市販の医療用粘着防水フィルムを用いた入浴時ストーマ装具の防水検討

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すみません、またストーマ関連の記事になってしまいました。

オストメイトになっておよそ3ヶ月。
以前「ストーマで困るのはスボンと下着と入浴とセックス」という記事を書きましたが、いまだに入浴方法が定まっていません。
それで、とにかくいろいろな事を考えていろいろな事を試しています。

今回はタイトルそのままの実験検討を行って学術論文風にまとめてみました。
恐らく一般の方は学術論文を読み慣れていないでしょうし、文章も長ったらしいし、わかりにくいし、無理せずスルーしてください。
たいした実験でもなく小学生の夏休みの自由研究みたいなもんですし。時期的にも(笑
まあ、興味のある方は読んでみてください。
とくにストーマ関連用具メーカーや創傷被覆剤メーカーの方とか?

本当は、術後の傷だらけでかたちも変形してしまった汚いお腹を見せたくないんだけどね(笑

はい!では以下どうぞ・・・

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市販の医療用粘着防水フィルムを用いた入浴時のストーマ装具の防水検討 (PDFファイル)

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市販の医療用粘着防水フィルムを用いた入浴時のストーマ装具の防水検討

KenU

要約
入浴は人口肛門(ストーマ)造設者にとってストレス要因となることがあり、オストメイトのQOLにおける問題の一つである。ストーマ装具を装着しての入浴時のパウチの濡れや面板からの便の漏出を防止する製品として、装具全体を覆って皮膚に固定する粘着性の防水シートカバーが市販されており、防水処理の手軽さや安心感といった精神面において有用であるが、日常的な使用には価格面から経済的負担が大きい。そこで、比較的安価で市販されている低皮膚刺激性の5種類の医療用粘着防水フィルム製品を用いてストーマ装具の防水を検討した。面板周囲固定時の入浴では、すべての製品において面板周囲の防水効果は認められなかったが、石鹸やシャンプーの洗い流し時の流水抵抗やシャワーの水圧による面板周囲の浮きや剥がれを防止することは可能であった。筆者考案のフランジを有する防水具と医療用粘着防水フィルム製品を用いたストーマ装具全体の防水では、いくつかの製品によりシャワー浴におけるストーマ装具の濡れを防ぐことができた。本考案の防水具は比較的容易にかつ比較的安価に装着可能であり、適切な防水フィルムを選定することでシャワー浴におけるストーマ装具の防水には有効であった。しかし、浴槽へ浸る入浴においてはすべての製品で防水性を維持することができなかった。防水具の設計に問題があると思われた。浴槽へ浸る入浴を可能にするには、防水具の改良または経済性を犠牲にして装具全体を防水フィルムで覆う方法の採用が必要であると思われた。

1. 緒言
入浴は、身体の洗浄という目的の他にストレス発散、リラックスすることにより疲れを癒すといったことも効果の一つであるが、筆者を含めた人口肛門(ストーマ)造設者にとっては逆にストレス要因となることがあり、オストメイトのQOLにおける問題の一つである。入浴する際にはストーマ装具(以下、「装具」と略す。)を取り付けたままで入浴する方法と装具を取り外して入浴する方法とがあるが、いずれにおいても生活パターンや様々な状況に応じて、シャワー浴だけで済ませる場合と浴槽に浸る入浴を行う場合とがある。
装具を取り付けただけの状態で特に何も工夫を凝らさなくても、健常人と同様に気楽に入浴することは可能であると一般的に言われているが、実際には様々な問題を抱えているのが現状である。装具を構成するパウチに関しては、肌触りを考慮して皮膚との接触面に不織布を貼付しているものもあり、これが濡れることから肌着を濡らさないように風呂上りに乾かすことは必須である。また、皮膚へ直に貼付している装具の面板に関しては、濡れることでハイドロコロイド皮膚保護剤成分が溶解して端部の浮きや剥がれが生じて便が漏出しすくなることや、入浴中に便が浴槽に漏れるといった問題が実際に生じている。
こうしたことから、入浴時のストレスの原因としては、装具を濡らしたくないという心理的負担、入浴中の不意の排便の心配、装具脱落による便漏出の不安、入浴前の装具の交換または便排出等の前処理実施の手間、装具の防水処理の実施の手間、風呂上り時の濡れた装具を乾かす手間等が挙げられる。ただしストレスを感じる内容や程度には個人差があり、これらをあまり気にしない人がいる一方で神経質な人もおり、入浴方法や入浴スタイルも千差万別である。
一方、入浴時の装具の濡れや便の漏出を防止する製品として、装具全体を覆って皮膚に固定する粘着性の防水シートカバーが市販されている。こうした製品の利用は、防水処理の手軽さや安心感といった精神面において有用である。しかし、価格が高く毎日の入浴に使用するには経済的な負担が大きくなるため、一般的には旅先での使用等を除く日常においてはほとんど使用されていないのが現状であると思われる。それに対して、パンフレット等にストーマ装具の装着部位の防水を使用用途の一つとして記載した比較的安価な医療用粘着防水フィルム製品(以下、「防水フィルム」と略す。)が販売されており、これら製品が有効に装具の濡れ防止機能を発揮すれば経済的にも有利である。
そこで本報では、インターネット通販から医療従事者以外の一般人でも入手可能な種々の防水フィルムを入手し、入浴時の装具の防水を検討したので報告する。なお防水フィルムについては日常的な繰り返しの使用や皮膚が脆弱なオストメイトによる使用を考慮して、皮膚への物理的負荷や刺激が少ないとうたわれている製品を検討対象にした。

2. 実験方法
2.1 試料に用いた製品の概要
表1にインターネット通販ショップから購入し検討に使用した製品の概要一覧を示した。このうち、製品1については、テープ製品であり防水フィルムではないが、防水用途におけるストーマ周囲固定例がメーカーのホームページで紹介されているので検討に加えた。

表1 低皮膚刺激性防水フィルム概要一覧(クリックすると新しいタブで拡大表示できます)
表1 低皮膚刺激性防水フィルム概要一覧(クリックすると新しいタブで拡大表示できます)

2.2 ストーマ装具
メーカー;ホリスター、製品名(二品系);面板/ニューイメージFWFテープ付き(製品番号14203)、パウチ/ニューイメージ ロックンロール(製品番号18193)、フランジサイズ;57mmを使用した。

2.3 皮膚貼付入浴試験
表1の製品1~製品5を幅2cm、長さ5cmの短冊状に切断したものを試料として、入浴前に長辺を横向きにして右側腹部に貼付し、入浴中の試料の状態を観察し、入浴後の接着性及び剥離時の刺激性の評価を行った。
入浴中に使用したボディーソープはユニリーバ・ジャパン ダヴ ボディーウォッシュ プレミアムモイスチャーケア、シャンプーは花王 サクセス 薬用シャンプー エクストラクールであった。

2.4 面板周囲固定時の防水試験
表1の製品4を除く4つの製品を幅3cm、長さ10cmの短冊状に切断したものを試料として、接着面の半分を面板周囲に被せるように貼付し、入浴における防水性を評価した。

2.5 防水フィルムを用いた装具の防水試験
表1の製品1~製品5を幅4cm、長さ15cmの短冊状にそれぞれ切断したもの4枚を試料とした。
厚さ0.02mm、幅25cm、長さ30cmの透明ポリエチレン製袋(以下、「ポリ袋」と略す。)と厚さ0.5mmのゴムシート製のフランジからなる防水具を装具に被せ、防水具の口周囲に試料を貼付して皮膚に固定し、入浴における防水性を評価した。

3. 実験結果及び考察
3.1 皮膚貼付入浴試験結果
各製品の試料について、皮膚への貼付による入浴試験を行った。

入浴前の試料の貼付状態を写真1に示した。
試料に記載された1~5の数字はそれぞれ表1に示した番号の製品に対応し、1.やさしくはがせるシリコンテープ、2.優肌パーミロール、3.カテリープラスロール、4.エアウォール、5.ブレスロールであった。

写真1 入浴前の防水フィルム貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真1 入浴前の防水フィルム貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

入浴は装具を外してから初めに温水のシャワー浴を行い、つぎに湯温41℃程度の浴槽におよそ5分間浸った。その後、ボディーソープを使用して身体全体を手のひらで洗浄し、シャワーでよく洗い流してから試料の状態を観察した。さらに、シャンプーで洗髪を行いシャワーでよくすすいだ後に、再度浴槽におよそ5分間浸ってから風呂から上がり試料の状態を観察した。

身体洗浄後の試料の状態を写真2に示した。
4.エアウォールに左上端角部から1cm程度の剥れが見られた。その他の試料には剥れは見られなかった。

写真2 身体洗浄後の防水フィルムの貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真2 身体洗浄後の防水フィルムの貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

入浴後の試料の状態を写真3に示した。
1.やさしくはがせるシリコンテープ、2.優肌パーミロール、5.ブレスロールに剥れはなかったが、3.カテリープラスロールでは左下端角部に2mm程度の剥がれが見られた。
4.エアウォールでは貼付面積の70%以上の面積が剥れた。よって、エアウォールは粘着力が弱く、入浴時の防水用途には適していないと思われた。

写真3 入浴後の防水フィルムの貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真3 入浴後の防水フィルムの貼付状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

試料の観察後、ゆっくりと手で引き剥して接着具合や剥離時の刺激を確認し、また試料を剥した直後及び24時間後の皮膚の状態を観察した。

試料の剥離直後の皮膚の状態を写真4に示した。
全ての試料において剥す時の痛みはなく、比較的弱い力で引き剥すことができた。また、全ての試料において剥離直後~24時間後の皮膚に発赤やかぶれは見られなかった。よって、全ての製品において皮膚への刺激性は低く日常の繰り返しの使用にも耐えられるものと思われた。

写真4 入浴後防水フィルム剥離後の皮膚の状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真4 入浴後防水フィルム剥離後の皮膚の状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

その他に気付きとして、やさしくはがせるシリコンテープは粘着性に問題はなかったが、他製品と異なりテープ基材の柔軟性が低くかつ伸張しない素材が使用されているために、貼付時の皮膚に対する違和感があった。このことは皮膚の動きに対する追随性が悪く、物理的な刺激になると考えられる。ストーマ造設者の中には面板下に皮膚障害をおこしている人や脆弱な肌で荒れを生じやすい人もいるので、面板周囲の防水に使用する場合には注意が必要であると思われる。
一方、優肌パーミロール、カテリープラスロール、ブレスロールは、柔軟性があり厚みが薄いポリウレタンフィルム基材が使用されていることから、皮膚の動きに対する追随性は良好であり物理的な負荷は小さいものと思われる。

3.2 面板周囲固定時の防水試験結果
3.1項の結果を踏まえて各試料を面板周囲に貼付し、入浴による面板の防水性を検討した。

入浴前の試料の貼付状態を写真5に示した。
試料の貼付位置は、面板上側に1.やさしくはがせるシリコンテープ、面板左側に3.カテリープラスロール、面板下側に2.優肌パーミロール、面板右側に5.ブレスロールであった(図1)。
なお、4.エアウォールについては3.1項の結果及びストーマ周囲固定用途の説明書記載はないことから検討対象から除外した。

写真5 防水フィルムによる面版周囲の固定(入浴前)(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真5 防水フィルムによる面版周囲の固定(入浴前)(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
図1 面板周囲固定防水フィルムの貼付位置
図1 面板周囲固定防水フィルムの貼付位置

入浴では浴槽には浸らずシャワー浴とし、それ以外は3.1項と同様にシャワー浴、ボディー洗浄、洗髪等を行った。入浴後の全ての試料に剥れは見られなかった。また試料の剥離時の皮膚の痛みはなかった。

試料を剥したときの状態を写真6に示した。
所々濡れのない箇所は存在したが、全ての試料の貼付部位を含めてほぼ面板全体が濡れていた。
面板の表面材質が凹凸のある不織布であることから、試料を貼付していない部分から水が染込み、防水フィルム固定部の下面にまで広がったことが主要因であると思われる。また、試料の面板に対する粘着力が弱いことも影響しているかも知れない。
入浴前の試料の面板に対する粘着力は、全ての試料において皮膚に対する粘着力よりも極めて弱く、手での90度剥離感応粘着力の強さは、やさしくはがせるシリコンテープ>カテリープラスロール≧優肌パーミロール>ブレスロール>エアウォールの順であった。
今後、引張り試験機を用いた測定により数値的に差異を明らかにする必要があろう。

写真6 ストーマ装具面板の入浴後の状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真6 ストーマ装具面板の入浴後の状態(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

今回の試験に使用した装具に限っては、すべての防水フィルムで面板周囲の防水効果は認められなかったが、石鹸やシャンプーの洗い流し時の流水抵抗やシャワーの水圧による面板周囲の浮きや剥がれを防止することは可能であった。
面板表面不織布が濡れることによる面板のハイドロコロイド皮膚保護剤への影響や固定力の変化に対する影響については今後さらに検討が必要であると思われる。

一方、面板表面が平滑なポリウレタン製の防水性材料で構成され、各種防水フィルムとの粘着性が良好なものがあれば、そのような装具には今回検討した優肌パーミロール、カテリープラスロール、ブレスロールの使用は有効であろう。
やさしくはがせるシリコンテープについては、製品自身の基材に対する粘着力(自背面接着力)が弱く、図2のように貼付したときのテープ同士の重なり部分がシャワーの水圧によって剥がれやすいといった問題があるので、自背面接着力を改良したほうが良いように思われる。

3.3 防水フィルムを用いた装具の防水試験結果
装具全体の防水方法に適した防水フィルムの検討を行った。

方法の一つとして防水フィルムで装具全体を覆う方法が考えられるが、使用する防水フィルムの面積が大きくなりコストが大きくなることから経済的優位性が損なわれ好ましくないと思われた。そこで筆者は防水フィルムの使用量を少なくするために、ポリ袋を併用して装具全体を包み込み防水フィルムで固定する防水具を考案した。
ポリ袋を皮膚へ密閉固定する操作は通常難しいので、比較的容易に装着操作が可能で腹部の動きにも追随できるように、防水具の構成部品としてゴム製のフランジを創作した(図2)。
なおフランジの作製においては、面板と使用するポリ袋の大きさを考慮し、外径と開口部周囲長さを決定した。

図2 防水具ゴム製フランジサイズと面板との比較
図2 防水具ゴム製フランジサイズ(左)と面板(右)との比較

防水具の装着手順は次の①~③のとおりであった。
①ポリ袋の口をフランジの内側から入れた。(写真7左)
②フランジの面をポリ袋の口と一緒に内向きに反転しながらポリ袋の口を折り返してフランジに巻き込んだ。(写真7右)
③この防水具を装具に被せて口の周囲を防水フィルムで皮膚に固定した。(写真8)

写真7 防水具ゴム製フランジへのPE袋装着
写真7 防水具ゴム製フランジへのPE袋装着
写真8 ストーマ装具への防水具装着(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真8 ストーマ装具への防水具装着(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

入浴は、最初は浴槽には浸らずシャワー浴とし3.1項と同様にボディー洗浄、洗髪等を行った。その際、要所要所でポリ袋への水の侵入、防水フィルムの浮き、剥れを観察した。
その後、装具の濡れが見られなかった場合には、浴槽へ浸る入浴を行った。

防水具の防水性試験結果一覧を表2に示した。
試料1やさしくはがせるシリコンテープ及び試料3カテリープラスロールではシャワー浴、ボディー洗浄、洗髪においてポリ袋への水の浸入及び装具の濡れは見られず防水は可能であったが、浴槽への入浴が可能な防水性は得られなかった。試料3では、入浴中にポリ袋内の空気による浮力が生じ、ポリ袋が上方に引っ張られることによって試料がポリ袋から剥れたために浸水した。試料1の浸水した原因はよくわからなかったが、自背面接着力が弱く重ねて貼り付けた部分が剥れて浮き上がっていたことと、ポリ袋に水が浸入する可能性のあるしわが生じるフランジの設計上の問題によるものと考えられた。
試料2優肌パーミロール、試料4エアウォール及び試料5ブレスロールでは、シャワー浴、ボディー洗浄、洗髪のいずれかにおいてポリ袋内への水の浸入が見られた。エアウォールではボディー洗浄後に皮膚からの剥れが見られたことから、3.1項と同様に入浴時の防水用途には適していないと思われた。
試料2と試料5では剥れは見られなかったが、洗剤による水の表面張力の低下やシャワーの水圧によってポリ袋のしわの部分からポリ袋内に水が浸入したものと推測された(写真9)。よって、水の浸入は防水フィルムの問題よりも本考案のフランジの設計に問題があったものと思われた。もしかしたら、このことから試料1及び試料3でも繰り返しの実験により水の浸入が生じる可能性があるかも知れない。また、ポリエチレンに対する防水フィルムの耐水接着力も原因の一つと考えられることから、今後水分による接着力の変化を検討する必要があろう。
さらに、ポリ袋を容易に装着可能で、防水フィルムとフラットな面で接着可能なフランジへの改良が必要であると思われた。

表2 低皮膚刺激性防水フィルムによる装具防水性試験結果一覧(クリックすると新しいタブで拡大表示できます)
表2 低皮膚刺激性防水フィルムによる装具防水性試験結果一覧(クリックすると新しいタブで拡大表示できます)
写真9 ポリ袋しわ部分からの水の浸入(クリックすると新しいタブで拡大表示します)
写真9 ポリ袋しわ部分からの水の浸入(クリックすると新しいタブで拡大表示します)

4. 結論
防水フィルムを用いた面板周囲固定時の入浴では、すべての製品において面板周囲の防水効果は認められなかったが、石鹸やシャンプーの洗い流し時の流水抵抗やシャワーの水圧による面板周囲の浮きや剥がれを防止することは可能であった。
筆者考案の防水具と防水フィルムを用いたストーマ装具全体の防水試験では、いくつかの製品によりシャワー浴におけるストーマ装具の濡れを防ぐことができた。本考案の防水具は比較的用意にかつ比較的安価に装着可能であり、適切な防水フィルムを選定することでシャワー浴におけるストーマ装具の防水には有効であった。しかし、浴槽へ浸る入浴においてはすべての製品で防水性を維持することができなかった。本考案の防水具の設計に問題があると思われた。浴槽へ浸る入浴を可能にするには防水具の改良または経済性を犠牲にして装具全体を防水フィルムで覆う方法の採用が必要であると思われた。

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とまあ、こんな感じでKenUの入浴実験はまだまだ続くでしょう。

論文中では述べませんでしたが、一応、今回考案した防水具っていうのは、面倒なのでパウチに多少便が入っていてもそのまま便も出さずに、パウチを折りたたまずにそのまま防水具を装着して、そのまま入浴しちゃおうっていうのも一つのコンセプトとしてありました。
実際にこの防水具を使って便が入ったままのパウチで何度かシャワー浴はやっています。
パッと装着してパウチの濡れや面板の剥れを気にせずにシャワーをジャージャー浴びれるのというのは、本当に気持ち的にかなり楽です。

そのときに防水具の上、右、左の3箇所に防水フィルムを貼れば、下に貼る必要はありません。なぜなら上から下にお湯をかけて流すから。
それで、15cm幅のロール製品を4cmの長さに(※15cm×4cmの短冊にする)はさみでちょきちょきと3枚切って貼る場合を考えて見ます。
たとえば、優肌パーミロール(※1cm刻みの目盛りがセパレータに印刷してあるので必要な長さに切りやすい)幅15cm×長さ10m 品番H24R15を7,344円で購入した場合、1000cm÷(4cm×3)=入浴83回分(3~4ヶ月分)で、1回入浴当たり7344円÷83回=88.5円になります。

まだまだ他にもストーマ装具の防水のアイデアはいくつかあるので、試していきたいと思います。

後日、このブログの防水具を改良し、フランジ付パウチタイプの入浴用ストーマ装具防水カバーを開発しました。

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