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目 次
1.ロットリングのマルチペン
2.文書に使うボールペンは青色でもよいか?
3.公文書へのボールペンの使用
4.ボールペン替芯(リフィル)の互換性
5.オークションでボールペンを落札
6.替芯をジェットストリームに交換
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1.ロットリングのマルチペン
KenUは、仕事場ではロットリング(rotring)のTRIOPEN(トリオペン)というボールペンを、出先では同じくロットリングの4in1(フォーインワン)というボールペンを使用しています。
いわゆる多機能ペンとかマルチペン(multipen, Multi Function Pen)と言われるものです。
金属製の適度な重みと、最初に触れた時の金属のひんやりとした感触、使用感、細字の書き味が自分にはとても合っています。 インクのだまがボトッとでることも無くて、お気に入りのボールペンです。

4in1は、ボールペン3色(黒・青・赤)と0.5mmシャープペンシルが搭載されています。
ボディーカラーはグラファイトで、長さ145ミリ、軸径10ミリ、重さ26gとなっています。
TRIOPENのほうは、ボールペン2色(黒・赤)と0.5mmシャープペンシルが搭載されていますが、仕事場では黒色を青色のリフィル(替芯)に交換して使用しています。
そういう訳で青インクがすぐになくなります。
ボディーカラーは、黒とシルバーの2色あります。
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それで、今回”あっとエヌ(@N)楽天市場店”からISO D1規格の青色のリフィル(refill;替芯)筆記幅:F(細字)5本入りを、180円×5+157円(送料)=1057円で購入しました。












重力振り子式(ペンデュラム・グラビティシステム(Pendulum Gravity System)というそうです。)で出したい芯のマークを上に向けた状態でノックするとペン先が出ます。
ペンをひっこめる時はクリップの上のほうを押すと、パチンと戻ります。
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2.文書に使うボールペンは青色でもよいか?
ところで、青色の替芯に交換して使用していると書きましたが、
仕事での文書記録やサインに青色のボールペンを使用する理由は、
1.複写機でコピーした時に原本と副本との区別がつきやすい。
2.フォーム形式の書類の手書き記入部分がどこなのか判別しやすい。
3.ISO等の審査員、その他の監査・査察に対して、分かり易く見やすい記録を示せる。
4.国際化にあわせて、青色ペンで署名する海外の慣習にも適合できる。
ということからです。
(※油性インクのみ使用可。水性インクは使用不可)
はい、ただし、社外向けの文書については黒色ペンが基本です。
ビジネスでは青色ペンでも問題ないとする意見、黒色でないとダメとする意見、賛否両論あるようですが、まあそんな議論をするよりも慣習的に黒色を使っておけば問題ないという理解でよいと思います。
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さて、それに関連して・・・
OK Waveとか教えて! gooとかYahoo知恵袋とか質問サイトに文書作成は黒色ペンか?青色ペンか?という類の質問が掲載されています。
そして、国の規程があるなど、色々と回答はされているのですが、一応KenUも調べてみました。
しかし、総務省、内閣府、文部科学省のホームページをみたのですが、使用するペンの色については、”公文書に関する国の規程”とか”国の指針”とか、ずばりコレッ!というものが見つけられませんでした。
公文書等の管理に関する法律(平成二十一年七月一日法律第六十六号)
行政文書の管理方策に関するガイドラインについて[PDF:96KB] (平成12年2月25日各省庁事務連絡会議申合せ)
公文書等の管理に関する法律施行令 [PDF:184KB](平成22年政令第250号)
行政文書の管理に関するガイドライン[PDF:520KB] (平成23 年4月1日内閣総理大臣決定)
これらのどこにも、ボールペンに関することやペンの色について書かれていないんですね。
みなさん、どこで何を見て何を根拠にして回答しているのでしょうか?
KenUが探し足りないだけかな?
誰かソース(出典)がわかる方がいましたら教えてください。
さて、「国」が言っているのは見つけられませんでしたが、都道府県、地方自治体、官公庁、独立行政法人、国公立大学等が個別に規程しているものはたくさん見つけられます。
例えば、
東京都公文規程施行細目(平成22年12月28日二二総総文第一二〇四号)の「二 公文書作成に用いる用紙、公文の表記手段等」に、「原則として、黒色、赤色若しくは青色のインクを用いてのペン若しくはボールペンによる手書き、パーソナルコンピュータによる印字、印刷又は複写とする。(注)ア 赤色インクのボールペンは、長期間利用保存される公文書の作成には用いない。」とあります。
その他、○○○公文書管理規程とか△△△公文書処理規則とか□□□公文取扱規程とかでは、「黒又は青のインク又はボールペンを用い、かい書によること。」というのがほとんどです。
ただし、注意が必要なのが、黒しか認めていないものも一部あります。 なぜか沖縄県では黒色だけとか。
また、公文書ではないのですが企業の履歴書も、青ペンも黒ペンもOKというところもあれば、黒のみということろもあります。
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では、海外は?
アメリカの法的文書の署名はコピーと判別し易いように青、医療記録は黒、軍の文書を黒で書いていたという軍人さんもいるし、ケースバイケースのようです。
Should legal documents be signed with blue or black pen?
Are official documents always signed in black ink?
イギリスからのKenU宛てメールのインボイスは、青ペンで記入されていました。



また、日本のトリオペンでは黒色、赤色、シャーペンの組み合わせがデフォルトですが、海外のトリオペンでは青色、赤色、シャーペンがデフォルトのものが沢山あります。
そういったことを考えると、海外では一般的に青色インクも使用されているのかも知れません。
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3.公文書へのボールペンの使用
それから、公文書へのボールペンの使用について検索すると「1970年に公文書においてボールペンの使用が認められるようになりました。」という同じ文章がいくつものサイトで見られます。
しかし、「1960年代にボールペンで出生届を書いた」という情報もあり、真偽の程は定かではありません。
これについても、誰かソース(出典)がわかる方がいましたら教えてください。
ちなみに、ISO 12757-2;1998, Roller ball pens and refills-Part2:Documentary use(DOC)、JIS S6039油性ボールペン及びレフィル、JIS S6054水性ボールペン及びレフィル、JIS S6061ゲルインキボールペン及びレフィルに公文書用ボールペンの規格があります。
なので、これらの規格を満たしているボールペンであれば、油性だけでなく水性でもゲルインキでも公文書に使用できることになります。
そして、これら規格の存在がボールペンを公文書に使用して良いことの根拠とできると思いますが、ISO12757-2の制定が1998年なので、「1970年に使用が認められた」と言われていることとは年代に乖離があることに注意が必要です。
KenUの推定では、1960年台からすでに公文書で使用されはじめ、1970年代に広く一般化したということなのではないか?と個人的に思っています。
国立公文書館所蔵公文書等保存状況等調査(←参照リンク)に古くからの公文書へのボールペンの使用が推測される内容が書かれており、調査委員に聞けばはっきりすると思います。
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以上、色々と調べてみましたが、一般的、常識的、通常、黒色と青色のどちらか?なんてことはどうでもいいんです。
決められた色のペンを使用すればいいのだから。
指定がなければ、何も難しいことを考えずに、黒色の油性ボールペンを使っておけばいいんです。
そこで青色を使っても良いのだろうか?なんて悩む必要はないと思います。
たいていの公文書は青でも黒でもOKのようですが、例外もあるし、保険金請求とか契約書類とか私文書は黒色指定も多いし、日本国内ではあえて青色を使用する場面はほとんどないので、常に黒色を使っていれば間違い無いしなんら問題はないでしょう。
どうしても青色を使ってみたいという人は、それが青色で記入して良い文書なのか良く確かめてから実行しましょうね。
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4.ボールペン替芯(リフィル)の互換性
また、ボールペンの話に戻りますが・・・
外国製のボールペンは、国際規格(ISO)の「ISO 12757-1:1998 Ball point pens and refills – Part 1: General use」にリフィルのサイズが規定されています。
マルチペン用のD1リフィルは、全長 67.00(+ 0.3) mm、軸後部の直径 2.35(-0.05) mm、軸前部の直径 2.35(+0.05) mmとなっています。
D1 multipen refills – Cult Pens(←参照リンク)
Refills Catalogue – PDF Version – Premec(←参照リンク)
国内のボールペンは、日本工業規格(JIS)の「JIS S6061ゲルインキボールペン及びレフィル」、「JIS S6054水性ボールペン及びレフィル」、「JIS S6039油性ボールペン及びレフィル」にリフィルのサイズが規定されています。
JISの中身はこちらから検索して見る事が出来ます。→ http://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html
JISの形式Dのリフィルは、全長 67.00(+ 0.3) mm、軸後部の直径 2.35(-0.05) mm、軸前部の直径 2.35(+0.05) mmとなっていて、ISOのD1リフィルとサイズ的には同じで互換性があります。



それもそのはずISO規格を基準にJIS規格が作成されているのですから。
他に4C規格というのをネット上で目にしますが、これはゼブラのメーカー規格の品名・品番コード番号であって、ISOやJISのようなオーソライズされた規格名ではありません。
4C芯は、ISOのD1規格やJISの形式D規格とは寸法(径;芯の太さ)が異なるようです。
情報によると、D1規格のボールペンに4Cリフィルを装着していると、D1リフィルを刺したときにゆるくなってしまい、4C芯以外は受け入れられないボディーになってしまうということらしいです(笑。
国内メーカーのボールペン用のインクにはいろいろと特徴的なものがあるので、互換性に注意してメーカー違いのリフィルに入れ替えて使用しても良いかも知れません。
D1リフィルに似ている国産のリフィル(油性)を探して、メーカーカタログから数値を拾ってきて表にして見ました。



三菱鉛筆、PILOT、セーラー万年筆、トンボ鉛筆のリフィルが使えそうです。
プラチナ万年筆は太さが不明で、ぺんてるは径が細いのでゆるいでしょう。
ゼブラの4C芯は、D1規格よりもリフィル軸受けにはまる軸後部の直径が0.05mm~0.1mm太いのでゼブラ以外のボールペンには使用しないほうが良さそうです。
逆にゼブラのボールペンにD1、形式D規格のリフィルを使用するのは、ゆるゆるでなければ問題ないと思います。
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5.オークションでボールペンを落札
ここまでの記事を書いたあとで、ほかのrotringのマルチペンを探してみたら、すでに廃番のRotring Newton Trio Pen chrome(新品)というのをebayのオークションで見つけたので競ってみました。
でも、rotringのデザイン・性能を引き継いだParkerのFACET Trio multipen AGATE Steel blue(新品)もebayで見つけ、廃番だしこちらのほうがデザイン的に好きなので落札しました。 1bidsでしたが(笑。
ロットリングのニュートントリオペンとの違いは6面体のボディーが16面体に変更になって、クリップがパーカーの弓矢形状になったことくらいです。
シャープペンシルは0.5mmです。
ボールペンは黒と赤の中字用なので他のリフィルに交換して使用しようと思います。
アルミのケースが付属しています。クリップの裏側のボタンを押すとペンが引っ込みます。



落札価格は£18.95(送料£6.95)、合計£25.9(¥4,411)。
£1高い値段でBuy it Nowでの購入も可能でした。
ちなみに、マルチペンではなく同じかたちの1色ボールペンもありますから間違わないように注意が必要です。
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6.替芯をジェットストリームに交換
Parker FACETマルチペンのデフォルトが中字だったので、三菱鉛筆 uniの細字の替芯ジェットストリーム(jetstream)0.5mm(SXR-200-05)に交換してみました。
地域の文具店で1本200円で購入しました。



まず、ジェットストリームは4C規格ではなくD1規格互換なので、リフィル受けに替芯を刺した時の感じは、きついということも、ゆるいということもなく問題ありませんでした。
ただし、先端部分の径がParkerのリフィルよりわずかに細いのか、長さが若干短くてノックした時に先端のテーパー部分が出きらないのか、ペン先の穴と替芯との間のクリアランス(隙間)が大きくなったようで、書くときに若干ペン先がカタカタします。
気にする人には気に入らないかもしれません。
書き味はロットリングよりも、硬い感じで、ざらざらっとした感じです。
書きにくいということではないのですが、好き嫌いが分かれそうです。
ペン先が太いほうが柔らかい書き味になりますから、硬い感じを嫌う人は0.7mmを選ぶとよいかも知れません。
インクの色は、黒は真っ黒に書けるし、赤は明るめの赤でイタリアンレッドぽくて、とても良いです。
総合的には、KenUとしてはジェットストリームに満足です。
書き出しの文字のかすれについては、書くものの材質(紙質)にも影響されますし、ボールペンでは書き出す前に試し書きするのが基本だからあまり気にしていませんが、確かにジェットストリームはかすれにくい気がしました。



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油性ボールペン替芯/リフィル ジェットストリーム0.5mm SXR-200-05【黒】
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「D1規格リフィル多機能ペン(マルチペン)比較一覧表をつくってみた。」
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