私の遺伝と直腸がんと筋ジストロフィーと運命と

先日の人間ドックでの眼底検査の所見が「視神経乳頭陥凹拡大」ということで、要精密検査・再検査の判定でした。
近々、再検査に行こうと思います。

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さて、病院に行くと・・・

大腸がん予防に関するポスターが貼ってあり、そこには、大腸がんの原因として「食生活の欧米化」・「たばこ」・「過度の飲酒」・「運動不足」・「肥満」・「遺伝」などがあげられています。

KenUの家族、親戚に、がん患者は誰一人とおらず、唯一自分だけが「直腸がん」になりました。
なので、KenUが直腸がんになった原因が、「遺伝」とは考えていません。

そこで今回は、遺伝に関するお話しと、KenUのがんの原因について書こうかと思います。

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遺伝といえば・・・

過去にも書きましたが、KenUは、X連鎖性劣性遺伝の赤緑色弱(red-green weakness)という色覚異常があります。

そして、従兄は、X連鎖性劣性遺伝のベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy:BMD)という希少難病のため50歳代で他界しています。

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[X連鎖性劣性遺伝の補説]
女性はXX、男性はXYの組み合わせで性染色体を持つ。女性の場合、一方のX染色体にのみ原因遺伝子がある場合は保因者となり、両方に原因遺伝子がある場合に発現する。男性の場合、X染色体が1つしかないため、原因遺伝子があれば発現する。
出典:小学館/デジタル大辞泉
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男性のXY染色体のYは父親から、Xは母親から受け継ぎます。

つまり、KenUと従兄は、それぞれの母親から原因遺伝子を受け継いだわけですが、母と伯母は姉妹なので、赤緑色弱の原因遺伝子(遺伝子座Xq28の錐体色素遺伝子の変異)、BMDの原因遺伝子(遺伝子座Xp21のジストロフィン遺伝子の変異)は、母方の祖父・祖母から受け継いだことになります。

祖父はBMDではなかったので、BMDの原因遺伝子(仮に「Xb」)は祖母が保有していたことは明らかです。
祖父の息子達(叔父)は赤緑色弱でもBMDでもなかったので、赤緑色弱の原因遺伝子(仮に「Xr」)は祖父が保有していたことになります。
結論は、祖父は赤緑色弱でXrY、祖母はBMDの保因者でXXb、伯母はBMDと赤緑色弱両方の保因者でXrXb、KenUの母は赤緑色弱の保因者でXrX、だったということです。

そして、従兄は、伯父のYと50%の確率で伯母のXbを受け継いで、XbYを持ちBMDになり、KenUは、父のYと50%の確率で母のXrを受け継いで、XrYを持ち赤緑色弱になったわけです。

遺伝の系図を表すと、次のようになります。

赤緑色弱とBMD遺伝系図

そういうわけで、親戚に治療不可能な遺伝性難病で命を落とした人がいる一方、KenUは、体の一部を失い人工肛門になりましたが、まだ生存しています。
筋ジストロフィーは治癒することはありませんが、がんは治療することが可能ですし、治癒する可能性があります。

また、悲しいことですが、従姪はXbの保因者で、男児を生んだ場合には50%の確率でBMDで、KenUの娘はXr保因者で、男児を生んだ場合には50%の確率で赤緑色弱です。

これも何かの運命だったのでしょうか?

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余談ですが・・・

ベッカー型の他に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)というのがあります。

筋ジストロフィーには、確立された治療法はありませんが、2016 年にジストロフィン遺伝子(Xp21)のエクソン50が欠失したDMDに限り適応の医薬品が米国で承認されました。

商品名はExondys 51(エクソンディスフィフティーワン)、一般名は eteplirsen(エテプリルセン)。

これは、Dystrophin pre-mRNAを標的にした30塩基長のオリゴヌクレオチドからなるアンチセンス核酸医薬です。

エクソン50が欠失し、エクソン49に続いてエクソン51が読まれると、ストップコドンとして翻訳されてしまい、ジストロフィン(細胞質たんぱく質)の合成がストップしてしまうのですが、アンチセンスでエクソン51をスキッピング(飛ばして翻訳)させると、エクソン49に続いてエクソン52を読み、不完全ではあるけれども部分的に機能するジストロフィンを合成する翻訳がされる仕組みです。

難しいこと書いてすみません。下↓のサイトの図が分かりやすいかも。
https://www.researchgate.net/figure/51529518_fig1_Antisense-mediated-exon-skipping-rationale-for-DMD-Patients-with-Duchenne-muscular

で、この薬は、FDAの「迅速承認プログラム」の適用を受けて承認されたので、臨床的な有用性は確立されていません。
また、薬の効果が認められたとしも、合成されるジストロフィンは不完全なものなので、治癒するわけではありません。

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ここで、ポスターに書いてある「遺伝」以外の大腸がんの原因について、KenUにどの程度あてはまる考えてみました。

「食生活の欧米化」:野菜が好きでよく食べていたし、便秘は皆無。毎朝快便。
「たばこ」:手術をする5年半前の2008年12月に完全に喫煙をやめるまでは、1日1箱程度。
「過度の飲酒」:1日350mL缶ビール1本程度。過度ではない。
「運動不足」:週1回水泳、毎日筋トレ。運動不足なし。
「肥満」:まったくの非該当。

ポスターに書いてあることは、ほとんど当てはまりません。
強いて言うと、たばこは否定できないのかなぁ~?

その他に考えられるのは・・・

化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)」(←参照リンク)という我国の指針があります。
2014年10月31日にこの指針が改正されたときに、新たに対象化学物質が追加されました。
それは、KenUが研究開発職だったころに7年間ほど取り扱っていた化学物質なんです。

もし、それが原因で、かつ直腸がん発症との因果関係が証明されれば、労災になると思います。

厚生労働省の「労災保険相談ダイヤル」(←参照リンク)というのがあるので、電話してみようかな?

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[2017/11/1追加]
改めて、上記「がん原性指針」の曖昧にしていた部分について書くことにします・・・

2014年10月31日に、新たに「がん原性指針」の対象になった化学物質は、スチレン(スチレンモノマー :styrene、C6H5CH=CH2、分子量 104.15、芳香族炭化水素)です。

KenUは、2003年4月から2010年3月まで、スチレンを主原料とした新製品の開発・実験、製造プラント・生産ラインの立ち上げの仕事をしていました。
当時、スチレンはがん原性指針の対象物質ではなかったので、発がん性があるという意識もなく取り扱っていたし、会社ががん予防対策を講じることもない状況だった訳です。

KenUは、2014年5月に直腸がんの手術をしたので、スチレンの取扱いを始めて10年以上、発がんのタイミングとしては合っているのかな?と思うところもあります。

でも、いろいろ文献も検索しましたが、因果関係を証明するのは不可能だろうなぁと感じています。
WHOの国際がん研究機関(IARC)による発がん性の分類のグループ1(ヒトに対する発がん性がある)やブループ2A(ヒトに対しておそらく発がん性がある)ならまだしも、スチレンは、グループ2B(ヒトに対して発がん性があるかも知れない)ですからね。

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ですが、今日、とりあえず、労災保険相談ダイヤルに電話だけはしてみました。

すると、所轄の労働基準監督署に問い合わせてくださいと言われ・・・。

労基署に電話して、受付に説明すると、担当に回され・・・。

受付に説明した内容は担当には伝わっておらず、担当に同じ説明をし・・・。

すると、専門の担当がいるから折り返し電話するからと言われ、いったん電話を切りました。

30分後くらいに専門の担当から電話がかかってきましたが、内容は伝わっておらず、また、一から説明し・・・(笑。

また別の担当に回されて、
「労災認定されるかどうかは、労災申請してみないとわからないので・・・」
「因果関係がはっきりしていないので・・・」
「会社から事情聴取したり、専門家との意見聴取をします・・・我々は警察といっしょですから・・・」
「何度も労基署に足を運んでもらうことになります・・・」
「かなりの労力と時間を要しますよ・・・」
的な説明を聞かされ・・・

以上、典型的なお役所仕事です(笑

KenUは、はじめから期待していなかったし、面倒そうなので、「もういいや!」となって「はい、おしまい」です(笑

まあ、「ダンダリン」みたいな人はいないでしょうし、おおよそそんな感じだろうなという見当もついていて、承知の上で電話しただけなので、ドンマイです。

なんというか、他の人で、スチレンを取り扱っていたために「がん」になったのかもと考えている人のために、このブログ記事に追補しました。

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余談ですが・・・

今日は、「視神経乳頭陥凹拡大」の精密検査・再検査に行ってきました。
問題ないようで、ほっとしました。
来月、念のため視野検査も行います。

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