法改正により、多機能トイレからオストメイト専用トイレに。多目的・だれでも・みんなのトイレはなくなる。

2021年(令和3年)4月1日に改正バリアフリー法が施行されました。
これにより、人工肛門保有者(オストメイト)他、障害者のトイレ利用に関する利便性の向上や円滑化も進むことになります。
今回、その内容についての記事を書くことにしました。

バリアフリー法とは、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の通称で、高齢者や障がい者が肉体的・精神的に負担なく移動できるように、街や建物のバリアフリー化を促進することを目的に、2006年(平成18年)12月20日に施行されました。
そして、その一部が改正され、 令和3年4月1日に施行されました 。

身体障害者(永久人工肛門保有者)である私KenUは、過去に、” 高齢化と国際化によりオストメイトトイレが使えない ”(←参照リンク) という記事を書きました。
バリアフリー法の改正に伴い、「施行令」、「施行規則」、「基本方針(告示)」 、「建築設計標準(ガイドライン)」なども改正され、オストメイト対応トイレの利用がしやすくなるように、社会全体が変わります。

ということで、改正内容のうち、トイレ(便所・便房)に関する部分に特化して、その一部分を紹介していきます。

バリアフリー法 の第4条と第7条には、次の引用文の下線部分が追加されました。
簡単に言えば、「国も国民も、障害者が障害者用施設(トイレ含む)を円滑に利用できるように配慮してくださいね。」ということです。

(国の責務)第四条 2項 国は、教育活動、広報活動等を通じて、移動等円滑化の促進に関する国民の理解を深めるとともに、高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援、これらの者の高齢者障害者等用施設等の円滑な利用を確保する上で必要となる適正な配慮その他の移動等円滑化の実施に関する国民の協力を求めるよう努めなければならない。

(国民の責務)第七条 国民は、高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性について理解を深めるとともに、これらの者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援、これらの者の高齢者障害者等用施設等の円滑な利用を確保する上で必要となる適正な配慮その他のこれらの者の円滑な移動及び施設の利用を確保するために必要な協力をするよう努めなければならない。

引用:平成十八年法律第九十一号 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(令和二年法律第二十八号による改正)

移動等円滑化の促進に関する基本方針(※1)には、国民の役割として、「一般の利用者は、近傍の一般のトイレの利用が困難な場合、その他のやむを得ない場合を除いて、可能な限り障害者用トイレの利用を控えるよう」という旨の内容が記載されています。
また、高齢者障害者等用施設等の適正な利用の推進として、「障害者等の利用のために設けられたものである旨を表示し、一般の利用者が識別できるようにする必要がある。」とされました。
 (※1:改正 令和二年六月十八日 国家公安委員会 総務省第一号 文部科学省 国土交通省)


さて、上記法令等には、具体的に「ああせよ。こうせよ。」ということは書かれていません。
でも、ガイドラインの方に詳細が記載されています。

建築設計標準(※2)には、「これまで多機能トイレとして一つに集約していた設備を機能分散して、個別機能のトイレを設けなさい」という旨の内容が記載されています。
つまり、「オストメイトトイレ」は個室化が推進されることになります。
 (※2: 適切な設計情報等を提供するバリアフリー設計のガイドラインとして定めたもの )

・このような実態を踏まえると、多様な利用者の円滑な利用を促進するためには、従来の多機能便房内にあった各種設備・機能を、便所全体に適切に分散して配置することが重要となる。
・このため、便所・便房の整備においては施設用途や利用者のニーズを踏まえ、車椅子使用者用便房(大型ベッド付き)を男女が共用できる位置に1以上設けることに加え、オストメイト用設備を有する便房、乳幼児用設備を有する便房等の個別のニーズに対応した便房を男女それぞれの便所又は男女が共用できる位置に分散配置する工夫等、「個別機能を備えた便房」を適切に設けて機能分散することを基本的な考え方とする

引用:国土交通省 建築物におけるバリアフリーについて 建築設計標準(令和2年度改正版)第2章 単位空間等の設計
引用:国土交通省 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正概要(令和3年3月)資料「分散配置を考慮した個別機能を備えた便房(機能分散化)」より

トイレの表示については、これまでの「多目的・誰でも・どなたでも・みんなの」といった表現はなくなり、障害者用であることが明示されることになります。

【便房の機能を示す表示板(標識)】
高齢者障害者等用便房(バリアフリートイレ)の表示は、「多機能」「多目的」等、利用対象とならない方を含め、誰でも使用できるような名称ではなく、利用対象及び個別機能を表示するピクトグラム等のみで表示する、又は機能分散がなされている個別機能を備えた便房であれば、主な利用対象者を明確にする名称やピクトグラム等で表示する工夫を行う。

引用: 国土交通省 高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準の改正概要(令和3年3月)資料「重度の障害、介助者等に配慮したバリアフリー設計等に関する考え方・留意点の充実」より

さあ、これで、オストメイトのQOL向上のさらなる一歩前進です。


余談ですが・・・
KenUの勤め先の多機能トイレは、いまだに「どなたでもご利用できます」と表示されています。
なので、先日、仲がよい(とKenUが勝手に思っている)総務職員に、バリアフリー法が改正され施行されたことをお伝えさせていただきました。


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