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人工肛門になってから、「腹圧(腹腔内圧)がかかるとストーマ傍ヘルニアになる可能性があるから腹筋運動をしてはいけない。」というような話を聞いたことありませんか?
でもKenUは、2015年の9月21日に書いた記事「人工肛門の人は重い物を持ったり腹筋運動してはいけないの?」(←参照リンク)のときにはバンバン腹筋運動をしています。
そこで、腹筋運動と腹圧についてきちんと調べてみました。
すると、
” 腹筋運動は腹圧を上昇させない ”
ということが分かりました。
NHK『みんなで筋肉体操』の筋トレ指導や、フジテレビ系列「ホンマでっか!?TV」 出演でも知られる谷本 道哉(たにもと みちや )近畿大学生物理工学部准教授が、研究論文1)で示しています。
また彼らは、2017年の日本体育学会第68回大会において、
「腹圧の上昇の程度は、体幹トレーニング(3~10%)<<筋力トレーニング(7~47%程度)<ダイナミックな競技動作(38~61%:いずれもバルサルバを100%とする)」であり、体幹トレーニングは小さい値であった。」
と述べています。
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それとは別に、水泳時の腹圧についての研究論文2), 3)を見つけました。
森山進一郎(日本女子体育大学)らは、
「初心者レベルのクロール泳では、腹腔内圧(IAP)に有意な変化は認められず」
「競泳選手がクロール泳で泳速度を高める際には顕著な体幹筋群の賦活化および腹腔内圧(IAP)の上昇が認められた.」
と述べています。
ちなみにKenUの場合は、初心者レベルの泳ぎなので腹圧は上昇していないでしょう(笑
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1)下代 昇平, 谷本 道哉, 体幹トレーニングおよび各種運動時の腹腔内圧の変化動態と体幹筋群の筋活動の関係, 実験力学 Vol.18, No.3 pp.184-191 (2018)
2)森山進一郎ら、競技経験のない一般女子学生のクロール泳における異なる速度による腹腔内圧および体幹筋活動の変化, 体育測定評価研究 15(0), 43-49, 2016, 日本体育測定評価学会
3)森山進一郎ら、異なる泳速度におけるクロール泳時の腹腔内圧および体幹筋活動の変化, 東京体育学研究, 受理日2016/2/16
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