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以前、”ストーマ装具の新製品”センシュラ ミオ 星のカービィ”を使ってみた。”という記事を書きました。
今回は、この製品サンプルをさらにカスタマイズ加工して使ってみたので記事を書きたいと思います。
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どのようにカスタマズしたかというと・・・
以前の記事で「星形である必要がない」と考えたことから、5角形にはさみで切りました。
その名も、センシュラ ミオ2 コンケーブ ペンタゴン!!(以下、「ペンタゴン」と略す。)
今回は、ストーマシール製品のアダプト スリムを併用することにし、その他にPanasonic(パナソニック)の新製品、ストーマ装具用の消臭潤滑剤nioff(ニオフ)のサンプルを頂いていたので同時にテストします。
アダプトスリムは、3分の1にカットして使います。
ニオフは、2018年1月31日に新発売になった製品で、コンバテックの販路で販売されています。
ペンタゴンは、KenUのストーマの大きさに合わせて穴をあけて透明パウチを付けると↓こんな感じになります。
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では、3/17の夕刻からテストしたのでレポートします。
今回も装着テストの前にストーマ装具を外して入浴を済ませました。
まず、ストーマ周りにアダプトスリムの ”きしめん” を貼ります。
写真では見えにくいですね。
”きしめん”とは何?については過去記事 ”ストーマ装具漏れ防止シール製品ってなかなか「いいね!」” を参照してください。
面板の剥離フィルム(保護ライナー)を剥がして、人工肛門に装着します。
面板を手で押し返して皮膚に貼り付けます。
面板を切っちゃった部分が多いせいか白っぽい部分がやや貼り付きにくかったので、少し時間をかけて手でよく押さえつけました。
それから、ハイドロコロイド成分の溶け出し防止のため、優肌パーミロールライトを面板周囲に貼りました。
それにしても装着のピッタリ感は、星型のとき以上です。
言い過ぎかも知れませんが、お腹に貼っていることを感じさせません。
最後に、センシュラミオ2のバッグ(透明パウチ)を面板フランジにジョイントして装着完了!!
もちろん面板が開腹縫合跡にかぶることもなく、ローライズボクサーパンツの下に潜り込むこともなく、狙い通りのカスタマイズができました。
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次に、消臭潤滑剤ニオフのテストです。
説明書によれば、1回の使用量は約8mL。
ですが、KenUは普段デオールをけちって5mLしか入れていないので、ニオフも5mLで使ってみます。
この計量スプーンは何?については、過去記事 ”100均で買えるストーマライフに使える道具など” を参照してください。
ニオフは、他メーカー消臭潤滑剤と同様、やや粘性のある液体です。
これ自身においはありませんでした。
pHを測定してみると・・・
写真の色では分かり難いですが、pH5.5弱くらい。
他メーカーの消臭潤滑剤のpH(デオールpH9.0、アダプトpH7.0)と比べるとニオフのpHはずいぶんと低いですね。
ストーマ粘液はpH8.5~9.0ですが、皮膚のpH4.5~5.5(弱酸性)に近づけたということでしょうか?
pHのデータについては、過去記事 ”人工肛門から出る便のpHとストーマ用品のpHはどれくらい?”、”夾雑物のない純粋な大腸粘液のpHを測定してみた” を参照してください。
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ニオフを入れた夕方5時頃から12時間後の翌朝5時頃、就寝中にやや軟らかめの便がパウチ容量の半分以上まで溜まっていたのでトイレで排出しました。
「うんちがくさくない!!」なんてことはありません(笑
もちろん便は臭いに決まっていますが、臭いがかなり和らいでいるような気がしました。
消臭効果は、他メーカー製品と同等?それより少し良いかな?くらいの感じです。
1、2回サンプルを使っただけでは効果の比較は出来ないかもしれません。
ついでに、消臭潤滑剤のコストなど比較一覧表を作ってみました。
こうしてみるとニオフは安い訳ではないのですね。ちょっとがっかり。
なお、一覧表のニオフとデオールのボトルは1回8mL使用で計算しているので、5mL使用ならばニオフ52円、デオール58円になります。
じつはニオフを使ってみて「これいいじゃん!!」と思った部分があります。
それは、手でミニパックの開け口が切りやすかったこと。
上写真の切り口を見てください。まっすぐに綺麗に切れてるでしょ?
やっぱりこうしたところが日本のメーカー、さすがPanasonic。
アダプトとかデオールなんかまっすぐに切れないし、切った部分も切り離しにくいし。
贅沢を言えば、袋の4隅にアールをつけて欲しかったな。
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余談ですが・・・
3/18、曇り空でしたが比較的暖かくなったので、ペンタゴンを着けたまま伊豆沼まで愛車MT-09で駆けてきました。
そこに渡り鳥はもういません。シベリアに帰ってしまったのですね。
ものすごく久しぶりにオリンパスで写真撮りました。
このカメラについては、過去記事 ”コンパクトデジタルカメラOLYMPUS μ-9000” を参照してください。
帰宅すると、パウチの中を “ねじりん棒” で綺麗にして、装具を着けたまま入浴し湯船に浸かりました。
”ねじりん棒”とは何?については過去記事 ”人工肛門ストーマパウチからのトイレでの便の出し方” を参照してください。
ペンタゴンは翌3/19の晩にはずして、普段使用しているホリスター ニューイメージFWFテープ付き(2ピース)に交換しました。
なお、ペンタゴンを外したときの面板の状態観察では、シール製品併用の効果もあって面板下への便の潜り込みは無く、装着中の部分的な剝がれもなかったです。
カスマイズ結果としては、完璧でした。
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結論ですが・・・
普段使用しているツーピース装具から、わざわざカスタマイズが必要なペンタゴンに乗り換えるつもりはありません。
短日使用のときの単品系装具をワンピースのセンシュラミオ1コンケーブに乗り換えることもないでしょう。
どうせ面板をカスタマイズ加工しなければならないのなら、価格が安い普通のセンシュラミオ1をフレキシフィット加工すれば十分なので。
それについては、過去記事 ”開腹縫合跡が痒くなるので装具面板をカスタマイズ加工” を参照してください。
消臭潤滑剤ニオフについては、ほとんどコストメリットはないし、新製品は使用実績といった面から慎重にならざるを得ないので、たぶん乗り換えないでしょう。
いつも言うのですが、商品レビュー記事はあくまでもKenU個人の意見ですから、みなさんは鵜呑みにせずに実際にサンプルを取り寄せて試してみて判断してくださいね。
そして、サンプルをくださったメーカーさんへ、有難うございました。
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一応、誤解を避けるためにメーカーさんに言いたいのは、色々な装具を試しているのは冷やかしではないということを。
他の記事でも書いていますが、1~2日だけ使用する場合の安価で快適に使用できる装具を探しているだけです。
例えば、2日しか使用しないのに、1回分の装具価格が1、000円だったら、1か月(30日)に15,000円かかるわけです。
分かりやすく計算式にすると、30(1か月の日数)÷2(装具使用日数)×1000(装具の価格)=15,000円です。
永久オストメイトへの自治体の補助金は8,000円程度なので、大きく足が出ます。
だから、せめて装具代は2日使用で600円程度(9,000円/月)に収めたい訳です。
海外ではどうなのか知りませんが、日本国内のオストメイトは皆そのような事情があると思います。
元開発マンのKenUがあえて厳しいことを言えば、そうした事情を理解することもストーマ装具メーカーの当たり前のマーケティング活動だと思います。
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