直腸がん治療のブログ・入院中から退院、ハプニングなどの備忘録

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まあ、手術後はとにかく色々とありました。
普通ではめったに起きないことがたくさんです。
今回は記事というよりも、個人的に記録しておきたいことをメモするもので、特に読みどころはありません(笑。

前半はつまらないので、気が向いたら後半の“同室のおもしろかった入院患者さんの話”を読んでみて下さい。

*

“入院から退院まで”

5/22 入院
お臍ふき、シャワー、ニフレックス(経口腸管洗浄剤)、下剤、術前説明、麻酔医からの説明(A先生かわいい^^)

麻酔説明 あかね先生の文字
麻酔説明 A先生の文字

5/23 手術
初めての麻酔と手術。
硬膜外麻酔の準備は全く痛くない。
あっという間に眠らされ、目覚めさせられた時には時間が経過したという感覚がない。

腹腔鏡手術で直腸、肛門、リンパ節を切除。
人工肛門(ストーマ)造設。
およそ5時間の手術。
鼻、お尻、おちんちん、お腹に管が入り、背中にはエピドラ。そして酸素マスク。
術後は意外にも元気。TVが見られる程。

5/24PM 激しい胃痛
十二指腸潰瘍時にも経験のなかったみぞおち辺りが張り裂けるような激痛。
エピドラも痛み止めの点滴もH2ブロッカー?も効かない。

5/25AM 赤茶色っぽい液体を嘔吐
ビニール袋1袋分(1.5L)くらい。

5/25PM 検査と処置
造影剤CT後、腸閉塞の疑いで鼻の穴からイレウス管を小腸まで挿入。
小腸の奥まで通すまで30分を要す。
途中、鼻腔から注入した麻酔が切れて、おえっとなって涙目に。
追加麻酔で収まる。
イレウス管は入れっぱなしで小腸液をドレン。

5/26 車椅子上で意識喪失
腹部レントゲンを撮影するために病室からレントゲン室まで車椅子で移動し、撮影の順番を待っている間に意識を失う。

5/28 2回目の手術
腸閉塞が自然回復する見込みがないと判断。
緊急手術(開腹手術)。
直腸癌切除術で生じる臓器除去後の空間を縫合して埋めたところの1cmにも満たない隙間に小腸が入り込み、血流が遮断されたため小腸が壊死。
壊死部を切除し小腸を縫合。

小腸閉塞手術説明図
小腸閉塞手術説明図

5/30 エピチューブを抜去
エピドラから点滴の鎮痛剤のみに。

鼻から胃まで入れたカテーテルから青汁のような緑色の液体が出てくる。
見ていて気持ち悪い。う~俺はプレデターか?

5/31 歩行訓練開始
めまいがしたため、立って足ふみだけで終了

6/1 歩行訓練
洗面所まで歩行できたので、尿道カテーテルを抜去。

6/5 体温上昇(38.5℃)
造影剤CTとエコー検査。
原因はっきりとせず尿路感染の疑いで抗生物質の点滴投与。

尿道カテーテルを抜去するまでの期間が長かったことが原因か?
または、術後の神経障害による排尿困難が原因か?

6/14 退院
その他、ストーマ装具からの便漏れの影響で開腹手術の縫合部が化膿し、ドレンのため切開していたので、自宅で傷の洗浄と上皮化の処置を継続。

(前日6/13に改めて主治医からの退院前説明を受ける。切除した臓器の病理組織検査による確定診断の結果、ステージ2の癌だったとのこと。)

6/15夕方 腹痛
左下腹部が痛い。きんたまを蹴られた時の痛みに近い。
風呂に入った時に原因がわかった。
左側の睾丸が腫れている。
睾丸自身も痛い。
ネットで調べると、恐らく精巣上体炎。

6/17 外科外来
38℃の発熱。
睾丸が痛くて歩けない。 持ち上げると痛みがやや治まる。

6/19 泌尿器科外来そして即入院
39℃の発熱。
検査結果は精巣上体炎。
外科入院時の尿路感染が治りきっていなかったのかも。
エコー検査の結果では排尿困難ではないとのこと。
抗生物質での点滴治療。

6/26 退院
退院後は経口の殺菌剤を服用。

*

ただでさえ、ストーマになって精神的にも肉体的にも疲弊しているのに、よくもまあ次から次へと合併症が起きること。

KenUは運に見放されました。

でも、運が良かったことと言えば、切除した臓器の病理組織検査の結果、直腸表層のみで裏まで突き抜けていない癌だったため抗がん剤投与は必要ないとのことでした。

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“同室のおもしろかった入院患者さんの話”

外科での入院中のKenUの隣のベッドにいた年配の患者さんが面白かったので、出来事をノートにメモして妻と筆談して笑っていたのでその内容を書きます。

*

(1)隣のおじさん、時々独り言で「(入院)飽きた」とつぶやいています。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「飽きた」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「家に帰れば待ってる女がいるんだ。」
看護師:「そうなんだぁ。奥さんとか家族はいないの?」
おじさん:「家族はいない。」

妻とKenUの筆談
妻:「待ってる女って、なにこれ?!」「でもさ~、毎日、午後6時頃に世話しにくる人いるよね? 顔が似てるから息子さんだと思うんだけど。」
KenU:大爆笑

*

(2)隣のおじさん、自分で歩けるくせに食事の時にいつも看護師さんにコップに飲料水を汲んできてもらっています。

妻とKenUの筆談
KenU:「自分で汲みに行けよ!」「KenUは歩きたくても歩けないからうらやましいのに贅沢だ。」「それか、待ってる女にお願いしろよ(笑)」
妻:「ほんとだよねぇ~! 女の人・・・こないねえ~!!」

*

(3)隣のおじさん、同室の患者さんの検温や処置に来た女性看護師さんを大した用もないのに必ず呼び止めます。

隣のおじさんと女性看護師さんとのいつものやりとりメモ
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「・・・・・」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「今こちらの患者さんの処置をしているからね。」
おじさん:「看護婦さん。」
看護師:「終わったら聞きますから待っててくださいね」
おじさん:「看護婦さん。」かなりしつこい(笑
看護師:「・・・・・」

しばらくして、終わってから。
看護師:「はい終わりましたよ。何ですか?」
おじさん:治療とは関係の無いどうでも良いことを話す。

妻とKenUの筆談
KenU:「ただの女好き。」「看護婦さんと話したいだけじゃん(笑)」
妻:「“看護婦さん”と呼んだとき・・・、看護婦さんのうんざりした顔つきを見てしまった。」
KenU:笑

*

(4)隣のおじさん、看護師さんが病室にくると本当によく喋ります。

KenUが女性看護師さんに検温、spO2測定しているもらっているときのおじさん撃沈メモ
おじさん:「看護婦さん。看護婦さん。」いつものように呼ぶ
看護師:「はい、○○さん何ですか?」
おじさん:「この人なんの病気で入院してるの?」
看護師:「それは言えないんだよね~。」
おじさん:「いいじゃん。」
看護師:「教えない。」
おじさん:「なんで?」 しつこい(笑
KenU:「あのね、看護師さんには守秘義務っていうのがあるから言えないんですよ。」
KenU:「看護師さん、僕が自分の口から言う分にはいいですよね?」
看護師:「ええ、まあ・・・」
おじさん:「なに?」
KenU:「直腸がん」
おじさん:「・・・・・・・・」沈黙。静かになった(笑

妻とKenUの会話
妻:「笑」
KenU:「泣く子も黙る何とかだからね。」

*

(5)ふとんは病院のですが、タオルケットは必要であれば各自用意して使用して良いことになっています。

同室の患者さんが女性看護師さんにタオルケットをかけてもらっていた時の会話のメモ
おじさん:「看護婦さん。」いつもどおり呼ぶ
看護師:「は~い」
おじさん:「おれもタオルケットほしいなぁ~。」
看護師:「自分の家から持ってきてくださいね。」
おじさん:「病院のタオルケットかと思った。」「じゃあ、我慢すっかな。」

妻とKenUの筆談
KenU:「我慢するんじゃなくて、ほしかったら息子らしき人にもってきてもらえよっ!(笑)」
妻:「“待ってる女の人”に連絡して持って来てもらえばいいのに・・・」「遠いのかな? それとも夢の女か?」
KenU:笑

後日、見かけたことのない年配の男性がタオルケットを届けに来た(笑

*

(6)同室の患者さん同士雑談することがある。

同室の患者さんと隣のおじさんの会話のメモ
同室の男性:「毎日、お見舞いに来る人は息子さん?」
おじさん:「そう。息子。」
同室の男性:「体格いいねぇ~」

妻とKenUの筆談
KenU:「やっぱり息子だったんだね。」
妻:「第一印象は、で、でかい!って思った。 そして、顔を見て・・・似てる、親子だ!と思った。」
KenU:「家族いるじゃん!」(笑)

*

(7)KenUは術後やたらとおしっこが近くて、夜中1~2時間おきにトイレに排尿にいっていました。そしてわかったこと。

妻とKenUの筆談
KenU:「隣のおじさん、たぶん、睡眠時無呼症候群だと思う。」「夜中、何度も息してなかったし。」「いつも昼間に眠たそうにしてるし。」
妻:「それって、危なくないの?」
KenU:「さあ?」

*

(8)隣のおじさん、数日前に体のどこかに入れていた菅を抜きました。

ある日の隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
おじさん:「看護婦さん」
看護師A:「何ですか?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師A:「えーと、2日前ですね。」

翌日、別の看護師さんに・・・
おじさん:「看護婦さん」
看護師B:「○○さん、な~に?」
おじさん:「いつ体の管抜いたんだっけ?」
看護師B:「ちょっとまってね。3日前だね。」

KenUのメモ
KenU:「今日もまた違う看護師さんに同じこと聞いてるし。」「女の人にかまって欲しいだけだな。」「しかも、それを聞いて何がしたいんだろう?」

*

(9)隣のおじさんいよいよ退院。 北川景子似の女性看護師さんが同室の患者さんの検温と血圧測定に来ています。

隣のおじさんと女性看護師さんとの会話のメモ
めずらしくおじさんは看護師さんを呼びません。
そして、看護師さんが同室の他の患者さんの血圧測定が終わってから呼びました。
おじさん:「看護婦さん」
看護師:「何ですか?」
おじさん:「俺の血圧測らないの?」
看護師:「今日、退院するから。」と一言だけ(笑
おじさん:「・・・・・」

*

(10)そして、いよいよ隣のおじさんが退院する時がきました。
いつもの息子さんと、もう一人はじめて見る年配の女の人が来ていました。

おじさん達がいなくなってからの妻とKenUの会話
妻:「女の人来たね。」
KenU:「待ってる女か?」(笑)
妻:「息子さんの奥さんかな?」
KenU:「いや、自分の奥さんじゃない?」「だって、女の人はおじさんに対して結構タメ口だし、いたわりの言葉も無いし。」「不思議なのは、一度も見舞いに来なかったよね。」「もしかしたら、奥さんと仲が良くないから架空の待ってる女を作り上げたのかも」
妻:笑

*

とにかく隣のおじさんには笑ってしまいました。
開腹手術後でただでさえお腹が痛いのに、笑い過ぎて死ぬほどお腹が痛かったです。

*
おまけ

入院中に東野圭吾の『ゲームの名は誘拐』を読んでいた時のKenUと看護師さんの会話。

看護師 : 「誰の本読んでるんですか?」
KenU : 「東野圭吾、知ってる?」
看護師 : 「読んだことはないけど、名前だけは。」
KenU : 「福山雅治が出てるドラマ、ガリレオの作者ですよ。」
看護師 : 「あっ、見たことあります。入院患者さんは、みなさん東野圭吾読んでますよね。」
KenU : 「そうなの?」
看護師 : 「はい。人気あるんですね。」
KenU : 「たぶん、人気とかそういうことじゃないと思うよ。」
看護師 : 「え?じゃあ、何でですか?」
KenU : 「だって、病院内のコンビニで売っている小説、東野圭吾ばっかりなんだもん(笑」
看護師 : 「あはは」

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