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[訂正(1月14日)]
昨日1月13日に以下の記事を掲載しましたが、「製品設計上の致命的欠陥」があることに気が付いてしまいました。
その詳しい内容を、この記事の最後に追加します。
******ここから下、1/13掲載分******
我が家の前の道路が日陰なので雪が溶けず、バイクMT-09が出動できません。
インドアな休日ということで、また人工肛門・ストーマねたです。
2018年になってから、一品系(ワンピース)ストーマ装具(以下「1P」という。)の乗換え検討を再開していますが、ハサミ不要なのに比較的安価なコンバテック(ConvaTec)製の1P製品があるので試用してみました。
サンプルを頂きましたコンバテック社様には感謝申し上げます。
使ってみて、取扱い操作をする上で一部注意を要すると思ったところはありますが、総じて、個人的に購入の選択肢の一つになり得ると感じたので、記事にします。
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まずは製品の説明から。
コンバテック エスティーム®モルダブル フィルター付 透明 Lサイズ30-40mm(製品番号:413516)
面板の皮膚保護材は、ハサミで切らずに、指で巻き上げて穴を広げて使います。
モルダブルテクノロジーと呼ぶのだそうで、2品系(ツーピース)の製品もあります。
KenUのストーマサイズが縦35mm×横38mm前後なのでLサイズ(30-40mm)を選びましたが、他にMサイズ(20-30mm)、XLサイズ(40-50mm)があります。
貼付期間の目安は1~2日、価格は10 枚 / 箱 5,500円で、KenUが1Pに求めている使用日数と値段にマッチしています。
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頂いたサンプルは、消臭フィルター付き。
入浴時にフィルターの防水のために貼るシールが付属しています。
パウチ(ストーマ袋)の真空化現象を防ぐのに常時貼り付けておいて、ガス(おなら)でバルーニング(膨らみ)が起きたらフィルターから剥がして袋の適当な部分に貼り付けておき、ガスが抜けたら再度フィルターに貼るという使い方もできます。
実際にそうしてみたら、このシールなかなか便利でした。
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便排出口は、ロールアップ(巻き上げ)して面ファスナー(マジックテープ)で留めます。
なお、白色のプラスチックプレートは、巻き上げしやすくしたり、口を広げやすくしたりするために取り付けてあります。
ですが、この製品の場合、パウチの密閉性を保つために、このプラスチックプレートにわざと折り曲げ跡を付けることはしないといった注意が必要です。
ロールアップ1回・・・
ロールアップ2回・・・
ロールアップ3回・・・面ファスナーで固定。
面ファスナーは硬めで、やや留めにくいので注意が必要です。
上写真のように、指で強くギュッとつまんで、指先にプチプチという感覚があるまで、しっかりと圧着します。
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面ファスナーの固定力が強いので、剥がすときにも注意が必要です。
袋部分をつまんで引っ張って面ファスナーを剥がそうとすると、面ファスナーどうしの接着力に負けて、下写真のように面ファスナーがパウチから剝がれて取れてしまう恐れがあります。
面ファスナーどうしの接着面の境目を指先で割くようにして剥がすと良いです。
高齢者になってくると、この辺りの操作が難しくなるかも知れませんね。
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ロールアップした便排出口は、裏返しして折りたたんでおくことができます。
パウチ表面の不織布部分に親指を入れ・・・
裏返すようにして・・・
折りたたみます。
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それでは、いよいよKenUストーマに装着です!!
まず、モルダブルディスクは、面板の剥離フィルム(ライナーとかセパレータともいいます)にホットメルト接着剤で二点固定してあるだけなので、手で剥がして取り外します。
「1」のライナーを剥がします。
皮膚保護材内周を指で転がしながら巻くようにしてストーマサイズに穴を広げます。
「2」のライナーを剥がします。
ストーマに貼付し、必要であればストーマとモルダブルディスクとの隙間を指で整えます。
「3」のライナーを剥がします。
装具パウチの面板のライナーを剥がします。
そのまま貼ろうとしましたが、うまくできなかったので、いったんパウチを膨らませました。
はいっ、面板をモルダブルディスクの上と腹部皮膚に貼り付けて、おしまい!!
初めての操作で慣れていなかったので、面板をど真ん中に貼るのが難しかったです。
どれくらい面板とモルダブルディスクの接着位置がずれてはいけないのかが分からないので、ちょっと不安はあります。
ホリスター モデルマフレックスFWロックンロール検討用に以前に妻に作ってもらったパウチカバーがとりあえず取り付けられました。
今回、面板にフレキシフィット加工をしなかったので、KenUのストーマ回りは少しプックリと膨らみがあるため、面板外周部がよれて皺が入りました。
ほんのわずか「いずい」かな? ※方言です。
でも、面板の皮膚保護材は薄くて、柔軟性は良いように感じました。
パウチは、薄くてパリパリした素材なので頼り無い感じがしましたが、短日使用であれば問題なさそうです。
便の排出は、やりにくということもなく、特に問題なかったです。
また、以前検討したはさみ不要の装具、最近乗り換えようと考えていた1P、および1Pに加えて別に皮膚保護シール製品を併用することを思うと、エスティーム®モルダブル一枚550円という価格は魅力的です。
ちょっと褒めすぎ?
でも、臨時1~2日での使用を想定しているので、KenUがこの製品をメインで使用することはないです。
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装着した翌晩、面板周囲に防水フィルムなど貼らずに、思い切ってそのまま浴槽に浸かる入浴も試しました。
予想通りの結果でしたね。
入浴中に面板が剝がれることはありませんでしたが、皮膚保護材・ハイドロコロイドの水溶性成分が溶けだして、面板周囲の皮膚はヌルヌルになり、入浴後は、面板外回りがペタペタに。
夏場はそれで痒くなるかも知れませんが、今回は痒くならず、明日外してしまうので大丈夫でしょう。
******ここから下、1/14訂正分******
上記記事のとおり、KenUはコンバテック エスティーム®モルダブルの使用を考えていましたが、断念しました。
それは、試用段階で製品設計上の欠陥があるということに気が付いたからであり、その内容について以下に書きます。
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KenUがパウチから便を排出するときに、便排出口をロールアップしているパウチ内側や白色のプラスチックプレートが「濡れ(ぬれ)」ていることに気が付きました。
トイレに流せるティッシュペーパーで拭き取ると、茶色い液体でした。
臭いもありました。
つまり、これは便の液です。
KenU自身のロールアップ操作の失敗、面ファスナーの固定の失敗など考えられたので、便排出口を綺麗によく拭き取り、やり直しました。
3回やり直しましたが、すべて「濡れ(ぬれ)」が確認でき、明らかに便排出口から「漏れ(もれ)」があると結論づけました。
そして、その原因を探るために、他メーカーの製品と比較しました。
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下写真、左がダンサック ノバ1フォールドアップ、右がコンバテック エスティームモルダブルの便排出口です。
これらをロールアップするとどのような状態になるかというと・・・
ノバ1 フォールドアップの場合、プラスチックプレートは、パウチ両サイドのシール部に渡って均一に平らに押し当てられるのがわかります。
そのために、便液が漏れることはありません。
では、エスティーム®モルダブルはどうかというと・・・
プラスチックプレートは、大きな角丸(R)になっているため、パウチ両サイドのシール部に渡る全体が押し当てられません。
プレートのR部隙間に便液が入り込む余地があります。
さらに、拡大してみると・・・
プラスチックプレートがパウチのシール部分にまで被さっておらず、便液が通り抜けられる隙間があります。
これがロールアップしても便液の通り道になっており、何度も便液が漏れた原因であると考えられます。
したがって、この製品は便液が漏れて当たり前の構造であり、設計上の欠陥であると言えます。
さらに、ストーマ装具に便漏れが生じる欠陥はオストメイトにとって致命的です。
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エスティーム®モルダブルの使用後に、パウチを剥がして観察したところ、面板の下への便の潜り込みもなく、ストーマ周囲皮膚の状態も良好でした。
そういった意味でとても良い製品であっただけに、今回KenUが購入の意思が出てきた矢先での欠陥の認知は、非常に残念でなりません。
早期に改良されることを期待しております。
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