚の熱伝導率(λ1)=0.39W/(m・℃) ←参照リンク:皮膚表面の熱伝導率について(PDF)
時計(SUS316L)の熱伝導率(λ2) =16.3 W/(m・℃) ←参照リンク:ステンレス協会
皮膚の表面温度(T1) = 33℃
時計の温度(T2) = 25℃
とすると、
(33*0.39+25*16.3)/(0.39+16.3)=25.2℃ となります。

ということで、そのイの根拠は間違っているということになります。

しかし、腕時計は体温の影響をそれほど受けないとしても、熱伝導率が高いことや人体のような温度調節機能が無いことから、皮膚よりも外気温、直射日光(日当たり)、衣類の被さり具合の影響を受けることになるので、温度変化の変動幅はお風呂に入るよりも大きいでしょう。

————————————————

その他「温泉は? サウナは?」

”風呂と温泉”、”風呂とサウナ”、”サウナと温泉” はその環境が全然違いますから、それらを同列で考えるのは誤りです。

サウナは高温(乾熱90℃)なので、熱伝導率が高い時計は加熱されて高温になるので、「その4」に書いた時計油の使用温度範囲を超えるので時計の精度が低下してしまったり壊れてしまう可能性もあるでしょう。
また、クオーツ時計のボタン電池SR626SWは、使用温度範囲がマイナス10℃~60℃となっているので、ダメージを受けると予想されます。
maxell(マクセル)SR626SWデータシート(PDF)→http://batteryshop.bg/brochures/maxell%20sr626.pdf

さらに、サウナで加熱された時計と皮膚とが接触した場合には、やけど(熱傷)する危険があるでしょう。

温泉はステンレスを腐食する成分を含んでいるので、時計の錆び発生を促進し防水性能に与える影響は良くないと思います。
あとから真水で洗っても錆びるようです。
ステンレスと「サビ」→ http://www.sustec.co.jp/category/1199612.html

————————————————

最後に・・・

これまで、色々と調べて10気圧防水腕時計に関するシリーズ記事を書きました。

そこで思ったのが、
よく見かける 「10気圧防水時計で水泳、風呂・・・だめ、手洗い・洗顔や水仕事(家事、洗濯等)ができる程度です。」
という回答が、実は一番間違っているのでは?・・・と。

手洗い・洗顔や家事では、ほとんどの場合は、せっけんや洗剤を使用しますよね?。
10気圧防水だから、手洗い等で腕時計が濡れても大丈夫と思い込んでいます。
つまり、手洗い・洗顔時に石鹸や洗剤が時計に付着しても全く気にしていません。
そして、毎日毎日、手洗い・洗顔・水仕事を行います。
つまり、毎日毎日、腕時計の防水性能を低下させる行為を知らず知らずのうちに繰り返している訳です。

そして、たまーにしか行かない海水浴に行き、毎日の手洗い・洗顔・水仕事で思いきり防水性能が低下した時計をつけたまま海で泳いで、「泳げるって書いてあるのに浸水したぁ~」となり、「10気圧防水で・・・ダメ」と言っているのではないか?と思いました。

「10気圧防水腕時計で水泳、入浴はできるが、手洗い・洗顔・水仕事をしてはいけない!」
というのが、本当のところなのかも知れません(笑

取扱説明書をよくお読みになって、そのメーカーの言う(←ここポイント)注意事項を守って、お気に入りの時計を大切になさって下さい。
OMEGA時計の説明書では、”防水ケースの時計が汚れたときには薄めた洗剤をつけてブラシでこすって洗って下さい”などと書いてありますが、他のメーカーの時計は絶対に真似をしないようにしましょう。(※OMEGA シーマスター300買いました。関連記事参照。絶対に洗剤をつけてブラシでこすって洗ったりしませんよ。)

それから、関連記事にも書いたのですが、ねじ込みリューズでなくてもJIS規格及びISO規格において、リューズやボタンに軸方向と垂直方向に5N(約500g)の荷重をかけて水中に沈める”操作部防水性試験”によってリューズやボタンの防水性が確認されています。

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10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計で飛び込みできる?

こんなこと出来るのかっ!

Darren Taylor(ダレンテイラー)さんが、水深12in (30.5cm)のpaddling pool (子供用プール)に 高さ36ft (11m) からswan-diving(スワン飛び込み)するという映像はかなりの方がご存知かと思います。

いやー、こんな事して死なないんですね。

一体、どれくらいの衝撃があるんだろ?って思いません?

それでググってみたんですが、見つけられませんでしたので、正しいかどうか分かりませんが計算方法が示されているサイトがありましたので、それを参考にして計算してみました。

まず、ある高さ(h)から自由落下を始めてプールに落下するまでの経過時間(t)と落下速度(v)を計算します(空気抵抗は無視します。)

v=√2gh (√はルートです。)
t=√2h/g
gは重力加速度=9.80665[m/s2]
hは高さ=11[m]

で計算すると、 v=14.7[m/s]、t=1.5秒になります。

計算サイトはこちら→ 自由落下(距離から計算)

物体の質量をm[kg]、衝突する速度をv[m/s]、減速時間をΔt[s]とすると、衝撃力F[N]は

F=mv/Δt

衝突過程で、落下速度v=14.7[m/s]の速度がプールの深さ30.5cm(0.305m)で0[m/s]まで減速するとして、減速時間Δt=l/v=0.02[s]、体重m=例えば80[kg]を代入すると、

F=80*14.7/0.02=58,800[N]=117,600/9.80665=5,996[kgf]

ということは約6トン?

体の前半面全体で衝撃を受けているので、2001年日本腎臓学会より提案されている日本人の平均体表面積 = 1.73 [m2] (17300[cm2])という数字の半分の8,650[cm2]で割ると、

p=5,996/8,650=0.69[kgf/cm2]=0.67[bar]=約0.7気圧。

この衝撃はすごいのか?すごくないのか?、なんだかよくわかりませんね(笑

体重60kgの人が木の床の上に寝転がった時に頭部、仙骨部、踵部などの硬い部分にかかる圧力が0.4kg/cm2ということなので(身体各部の最高圧力 ←参照リンク)、飛び込みではその2倍弱の圧力となりますが、掌や腹部や太腿部などの弾力性のある部分から落ちるのでそれほどでもないのかも知れません?

それで、本題ですが・・・(笑

10気圧防水(Water Resistant 100mまたは10Bar)時計は、防水性能的に競泳や飛び込みには耐えられないと書かれているサイトがあります。

え?
本当?
と言う前に・・・

時計をつけたまま競泳をするは人はいないですし、時計をつけたままプールの高飛び込み台からダイブする人もいませんし、海水浴場に飛び込む場所もありませんし、断崖絶壁に行って飛び込むような危険なまねをする人はそうはいませんから、心配御無用っ!(笑。

でもまあ、一応、先程のスワンダイブ同様に計算してみます。

重量125g(0.125kg)、直径42mm(面積約14cm2)の腕時計をしたまま、高さ10mから深さのあるプールに垂直に飛び込んだということにします。その時に人の体重は関係無いと考えられるので、mは時計の重量とします。

飛び込んだ時の衝突過程で、落下速度v=14.0[m/s]が身長1.8mの深さで0[m/s]まで減速するとして、減速時間Δt=l/v=0.129[s]、時計重量m=0.125[kg]を代入して計算すると、

F=0.125*14.0/0.129=13.6[N]=13.6/9.80665=1.39[kgf]
p=1.39/14[cm2]=0.099[kgf/cm2]=0.097[bar]=約0.1気圧

10気圧防水時計で飛び込んじゃっても全然大丈夫という結論に達しました。

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ROLEX ロレックス サブマリーナーっぽい時計を探してみた。

ROLEXサブマリーナーに似ているデザインの時計があることを知ったので、いろいろと探してみました(笑

意匠権が切れているので、ロレックスのコピーという訳でもないし、デザインを盗んだという訳でもなく、ダイバーズウォッチの定番のデザインということらしいです。でも原型は1953年のロレックスらしいですが・・・

機械式オートマティック(自動巻き)とクオーツがあります。ここであげた以外にもまだまだあるかもしれません。

ロレックスとチュードル以外はめちゃくちゃ安いですが、一応、セイコーやミヨタ(シチズンの関連会社)など日本製のムーブメントを使用しているモデルもあるので、精度もそこそこ良いものもあるようです。

それから、定価をわざと高く設定して販売価格をものすごく安くしている、いわゆる”二重価格”の商品も沢山ありますから、定価はあてにならないと思っておいたほうが良いと思います。

デイトナ似も探してみました。こちら→ ROLEX ロレックス デイトナっぽい時計を探してみた。

ROLEX ロレックス サブマリーナー 16610LN 自動巻き 300m潜水防水

101-HYAKUICHI ダイバーズウォッチ クオーツ Water Resistant 200m(20気圧防水)

ELGIN エルジン Automativ Diver(ディープシー) FK1405S 自動巻き Water Resistant 200m(20気圧防水)

BEL AIR ベルエアー BCG54 自動巻き(日常生活用防水)

SANTO JOANNES セントジョイナス SJ101 自動巻き Water Resistant 100m(10気圧防水)

Dolce Medio ドルチェ メディオ DM9021 自動巻き Water Resistant 300m(30気圧防水)

PESCAROLO pg-1089 クオーツ Water Resistant 10ATM(10気圧防水)

TECHNOS テクノス AM629SB クオーツ Water Resistant 10ATM(10気圧防水)

DANIEL MULLER ダニエルミューラー DM-2018BK ブラック クオーツ Water Resistant 10BAR(10気圧防水)

CHARLES VOGELE シャルルホーゲル CV-9085 クオーツ Water Resistant 20BAR(20気圧防水)

CYMA シーマ CM529-1A クオーツ Water Resistant 10BAR(10気圧防水)

Tauchmeister トーチマイスター 1937 自動巻き Water Resistant 20BAR(20気圧防水)

AUREOLE オレオール SW-416M-1 クオーツ Water Resistant 200m(20気圧防水)

Christiano Domani クリスチャーノ・ドマーニ CD6201 クオーツ Water Resistant 100m(10気圧防水)

TUDOR チュードル SUBMARINER DATE Ref.79090 自動巻き 200m潜水防水

RELAX リラックス RC-0101 クオーツ Water Resistant 30m(日常生活用防水)

John Harrison ジョン・ハリソン JH019 自動巻き 日常生活用防水(3気圧防水)

McGREGOR マックレガー MR-083 クオーツ 10ATOMOSPHERE(10気圧防水)

noNOLOGO ノーロゴ自動巻サブマリーナ NL-003SB3AS 自動巻き 50m防水(5気圧防水)

エックスビーウォッチ XB WATCH XB04SBSSBKBK 自動巻き 日常生活用防水(3気圧防水)

パーニスParnis PA6050 自動巻き 100m防水(10気圧防水)

クライミーCRIMIE  FUCK OFF TIME 非防水?

ドルチェセグレートDOLCE SEGRETO SB300BK クオーツ 10気圧防水

アウトオブオーダーOUT OF ORDER(OOO) サブマリーナタイプ クオーツ Water Resistant 10ATM(10気圧防水)

ネスタブランドNESTA BRAND MALIBU MB41BK クオーツ Water Resistant 200m(20気圧防水)

BRONICA ブロニカ ダイバーズBR-818 Pressure Resistant 20BAR(20気圧)防水

Invicta インビクタ Men’s 8926OB Pro Diver Water Resistant 200m(20気圧防水)
←Amazonで見てみる。
どれが欲しいですか?

それで、一つ買ってみました(笑。

Invicta Pro Diver 8926OB 定価$315をeBayから$127.87 USD(本体$87.88+送料$39.99)で購入(日本円で ¥10,303 JPY)。

何故これにしたかと言うと、シチズンのミヨタ(MIYOTA)SII(セイコーインスツル)のオートマティック(自動巻き)ムーブメントを使用しているので、精度も信頼性も確かだと思ったからです。

私が購入したインビクタプロダイバーのムーブメントはSeiko Instruments Inc.(SII)のNH35Aムーブメント(24石)でした。
ベゼルの直径は40mm、時計の厚みは13.5mmで大きさ的にもちょうどよかったです。

*

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腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。

前回、海外モデルの時計を買いましたという記事を書きましたが、その時計の文字盤には“100M”と書いてあるけど、裏蓋には“Water resistant 10 BAR(10気圧防水)” と書いてあります。

 

ということは、10気圧防水も100M防水も同じということになります。

一方、インターネットで調べてみると、「100m防水と10気圧防水は違う」と書いてあるページが多数あります。
ん? これは矛盾していますね。
一体どういうことなのでしょう?
ということで、調べてみました。

※水深100mは10気圧(約1 MPa)に相当します。

*

結論から言うと、日本と海外の“防水”という言葉の違いによって変わってきます。

Water resistant 10 BAR(日本でいう10気圧防水)Diver’s 100M(日本でいう100m防水)とでは意味も性能も異なります。

でも、Water resistant 100M(海外でいう100m防水)Water resistant 10 BAR(日本でいう10気圧防水)と では意味も性能も同じです。

さらに、日本でいう100m防水(Diver’s 100M)は海外では100m潜水防水(海外でもDiver’s 100M)で意味も性能も同じです。

日本ではDiver’s 100M(ダイバー100m)を「100m防水」と言うので話がややこしくなっているので、以下に詳しく説明したいと思います。

*

まず、防水時計の種類としては、潜水用携帯時計(以下、ダイバーズウォッチ)一般用防水携帯時計(以下、防水ウォッチ)に分類されます。

もっと、細かく言えば、ダイバーズウォッチの中でも1種(空気潜水用)と2種(飽和潜水用)、防水ウォッチの中でも1種(日常生活用防水)と2種(気圧防水;日常生活用強化防水)があります。

そして、それぞれの防水性能については日本工業規格(JIS規格)によって規定されています。

この2種類の時計のそれぞれの規格の試験内容を次の表に示しました。

Table 1. 日本の防水腕時計の品質規格と試験項目

JISの中身はこちらから検索して見る事が出来ます。→ http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

ダイバーズウォッチの規格(JIS B7023)では、防水表示の125%の圧力(1.25倍の圧力:100m防水表示なら100m(10気圧)×1.25=12.5気圧)を用いて加圧防水性試験などを行います。

それに対して、防水ウォッチの規格(JIS B7021)では、防水表示そのままの圧力(10気圧防水表示なら10気圧)を用いて試験を行います。

また、ダイバーズウォッチのほうは防水ウォッチよりもいろいろと過酷な試験が行われています。
そして、 JIS規格の防水性能の表記では、ダイバーズウォッチは“Diver’s X00 m”、防水ウォッチは、”Water resistant XX bar”と表示する、ということになっています。

←KenUのダイバーズウォッチ(SKA427P2)

ですから、日本の時計については、100m防水というのはダイバーズウォッチしかありえず、10気圧防水というのは防水ウォッチしかありえないので、「100m防水と10気圧防水とでは防水性能が違う。」ということになります。

では海外の時計も含めるとどうでしょう?

海外ではダイバーズウォッチと防水ウォッチの国際規格(ISO)があり、それぞれISO6425とISO2281(2010年にISO22810に改訂)で規定されています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Water_Resistant_mark ← 参照リンク(“ Warter Resistant Mark ” Wikipediaより)

ダイバーズウォッチの国際規格(ISO6425)では、JIS B7023規格と同じく防水表示の125%の圧力で試験を行います。

防水ウォッチの国際規格(ISO22810)では、JIS B7021と同じく防水表示と同じ圧力で試験を行います。
※jisがisoに改正を提案した経緯あり 1)

でも、防水性能表記の仕方に違いがあります。
海外のダイバーズウォッチは“Diver’s X00 m”と表記するのはJIS規格と同じですが、海外の防水ウォッチは、”Water resistant X00 m”と表記するのでJISの”bar(気圧)表示”とは異なります。

さて、もうおわかりでしょうか?

分かりやすいように一覧表にまとめてみました。

Table 2. 防水腕時計の国際規格と分類表示および適合(表をクリックすると拡大表示できます。)
防水性評価と種類
※参考:ウィキペディア「Water Resistant Mark」のページより

「海外の防水ウォッチのWater resistant 100m(100m防水)と日本の防水ウォッチのWater resistant 10bar(10気圧防水)は、意味も防水性能も同じ。」なのです。

ということで、タイトルの「腕時計の100m防水と10気圧防水(10Bar防水)は同じとも違うとも言える。」というのは、日本だけを見た場合と海外も含めて見た場合とで見方が変わるということだったのです。

そして、KenUが購入した時計は、時計自身は海外モデルなので文字盤には100Mと表示され、ムーブメントは日本製なので裏蓋には10気圧防水と表示されていたという訳です。

日本では“Diver’s X00 m”を「X00 m防水」って言うからややこしくなるので、“X00 m ダイバー”とか“X00 m 潜水防水”と呼ぶようにしたらよいのでは?と思います。 ※Amazonでは潜水防水という言葉を使用しています。

*

以下、余談ですが・・・

今まで知らなかったけど、10気圧防水の防水ウォッチで水泳やシュノーケリング(素潜り)をしても大丈夫なのですね^^。2)

http://www.jcwa.or.jp/knowledge/qa/qa15.html ← 参照リンク(一般社団法人 日本時計協会のホームページより)

そういえば実際、トライアスロンやアイアンマンレースではダイバーズ時計ではなく10気圧~20気圧防水の時計を着用していますよね?

10気圧防水 TIMEX 腕時計 アイアンマン トライアスロン 50ラップ T5K220
←Amazon

プールにも入れるということになりますが、安全上、時計をつけたままでのプールへの入水はプール運営・施設側の方針で禁止されているところがほとんどだと思います。

*

それから、
Diver’s X00 mのダイバーウォッチはX00 mまで潜れるの?
という質問は意味がありません。

というのは、レクリエーショナルスキューバダイビングにおける潜水限界は最大で40メートル程度ですし、ダイバーの動水圧(水中活動・動きによって受ける圧力)は0.5気圧にも満たない(wikipediaより)と計算されるので、水深水圧と合わせても5気圧以上かかることは無いと計算できます。
スクーバダイビング ← 参照リンク(ウィキペディアより)

そして、何mであろうとダイバーズウォッチはスクーバダイビング(空気潜水)に使用可能となっています(2種の飽和潜水用は別)。

こんな記事を見つけました↓
いつも危険と隣り合わせ、潜水士が挑む海中の世界 ←朝日新聞DIGITALより

ダイバーズウォッチの潜水の実例としては、 SEIKOのJIS B7023(=ISO6425)規格のDiver’s 600m潜水防水ダイバーズウォッチを潜水艦に固定して潜水させて1062mの水圧に耐えたそうです。⇒ http://www.seiko-watch.co.jp/psx/concept/special/deepsea.php

潜水艦の潜航速度や旋回運動などの動きによる水圧も加わっているはずなので、かなり凄い性能と言えるでしょう。

*

同様に、
10気圧防水時計は何メートルまで潜れるの?
という質問も意味がありません。

10気圧~20気圧防水時計は、素潜り(シュノーケリング)はOKですがスクーバダイビングには使用できませんとなっています。
なので、時計よりも、あなたは素潜りで何m潜れるの?という話しです。
100mも潜れないでしょ?(笑

*

最後に・・・

海外の時計にはISO表示に従わない例外がたくさんあって、正確な事が分かりにくい時計もたくさんあります。

例えば、ORISのダイビングウォッチの文字盤には”1000m/3330ft”と印字されていますが、ISO2281という印字もあり、よって1000m潜水防水ではなく100気圧防水です。ISO FRANE DIVE WATCH FORUM ←参照リンク

また、ルミノックス(LUMINOX)のネイビーシールズ ダイブウォッチ(Navy Seals DIVE WATCH)の文字盤には”200 METER”と印字されていますが、裏蓋には”WATER RESISTANT 200 METERS”と刻印されISO2281なので20気圧防水ですし、ディープダイブオートマティック1500シリーズ(DEEP DIVE AUTOMATIC 1500SERIES)の文字盤には”PROFESSIONAL 500 METERS”の印字、裏蓋には”CERTIFIED DIVER WATCH 500M”の刻印がありますがISO6425規格なので500m潜水防水です。

OMEGAの文字盤には”600m/2000ft”というような印字がされ、裏蓋には刻印がなかったり”150m/500ft”というような刻印だけだったりします。でもOMEGAはwater resistant 200m以上でスクーバダイビング可能としています。OMEGA防水性チャートPDF

SWISSの時計メーカーはISO規格表示に従わない例が多い?

*

参考文献:
1) 日本時計国際規格委員会、「国際規格ISO2281第2版:時計-防水ウォッチについて」、日本時計学会誌No.112(1985)

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腕時計の防水表示に対するメーカー別防水性能と日英説明の比較

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