英国のIBD・IBS患者は「マジやばい!もう限界」カードを所持している

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前回、英国(イギリス)の障害者用のレーダーロックトイレとレーダーキー(←参照リンク)を紹介しました。
今回も、英国のトイレ事情のうちの一つを紹介します。
この記事は、私KenUが読んだいくつかの英文の記事をかんたんにまとめ直したものです。

患者の不安とは?

腸や膀胱に問題を抱えている人々、私KenUのように人工肛門(ストーマ)を造設した人々は、今すぐにトイレに行きたいといった切迫感に悩まされたり、恥ずかしい事態になる危険性があります。
そのため、常に、公共の場所にトイレがあるかどうか、心配になります。

クローン病(※1)、潰瘍性大腸炎(※2)などの炎症性腸疾患(※3)や過敏性腸症候群(※4)の最も一般的で衰弱させる症状の1つに、急性下痢があります。
この状態で生活している人々の主な不安は、トイレの利用を拒否されたり、障害者用のレーダーロックトイレと対峙することです。
外見上は「大丈夫」に見えても、彼らは毎日その状態と戦い、緊急でトイレを使用する必要が生じます。

※1 CD:Crohn’s diseaser
※2 UC:ulcerative colitis
※3 IBD:inflammatory bowel disease
※4 IBS:irritable bowel syndrome

Just Can’t Wait ! カードとは?

英国内には、上記のような人々を支援する次のような団体があります。

・Crohn’s and Colitis UK
・Bladder & Bowel UK (BBUK)
・Bladder and Bowel Community
・IBS Network

そして、Just Can’t Wait ! CARD(マジやばい!もう限界(※5)カード)が発行され、団体加入のメンバーに配布されています。

※5 KenUによる意訳

just can't wait card original image sample picture
著作権上の制約により、図のデザインを変更し、カードイメージの見本を作成しました

このカードがあれば、緊急時にすぐに利用できるトイレが見つけられないとき、店、レストラン、その他の建物のトイレを使わせてもらいたいときに、体の状態について長い説明をする必要がありません。
公共の場所や店舗でカードを提示し、トイレを使用できるかどうか尋ねるだけです。
このカードでトイレの利用が保証されるわけではありませんが、カードは広く受け入れられ、認められています。

カードは、プラスチック製で銀行カードと同じサイズなので、財布の中に目立たないように隠すことができ、必要なときにすばやく提示できます。


以上、英国の Just Can’t Wait ! CARD(ジャストキャントウェイトカード)を紹介しました。
もし、日本国内で外国の旅行者にこのカードを提示されたら、助けてあげてほしいと思います。

日本では、似たようなものに、「ヘルプマーク」があります。
しかし、ヘルプマークの対象者の範囲が広いこと、対象になる障害等の範囲が広いこと、マークのデザインが何を意味するのか分かりにくいことから、マークを一目見ただけでは、どのような助けが必要なのかが分かりません。
よって、その都度困りごとの状況説明が必要になり、緊急性を有する際には、Just Can’t Wait ! CARDに劣ると思いました。
Just Can’t Wait ! CARDの場合、所持する人の対象は限定的で、一目でトイレが必要ということが分かるデザインになっていて、援助者は即座に対応が可能です。

日本のヘルプマーク

ところで、新型コロナ禍により、日本のコンビニではトイレの貸し出しを休止している店舗もあるそうです。
それでもヘルプマークを提示したら貸してもらえるのでしょうか?
英国では、どうなのでしょうか?


あとは、余談です。
英国といえば、イングランド。
イングランドといえば、サッカー。

Just Can't Wait CARDを持ったイングランドサッカー選手のイラスト

で、今回は、Just Can’t Wait ! CARDを持ったサッカー選手のイラストにしました。
これも20年前にアバターとしてモデリングした3DCGデータを流用しています。
ユニフォームは、ベッカムがマンチェスターユナイテッドでプレイしていた頃のボーダフォン(Vodafone)モデルです。

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