オストメイトピクトグラムがJIS規格に追加されました。

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さて、今月のちょっと前に「ストーマ用品に関する用語のJIS規格があるんです。」(←参照リンク)という記事を書きました。

それで、またまた、JIS(日本工業規格;Japanese Industrial Standards)の話題です。

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7月20日に経済産業省から、「日本工業規格(JIS)を制定・改正しました(平成29年7月分)~案内用図記号などのJISを制定・改正~」というニュースリリースがあったわけですが、その ” JIS Z8210:2017 案内用図記号 Public information symbols ” の中に、オストメイトマークとヘルプマークが追加になりました。

今回は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本人だけでなく外国人観光客にもより分かりやすい、言葉によらない目で見るだけで案内を可能とすること、国際規格(ISO)との整合性を図ることを目的として、改正が行われました。

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これまでオストメイトマークと呼んでいた、下の案内用図記号(ピクトグラム)は・・・

[番号]5.1.58
[表示事項]オストメイト用設備/オストメイト
[記事]機能:人工肛門保有者や人工ぼうこう(膀胱)保有者の設備がある場所を表示、または人工肛門保有者や人工ぼうこう(膀胱)保有者のことを表す。

という内容で規定されました。

これと同様のピクトグラムが国際規格(ISO)にないことから、今後、国際標準化機構(International Organization for Standardization)への提案を検討するとのことです。

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ヘルプマークについては、JIS本文ではなく、付属書JD ” ヘルプマークの使用方法 ” での規定になりました。

[番号]JD.1.1
[表示事項]ヘルプマーク
[記事]機能:援助又は配慮を必要としている人が、身に着けることで、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることができる表示。図記号の縦横比率は変更せずに使用する。
注記:公共交通機関、公共施設などへ掲示する活用例もある。

ということで、電車の優先席での使用例が示されています。

ヘルプマークも国際規格(ISO)にはありませんが、今後広く普及させるために、JISとして規定したとのことです。

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その他、既に2014年のJIS改正時に追加になっている、オストメイトにも係るピクトグラムも紹介します。

[番号]5.1.45
[表示事項]内部障害のある人優先設備
[記事]機能:身体の内部に障害のある人が優先的に使用できる設備を表示。

これは、国際規格 ISO7001にあり、図柄は一致しています。

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[番号]5.1.50
[表示事項]内部障害のある人優先席
[記事]機能:身体の内部に障害のある人が優先的に使用できる席を表示。

これも国際規格 ISO7001にあり、図柄は一致しています。

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それから、付属書JB ” 優先設備及び優先席の図記号の組み合わせ使用方法 ” に組み合わせ使用(図記号セット)の基本が示されています。

例えば・・・

実は、KenUはあまり気にしていなかったので、内部障害者も優先されていることは知りませんでした。
でも、今のKenUの健康状態ならば、優先は必要ないですね。

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JISの話は以上ですが、最近気になるものを発見したんです。

↓これは、よく行くスーパーマケットの多目的トイレの表示で、普通に分かるので、とくに問題はないです。オストメイトマークがあります。

問題はこれ↓。同じスーパーの駐車場です。

手前立て札左上のピクトグラム。人のかたちの真ん中に大きく十字の図柄。
十字の大きさと位置が?????(笑

これは、オストメイトマークのつもりなのかな?
よくわかりません。
謎です。

なお、JISには「人の上半身正面図の右下に白抜きの十字形」と規定されています。

もしオストメイトマークのつもりだったとしても、KenUはここには駐車しません。
常に、駐車するときにも、出ていくときにも、バックせずに済むところに停めたいので(笑
しかも、なるべく歩きたいので、店舗から少し離れたスペースに駐車します。

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ついでに、障害者のためのピクトグラムという観点からいうと・・・

上写真のような ”緑色” とか、ヘルプマークのような ”赤色” を使用するのは、実はあまり好ましくないんですね。

なぜかというと、重度の色覚異常(色盲・色弱)がある方には識別しにくい場合があるからです。
白色との組み合わせのようにコントラストが付けられれば問題ありませんが。

ですから、公共のものについては、色覚バリアフリーといったことを考慮して配色を選ぶことが重要です。

ちなみに、KenUは赤緑色弱という色覚異常がありますが、ビリジアンのような暗い緑色と黒色との識別が、シーンによってはちょっと困難なときがあるだけで、夕日の赤、芝生の緑など、きちんとカラーに見えるので日常生活ではまったく問題ありません。

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