便秘で死亡することも・・・浣腸、摘便でも出ない。そして大腸穿孔。

今回の記事は、書こうかどうか迷いました。

ですが、これを書くことで、認識を変えられれば、気を付けてもらえれば、新たな医療・治療・処置技術が開発されれば、本当に大事に至る前になんとか出来ないのか?、診療報酬の問題なのか?など色々思ったので、記事にする事にしました。

長い記事で、文章も読みにくいかもしれませんが、便秘症の人は是非読んでみて下さい。

※セリフは、うろ覚えなのと、そのままではなく、だいたいそのような内容であったということで受け取って下さい。

*

まず、妻の身に何が起きたのかを説明します。

先日、極度の便秘が原因で大腸に穴があき、糞便(うんこ)が腹腔内(おなかの中)に漏れる致命的な状態となり、緊急手術を受けました。

手術は4時間にもおよび、大腸の1/5程度?(医師の説明から想像)を切除して、切断した大腸の両端を縫合してつないで、腹腔内を洗浄する処置がされました。

そして、一命を取り留めました。

私KenUは、便秘が原因で命を落とすこともあるということを知りました。

それはそうとして、今回感じた医療上の大きな問題としてあげられるのが、便秘で大腸に糞便が詰まって閉塞してしまう”糞便性イレウス”の状態だけでは、病院で何も処置をしてもらえないということです。
大腸穿孔となって始めて処置をしてもらえるということなのです。

以下、経過をお話します。

*

[10月29日 火曜日 開業医による診察・処置]

夕方 、午後五時半頃、妻から「腹痛がひどく近隣の個人クリニックに来ている」との連絡があり迎えに行く。

先生から受けた説明は、「レントゲンでみたところ大腸に便が目一杯詰まっている。 2回ほど浣腸をしたが、排便出来なかった。 摘便(肛門から指を入れて、直腸の便をほじくり出す)をやってみたが、指が届く範囲には便はなく、その先で詰まっている。 血液検査をしても特に異常はないので、大腸が傷ついているということはない。」とのこと。

先生「これ以上は、処置のしようがないので、自力で出すしかない。」
私「病院は何時までですか?」
先生「18:30まで。」
と言われ、排便を促す座薬 ” 新レシカルボン坐剤 ※1 ”を処方されて、激痛がおさまらないのに帰宅させられた。

そもそも、自力で出せないから通院したのに。
※1)効能・効果:直腸の中で徐々に炭酸ガスを発生し、ぜん動運動を亢進することにより生理的な排便作用を促す。

*

[10月29日 PM 19:00~ 自宅にて]

帰宅後、座薬を使用してみたが、やはり排便できず。
そして、周期的な激しい腹痛にもだえ苦しんでいる妻。
心配だし、とても平常心で見ていられない。

*

[10月30日 水曜日 AM 5:00頃 自宅から公立の救急救命センターへ]

帰宅してからすでに10時間が経過。
まだ、排便できないでいる。
ものすごい激痛のようだ。
この苦しみ様を見ているのは辛い。
これはおかしい。

5:00頃、たまらず、救急外来に電話。

看護師「来ても、かかりつけ医で行った処置以上のことは出来ない。と先生が言っている。」
私「あの苦しみようはただ事ではない。もう10時間苦しんでいて体力も極度に低下している。 何とかして欲しい。 それに、かかりつけ医は、今日は定休日です。」
看護師「とりあえず見てみると先生が言っているので、連れて来て下さい。」

救急車を呼ばずに、マイカーで妻を救急救命センターへ搬送。
5:20頃、妻は処置室へ、私は廊下で待つ。

6:00頃、しばらくして、医師に呼ばれる。
宿直医「レントゲンを撮ってみたところ、かかりつけ医で見てもらった通り、便が大腸いっぱいに詰まっています。 浣腸をしたが、便は出なかった。 摘便でも便に指は届かなかった。 これ以上、なにも処置は出来ません。」
私「これだけ苦しんで痛がっているのに、何も出来ないなんておかしいでしょ。 なんとかして下さい。 どうみても、普通じゃないでしょ?」
宿直医「痛み止めを使うと腸の運動が抑えられて余計に便が出にくくなるが、かなり痛がっているので、少し弱めの鎮痛剤を使いました。 もう少し時間がたてば効いて来ると思います。」

6:30頃まで待つ。
妻はもう死にそうなくらい痛がり苦しんでいる。
早く楽にしてあげたい。涙が出てきた。

妻「痛い、痛い、痛い・・・」 鎮痛剤がまったく効いていない。
宿直医「痛いですか? 鎮痛剤効いていないですか? これ以上、強い鎮痛剤を使うと腸の運動が止まるので、よけい便は出なくなります。」
私(泣きながら)「お願いします。 なんとかして、早くこの苦しみから解放してあげてください。」
宿直医「まさか、お腹を切り開いて便を出すわけにもいかないし。 そんなことをしたらもっと大変なことになるのでできません。」
私「このまま家に連れて帰る訳にはいきません。」
宿直医「もう少ししたら、専門の胃腸科の先生が通常勤務で来るので、後はその先生に相談してみることくらいしか出来ない。 もうしばらく待っていて下さい。」

この間も妻はものすごく痛がっている。
お腹ではなく「腰」が痛いという。

7:00頃 専門医の指示によるものか? X線CT検査をすることに・・・

宿直医「大腸に穴が開いていて、便が腹腔内に漏れているようです。このままにしておくと死んでしまうので、緊急手術をします。」
私「・・・・・・」

そう、絶対におかしいと思ったんです。
腰が痛いと言ったのは、便が腹腔内に漏れて腰のほうに圧力がかかったためと思われます。
いつから穴が開いていたのかはわかりません。

その後は、宿直医から複数の専門医(外科医他)に交代する。

手術の前にもっとよく確認したいから造影剤CT検査をするとのこと。
造影剤の副作用に関する同意書を書かされる。

しばらくして、手術内容の説明を受けた。
外科医「原因は便秘による糞便性イレウスで、腸に強い圧力がかかり破れて穴が開いたのだと思います。 そこから、お腹の中に便が漏れ出している状態で、便の中には細菌がいっぱいなので、手術しなければ腹膜炎や敗血症で死亡します。」
私「はい」(動揺)
外科医「このあたり(絵を描いてS状結腸や下行結腸の下のほうを示す)に穴が開いているようなので、その前後の大腸を切除します。 穴の位置がこの辺りだと、肛門に近くなって長さ的に足りず、切ったところ同士がとどかなくて繋ぐ事が出来ないので、人工肛門をつけます。 つなげられたらつなぎますが、ほぼ人工肛門になる確率が高いと思っていて下さい。 実際にどうなるかは、お腹を開いてみてから決めることになります。 とにかく命を助けることを最優先にして手術します。」
私「はい、よろしくお願いします。」

それで、何枚もいろいろな同意書を書かされる。

妻は、すでに強い鎮痛剤か麻酔かで、痛みは治まっている様子。
ぐったりしているが、苦しそうでなく、痛みから開放されたようで、それだけでもほっとした。

*
[10月30日 AM 11:00 手術室へ]

猛烈な腹痛が始まってから、16時間が経過。
手術室に入る。

そして、PM 15:00 過ぎに手術は終わり、医師から手術内容の説明を受ける。

外科医(ホワイトボードに絵を描きながら)「こことここを切って、残ったところを縫合して繋げました。 予定通りの手術は終了しました。 穴が開いていたのは、この辺り(下行結腸の上のほう)でした。 腹腔内に便が多量に漏れていて、きれいに洗浄しました。 腸には、ものすごく硬い便がぎっしりと詰まっていて、取り出しました。 穴が開いた周辺部の大腸も壊死していました。 便で圧力がかかって血行が止まって壊死したのだと思います。」
私「人口肛門は?」
外科医「付けていません。 穴の位置が予想よりも上の方で、肛門から離れていたので長さ的に届くので繋ぐことが出来ました。」
私「助かるのですか?」
外科医「体力の問題と、つなぎ目からの漏れがあるかどうかによります。 場合によっては再手術ということも有り得ます。」
私「死ぬこともあるということですか?」
外科医「死亡する危険性はあります。 高齢者も含めた統計では、同様の術後の死亡率は20%です。 しかし、まだお若いので大丈夫だと思います。」

一瞬、最悪を想定して覚悟しました。

それで、どのように手術をしたのかを具体的に下図に示します。
図のように大腸に穴が開いた部分と壊死した部分を切除して、残ったところを縫合したそうです。
それから、もうひとつ医師から説明されたのが、左側の卵巣に腫瘍があったのでそれが大腸を縫合する際に支障となったことから左の卵巣をまるごと切除したとのことでした。

大腸穿孔の手術

正式な診断名は、下行結腸穿孔(かこうけっちょうせんこう)
上のほうだったので人口肛門をつけずに済んだのは良かったと思います。
下のほうだと、下行結腸の中間あたりに人口肛門を付けて、お尻ではなくお腹から便を排泄する管を出します。

手術後はICU(集中治療室)に入院し、この記事を書いている現在では、一般病棟に移りました。

このようなひどい状態になった原因は、本人ではないので正確にはわからないのですが、もともと便秘症ではあった、ということに加えて、ここのところ仕事が多忙で、水分をとる暇もあまりなかったようです。 仕事のストレスも原因のひとつにあるのかも知れません。
しかし、便秘がこんなに怖いものだとは思いませんでした。
実は数ヶ月前にもひどい便秘になり、今回が2度目で、1度目は個人クリニックで浣腸してもらって排便できました。 その後、気を付けろよと言っていたのに、妻本人は、再度つまったらまた浣腸で出せば良いと軽く思っていたのかも知れません。

仕事と命どっちが大切なんだよっ!

便秘は、「とにかく気をつけるしかない」というのは一般的な言い方だし、言うだけなら簡単ですが、KenUはそんなことは言えなくなりました。 気をつけられないのだから。 便秘のことばかり気にして生きていけませんよね。
確かに気をつけることは必要だし、大切な事かもしれませんが、 便秘になっても死なない、苦しまない方法を考えてよと強く思いました。
腸に穴があくまで何も治療できないなんておかしくないですか?
妻のケースでは、穴が開く前に手術をしたほうが明らかにダメージは小さかったと思います。 しかし、できない理由があるのでしょうね。
すぐに、全身麻酔をかけて、肛門から吸い出す方法とかないのでしょうか? ないのでしょうね。
やっぱり、何か手立てを考えて欲しいです。
今回は助かりましたが、退院してからまた便秘になったら?ということを考えると、恐怖で、不安でいっぱいです。

ちなみに、市販の便秘薬は、ほとんどが刺激性下剤(腸のぜん動運動を促進し、腸の粘膜に直接作用することで、排便反射に刺激を与える。)で、習慣性があって、慣れによって効かなくなって、よけい便秘になるそうです。
コロネルという薬が習慣性がないそうですが、術後イレウス(術後癒着が原因による腸閉塞)を起こす恐れがある人には使用できないそうです。

*

追加(2014.5月)

あれから6か月後の現在は、便通コントロールのための服薬は2014年3月で終わり、繊維質を多めにとるように食事に気をつけて、毎日排便できているとのことです。 もしかしたら腸が短くなったのも便通には良い方向に働いているのかも知れません。

お腹のつっぱり感はいまだにあるとのことですが、一応背筋をまっすぐに伸ばして歩くことはできる様になっています。 それから腸が動く時にこれまでと違った違和感はあるそうですが、気になる事はその程度で、その他は問題なく普通に生活できているので一安心といった状況です。

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