個人のブログサイトを運営する際の本ブログタイトルにある法令等への対応について、Google検索ランク上位の一部のサイトで議論を巻き起こしています。
しかし、使用しているプラットフォームやサイトの内容などを区別・考慮して、個別の事案ごとに異なる判断をする必要があります。
私KenU個人が運営するこのブログは、電気通信事業法の適用範囲外であるという結論に達しました。
なぜそのような結論に至ったのか、その背後にある考えを紹介します。
【ご注意ください】
本記事は、法令やガイドライン等に基づき、KenU自身のブログサイトに関する個人的な見解を述べたものです。
他者のウェブサイトについての判断は行っておりません。
また、専門的なアドバイスを提供するものではありません。
法令・ガイドライン等の内容については、他の色々なサイトで述べられていますし、それらを書き連ねても小難しくて面白くないでしょうから、細かいことを説明するのは控えておきます。
なので、簡潔に、” 電気通信事業 参入マニュアル ( 追補版 )(令和5年1月30日改定)総務省 総合通信基盤局 ”(←参照リンク・PDF)に基づいて説明します。
【外部送信規律への対応が必要な者に該当しないと判断する根拠】
- KenUは、電気通信事業を営むもの者(電気通信事業者および第三号事業を営む者)ではない。
- 「個人が自らの趣味や知識を発信するために、自らレンタルサーバを借りるなどして、HPを開設するもの。サーバ代の一部を賄うためにHPに少数の広告バナーを貼る場合を含む。」について、「自己の情報を発信する手段として電気通信役務を提供しており、電気通信事業に該当しない」とされている。
- 「個人が、個人事業主として利益を上げる目的で、広告やアフィリエイトプログラムなどを利用した各種情報提供サイト等を運営するためにHPを開設するもの。」について、「情報の送信を事業としていると認められ、電気通信事業となります(登録及び届出が不要な電気通信事業(第3号事業))」とされているが、KenUは第3号事業に該当しない。
- KenUのブログサイトは、Googleアナリティクスを使用していない。
以下、考察です。
[上記1項について]
” I .他人のため(自己のためでなく)に役務を提供している、II.電気通信役務(サービス)を提供している、 III.料金を徴収・広告収入を得るなど利益を得ようとしている、の I 、II 、III 全てがYESなら『電気通信事業を営む者』に該当し、1つだけでもNoなら電気通信事業法は適用されません。” とされています。
なので、1項が決定打であって、総務省がそういっているんだから、対応しないことで罰せられることはないはず、というのがKenUの見解です。
[上記2項について]
WordPress.comブログサービス プラットフォームを使用しているKenUのブログは、趣味や知識を発信するサイトです。
広告バナーとしてGoogleアドセンス広告、Amazonなどのアフィリエイトリンク画像広告を掲載していますが、報酬(※1)は有料プラン代、独自ドメイン代、インターネット通信環境整備代に程遠く満たないです。
※1:アフィリエイトの報酬は、現金ではなくポイントに設定している。
[上記3項について]
多少なりとも利益を上げたいから前記サードパーティーの広告プラットフォームと提携しているわけですが、KenUは個人事業主でもなく、KenUのブログサイトは各種情報提供サイトでもないので、非該当の理解です。
該当するサイトとしては、『価格.com』のようなサイトがイメージされます。
[上記4項について]
Googleアナリティクスを使用する場合、ブログにGoogleが提供するプログラム(スクリプト)を埋め込んで、ウェブサイトの訪問者に関する情報をGoogleのサーバーに送信することが必要となります。
このプロセスは情報送信指令通信に該当すると考えられます。
このため、Googleアナリティクスを利用する際には、情報の送信が行われる点に留意する必要があります。
KenUは、外部送信規律やGDPR(一般データ保護規則)への対応の困難さや、KenUの能力的にアナリティクスデータを活用できるかどうかについても懐疑的であることを考慮して、KenUのブログサイトではGoogleアナリティクスを使用していません。
ちなみに、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの違いについては、以前の記事『WordPressブログはGoogleアドセンス用にGDPR対応英語プライバシーポリシーが必要』に少しだけ書いています。
[その他]
アフィリエイトが情報送信指令通信に該当するかどうかについて述べます。
ブログサイトに配置されるアフィリエイト(※2)は、通常、スクリプトのようなプログラムではなく、パブリッシャー識別IDが組み込まれた広告リンクURLです。
したがって、ブログサイトの訪問者がアフィリエイトリンクをクリックした際には、訪問者が閲覧しているサイトの遷移が起こるだけで、通常、ブログサイトが情報を収集し、アフィリエイトリンク提供者のサーバーに訪問者情報を送信することはありません。
その証左に、アフィリエイトリンクを右クリックしてURLをコピーしてから、ブラウザに表示されているブログサイトをいったん閉じて、その後、ブラウザのアドレスバーにコピーしたアフィリエイトリンクURLをペーストすればリンク先サイトを開くことができ、アフィリエイトの動作に変わりはありません。
一般的なアフィリエイトのプロセスは次のとおりです。
- ブログサイト訪問者がサイト上のアフィリエイトリンクをクリックします。
- アフィリエイトリンクのURLには、アフィリエイトパートナーのIDが含まれていますが、この時点ではクッキーは設定されていません(サードパーティークッキーは送信されない)。
- ブログサイト訪問者がアフィリエイトリンクをクリックしてリンク先サイトに移動すると、リンク先サイトでクッキーが設定されます(ファーストパーティークッキー)。このクッキーには、アフィリエイトリンクの情報やアフィリエイトパートナーのIDなどが含まれます。
- リンク先サイトがクッキー情報を使用して、ユーザーがアフィリエイトリンク提供者のサイトで何らかの行動(購入、登録など)を起こした場合、アフィリエイトリンク提供者はその情報を元に報酬をアフィリエイトパートナー(ブログサイト運営者など)に支払います。
したがって、アフィリエイトは情報送信指令通信に該当しないと考えるのが妥当です。
とはいっても、GDPR対応で、アフィリエイトに関する情報について、プライバシーポリシーに記載しています。
なお、グーグルアドセンスは、アフィリエイトリンクと異なり、次に示すリンク先による説明のとおりサードパーティークッキーを使用しています。
AdSense が Cookie を使用する仕組み ←(参照リンク:Google Adsenseヘルプ)
※2:アフィリエイトをアフィリエイトプログラムと呼ぶこともありますが、ある種の広告形態の仕組みのことをいい、「アフィリエイトサービス」「アソシエイトサービス」ともいいます。
以上、個人ブログの電気通信事業法「外部送信規律」について書きました。
KenUのブログは、本法令を適用されないと理解し、何も対応しない方針です。
【外部送信規律関連リンク】
ー 総務省 外部送信規律
法令・ガイドライン・パンフレット(←参照リンク)
ー 総務省 電気通信事業法の適用(登録・届出を要する電気通信事業への該当の有無等)を判断するための考え方や具体的な事例(令和4年4月14日)
「電気通信事業参入マニュアル(追補版)ガイドブック」の公表 (←参照リンク)
ー 総務省 パブリックコメント(パブコメ)の結果公示案件(2023 年5月)
「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説の改正案」に対する意見募集結果(←参照リンク)
ー アマゾンアソシエイトによるコメント
「改正電気通信事業法の外部送信規律への対応について」(←参照リンク)
引用は次のとおり
- Amazonは、特定のアソシエイトサイトが外部送信規律の対象になるか否か、アソシエイトパートナーによる具体的な対応についてコメントする立場にありません。個別事例に関するご質問は、弁護士等にご確認ください。