【手続き概要】永久人工肛門の増設手術をしたら年金事務所へ障害年金の受給相談と申請へ

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さて、私は、直腸癌で永久人工肛門(ストーマ)になって、あと少しで3年になります。
そして、今頃ですが、障害年金の受給申請をしました。
以下、申請までの流れ、必要なものなどの概要について述べます。
ちなみに、あくまでも私のケースであって、当てはまらない方もいるかもしれません。
参考として受け止めてください。


私の身体障害者手帳の障害名は「下行・S状結腸ストマ造設による直腸機能障害」で、身体障害等級は「4級ですが、障害年金受給資格は、手帳の等級とは別で、人工肛門を増設した場合は障害等級「3級になります。

また、国民年金保険料を納めている方の「障害基礎年金」と厚生年金保険料を納めている方の「障害厚生年金」がありますが、私の場合はサラリーマンなので「障害厚生年金」に該当します。

さらに、請求時期には、「障害認定日による請求」と「事後重症による請求」がありますが、私の場合は「障害認定日による請求」になりました。

そして、『国民年金・厚生年金保険 障害認定基準(平成28年6月1日改正)』 という文書があり、認定要領の記載があります。

引用すると・・・
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第3 障害認定に当たっての基準
第1章 障害等級認定基準
第18節/その他の疾患による障害
2 認定要領
(3) 人工肛門、新膀胱
ア 人工肛門又は新膀胱を造設したもの若しくは尿路変更術を施したものは、3級と認定する。
イ 障害の程度を認定する時期は、次により取り扱う。
人工肛門を造設し又は尿路変更術を施した場合はそれらを行った日から起算して6月を経過した日(初診日から起算して1年6か月を超える場合を除く。)とし・・・以下省略。
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となっています。


じつは、私が障害年金をもらえる可能性があることを知ったのは、最近です。
実際に障害年金の受給資格が「ある」・「ない」等は色々な要件があって分かりにくく、手続きなどは直接説明を受けたほうがわかりやすいので、年金事務所に出向いて「年金相談」をすることにしました。

全国の最寄りの年金事務所はこちら(参照リンク→日本年金機構 全国の相談・手続き窓口)から検索できます。

最初の年金相談をするのに、まず必要なのものは、”基礎年金番号” と “身分を証明できるもの” です。
基礎年金番号さえわかればOKなので、年金手帳の持参は必要なかったです。
身分を証明できるものについては、顔写真付きのものが良く、運転免許証、障害者手帳、マイナンバーカードの3つを持参していきましたが、どれか一つあれば問題ありません。
しいて言えば、障害内容を説明したり、コピーを取られるので、障害者手帳が良いと思います。

以下、申請までの流れを説明します。


[1/20(金) 年金相談一回目]
初回相談では、まずは ”初診日の確定が必要” ということでした。
初診日とは「障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日」です。
自分では忘れてしまっていても、年金相談でどこが初診の病院に該当するかを教えてもらい、その病院の診療記録で分かるので問題ないです。

私の場合は、「直腸がんが見つかったクリニックで、初診日を確定するための『受診状況等証明書(←参照リンク)』を書いてもらってきてください。」というところで、年金相談はいったん終了しました。

その日のうちに、初診の病院に行って「受診状況等証明書」の作成をお願いしてきました。


[1/30(月) 年金相談二回目]
1週間で「受診状況等証明書」を書いてもらえたので、二回目の年金相談です。

受診状況等証明書

初診日は平成25年7月30日。
障害認定日をそこから1年半後とすると2015年1月30日です。
一方、2014年5月23日に人工肛門を造設する手術を受けたので、そこから起算して6月を経過した日は2014年11月23日になります。
そのため、後者を障害認定日として請求することがができ、その日まで遡って受給できるとのことです。

次に、障害認定日を確定するために ”現症の診断書が必要” になりました。

私の場合は、初診のクリニックから別の病院に移って手術を受けたので、「人工肛門を造設した病院で、あらためて診察を受けてから、『診断書(←参照リンクPDFファイル 様式第120号の7)』を書いてもらって、3か月以内に障害年金請求をしてください。」というところで年金相談は終了しました。

ちょうど2月9日が定期の外科外来受診の予定日だったのでグッドタイミングで、受診後に診断書の作成をお願いしてきました。


[2/28(火) 年金相談三回目]
「診断書」が2/17に届いたので、その他の必要書類をそろえて、いよいよ障害年金の請求です。

KenUの直腸癌の診断書

提出した書類等は次のとおりです。

1・年金請求書(国民年金・厚生年金保険障害給付) ※様式第104号を年金事務所でもらって、自分で記入します。

2・年金手帳(KenUのと妻のと両方) ※コピーが取られます。

3・KenU名義の預金通帳(年金の振込先になる金融機関の) ※コピーが取られます。

4・KenUの認め印 ※銀行お届け印でなくてもよいです。

5・妻の過去3年分の所得証明書

6・戸籍謄本

7・住民票(世帯全員分。つまり、KenUと妻と娘の分)

8・診断書(手術した病院で作成したもの)

9・受診状況等証明書(初診の病院で作成したもの)

10・病歴・就労状況等申立書 ※様式を年金事務所でもらって、診断書などを見ながら自分で記入します。

11・身体障害者手帳 ※コピーが取られます。

病歴・就労状況等申立書

上記の「病歴・就労状況申立書」の書き方については、日本年金機構のホームページからダウンロードして見ることができます→ 記載要領(病歴・就労状況等申立書)(PDF 1,360KB)

自分で記入・作成した書類については、年金事務所の担当の方に必要事項の記入漏れや記入内容を確認してもらえるので、記入の仕方がよくわからなくて空欄にしていた箇所があっても問題ありません。
必要であれば、その場で追記や訂正をしながら書類を完成させて、確認の署名なども行い、提出して申請は終了です。

なお、上記書類のうち、8, 9, 10は自分でコピーを取って保管しておくとよいです。
私は、自宅の複合機プリンターでコピーしました。
コンビニでコピーされる方は、原本の置き忘れや紛失にご注意ください。


「年金請求書の審査結果については、受付日から3か月半以内にお知らせするように努めております。」
「はじめての支払いが行われるまでには、年金が決定され「年金証書・年金決定通知書」がお手元に届いてから、おおむね50日かかります。」 とのことです。


[2017.5.12 (金)]
申請してから2か月と少し経過した本日、「年金証書・年金決定通知書」が届きました。

障害厚生年金証書

支払開始年月が平成26(2014)年12月になっているので、初回はそこまで遡った2年6か月分も含めて支払われれます。

なお、注意事項があります。
誕生月がきたときには、日本年金機構から送付される「年金受給権者現況届」(現況届)を毎年受給者本人の誕生月の末日までに、日本年金機構に提出する必要があるそうです。
ただし、障害年金を申請するとき、または、現況届を提出するときにマイナンバーカードを登録すると、現況届の提出が省略できるようになるとのことです。
詳しくはこちら、日本年金機構ホームページ 誕生月がきたとき(←参照リンク)
また、定期的に診断書の提出が必要になるようです。


[6/15(木) 障害厚生年金の支給はじまる]
年金相談に行ってから5か月弱経過した6/15に、銀行口座に入金がありました。
今回は、初回なので、遡った2年8箇月分の障害厚生年金をまとめて受給できました。
予想以上にスムーズに受給できたと思います。


[2018年4/6(金)追加]
さて、障害厚生年金はいくらもらえるのか?
受給金額については次のようになっています。

日本年金機構のホームページ(←参照リンク)によると、 年金額は、【3級】で報酬比例の年金額、最低保障額が584,500円。
報酬比例の年金額の計算式は、H15年3月までが平均標準報酬月額×7.125÷1000×加入月数、H15年4月以後が平均標準報酬月額×5.481÷1000×加入月数、 となっています。
そして、標準報酬月額と厚生年金加入年数から、3級の障害厚生年金額をシミュレーション(平成30年時点)をしてみると下表のようになりました。

障害厚生年金シミュレーション
画像をクリックすると別タブで拡大表示できます

その他、自分で申請せずに、社労士に申請代行を依頼する場合の料金を調べてみました。
着手金なし成功報酬型の場合、初回受給額の10%+年金の2か月分を報酬として支払う他に、書類作成1通5,000円、交通費、相談料など別にかかるようです。

例えば、2年の遡り受給分があり、初回に240万円(年金額は120万円)を受給した場合、初回受給額の10%(24万円)+年金受給額の2か月分(20万円)+書類、相談、出張費など(5万円)、合計約50万円も社労士に報酬として支払うことになるかも知れません。

人工肛門の場合には、年金事務所で相談しながら申請さえすれば、確実に障害認定されますから、自身で申請することをおすすめします。

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